ジョーズ VD-69

作品紹介

公開年月  1975/06/20
ジャンル  パニック/アクション
原作  ピーター・ベンチリー 『ジョーズ』
監督  スティーヴン・スピルバーグ
脚本  ピーター・ベンチリー、カール・ゴッドリーブ
製作  デイヴィッド・ブラウン、リチャード・D・ザナック
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ある初夏の晩、海岸から一人の若い女性が姿を消した。
翌日、浜辺に無残な形で女性の遺体が打ち上げられ、平和な観光地アミティは騒然となる。
地元の警察署長ブロディはこの事件を巨大な人食いサメと断定し、海岸の封鎖を提案。
しかし、市長はかき入れ時だと提案を無視し、海開きをするが、またしても巨大な人食いサメが人々を襲うのだった。

登場人物&出演者

マーティン・ブロディ(演:ロイ・シャイダー)
主人公。地元の警察署長。元はニューヨーク市警の警察であり、実は海が苦手である。
ロイ・シャイダーは晩年の出演作に『タンネンベルク1939/独ソ侵略戦争』、『パニッシャー』などがあります。
人食いサメがやって来てから緊張状態を持つが、事なかれ主義の市長から無視されてしまう。
子供の頃に溺れた経験があって水がトラウマとなっているが、基本的に運動能力は高い。
クイントの船に乗って人食いサメ退治に行くが、残念ながら一番の足手まといとなる。
最後は一人だけ残されて、人食いサメの口に空気ボンベを放り投げ銃撃して爆発四散させる。

クイント(演:ロバート・ショウ)
地元の漁師。一匹狼で他人とは連まない。人食いサメ退治の賞金に1万ドルを要求する。
ロバート・ショウは晩年の出演作に『アバランチエクスプレス』、『ナバロンの嵐』がある。
過去に巡洋艦の乗組員だった経験を持ち、魚雷攻撃で沈没した際にサメの恐ろしさを知る。
船に乗ってきたフーパーを小バカにしていたが、同じサメ獲りとして認め合う仲に。
人食いサメが迫ると的確な指示を出してブロディやフーパーを動かし退治しようとする。
しかし、圧倒的な力で船が壊され、乗り上げた人食いサメに食い殺されてしまう。

マット・フーパー(演:リチャード・ドレイファス)
海洋学者。サメ研究に人生を捧げており、今回の人食いサメで専門家として依頼される。
リチャード・ドレイファスは代表作に『グッバイガール』、『陽のあたる教室』があります。
再び人々を襲った人食いサメを退治するべく、ブロディとともにクイントの船に乗り込む。
最初は青二才扱いをされていたが、実力を見せてクイントに認められるようになる。
船のエンジンが故障し、直接毒で殺す事を考えつき、特製の檻に入るも簡単に破られる。
死んだと思われたが、辛うじて人食いサメから逃げ出して海底に姿を隠して生還する。

ボーン市長(演:マーレイ・ハミルトン)
人食いサメがやって来た事で困惑する。あくまで経済的な面を第一に考えていた。
マーレイ・ハミルトンは晩年の出演作に『大惨事世界大戦』、『パットン将軍/最後の日々』などがあります。
結果として大惨事を招いてしまい、その責任を大きく感じて浮かない顔をしていました。
本来なら開き直るところだが、ブロディの話しを受け入れ、クイントを雇う事になる。

エレン・ブロディ(演:ロレイン・ゲイリー)
マーティンの妻。都会での仕事にストレスを感じていたブロディを労っていた。
ロレイン・ゲイリーは代表作に『カー・ウォッシュ』、『1941』などがあります。
決して目立つような感じではないが、サメに対して悩んでいた夫を支えている。

感想

個人的な評価

ピーター・ベンチリーの同名小説を実写映画化した作品。
サメ映画の元祖にして名作として知られ、スティーヴン・スピルバーグを一躍世界的に有名な監督にした作品でもあります。
原作者であるピーター・ベンチリーが脚本に名を連ねているが、スピルバーグ監督はその内容に大きな不満を持っていたらしい。
そこでスピルバーグ監督は脚本を書き直したが、当時はまだ無名だったので当然のように会社からダメ出しを食らう。
脚本が未完成のまま撮影をスタートさせ、現場で作り上げながら完成させています。
ただ、原作者のピーター・ベンチリーは娯楽性の高い作品に不満を持ち、激怒してスピルバーグ監督を罵ったという。
とにかく、本作が完成するまで紆余曲折があったようだが、結果として大ヒットしました。
それに加えて、サメ映画の元祖になって、翌年から数多くの亜種映画が製作されました。
現在ではサメ映画も無限の可能性を求めて、様々なジャンルと掛け合わせながら新たな作品が続々と生まれています。
その元祖にある本作は頂点に立っている作品であり、今から約40年前の映画であっても色褪せる事のない名作だと言えるだろう。
近年のサメ映画はぶっ飛んだ設定だが、本作はあくまで等身大のホオジロザメが人を襲う。
別に竜巻とともに飛んだり、巨大化したり、下半身がタコだったり、しまいには核融合などもしないホオジロザメである。
ただし、スピルバーグ監督がエンターテイメント性を重視し、本来の生態とかけ離れた攻撃性を与えているが。
本作はサメ映画の基本的な物語を構成し、それによって後世の作品に影響を与えました。
まずサメが出現して犠牲者が出て、街の保安官が駆り出され、市長はビジネス的な面で目を瞑り、また被害が拡大していく。
そこで立ち上がった主人公たちは海へ出て、サメ退治に向かっていき、最後は爆発四散させて決着をつけるという王道の流れを作った。
本作では漁師のクイントが存在感を持っており、彼が生きている間は独壇場になっている。
最後に主人公であるブロディがサメと直接対決し、機転を利かせた行動で倒す事に成功する。
ちゃんと登場人物たちに背景があって、ブロディは水へのトラウマ、クイントは仲間がサメに食われるトラウマ、フーパーはサメを退治する強い決意など。
主要人物はちゃんとしていて、悪役的なポジションになる市長も我欲ではなく、みんなの事を考えた判断をしただけ。
このように本作は悪い人間はおらず、サメだって攻撃されたからやり返しているだけ。
結局は人間が勝利するが、本作は単純な物語として片付けられる作品ではないと分かる。
やはり、サメ映画の元祖はどんなに時間が経過しても、他とは比べ物にならないほど面白い。