作品紹介
公開年月 | 2017/06/09 |
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ジャンル | サスペンス/ホラー |
原作 | なし |
監督 | トレイ・エドワード・シュルツ |
脚本 | トレイ・エドワード・シュルツ |
製作 | デヴィッド・カプラン、アンドレア・ロア |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
とある森の奥深くではポールと妻のサラと息子のトラヴィスが未知の感染症に怯えながら平穏に暮らしていた。
人類が絶滅寸前だと思われる状況で、ポールは家族を守る事だけが生き甲斐になっていた。
そんなある日、ポールたちの元に一組の家族が合流し、一つのルールを守る条件で受け入れて共同生活を始めるのだった。
登場人物&出演者
・ポール(演:ジョエル・エドガートン)
主人公。世界が原因不明の病魔に蝕まれる中、森で静かに安全対策を取りながら生活する。
ジョエル・エドガートンは近年の出演作に『ある少年の告白』、『グリンゴ』があります。
感染してしまった義父を非情に徹して処分し、無事である家族の為に厳しいルールを課す。
ウィルが家に侵入しようとしてなんとか止めると、感染していないと確認して家に招く。
トラヴィスの話しでアンドリューが感染していると疑い、出て行こうとする彼らを射殺した。
最後はトラヴィスが感染していると知り、サラと相談した結果、必要な行動を選択した。
・サラ(演:カルメン・イジョゴ)
ポールの妻。感染しないように厳しいルールを課したポールに黙って従っている。
カルメン・イジョゴは代表作に『パージ:アナーキー』、『ファンタスティック・ビースト』シリーズなどがあります。
あくまで感染しない事と家族が第一だと思っていて、他人に対して疑いの目を持っている。
極端に慎重なポールと違って、一緒に暮らす事となったウィルの家族と仲良くしていた。
アンドリューが感染しているのではないかとトラヴィスが話し、すぐにやるべき事を察知。
最後はトラヴィスが感染している事を知り、彼に優しい言葉をかけてポールに後事を託した。
・トラヴィス(演:ケルヴィン・ハリソン・Jr)
ポールとサラの息子。17歳で思春期真っ只中。愛犬のスタンリーが一番の心の拠り所。
ケルヴィン・ハリソン・Jrは代表作に『バース・オブ・ネイション』、『マッドバウント/哀しき友情』などがあります。
絶対的なルールを敷く父親の言いつけを守るが、祖父の感染した姿を見てショックを受ける。
閉鎖的な生活の中で息苦しくなるが、ウィルたちの家族がやって来て明るさを取り戻す。
そんな中で悪夢を見続けると、アンドリューが感染しているのではないかとポールに話す。
最後はウィルたちは感染しておらず、自分が感染していて、ポールはやるべき事をした。
・バド(演:デヴィッド・ペンドルトン)
ポールの義父でサラの父親。すでに感染が体中に広がり、もう手の施しようがない状態。
デヴィッド・ペンドルトンは代表作に『Abduction』、『はじまりのうた』などがあります。
ポールは決意して森へ運んでいき、謝罪しながらも顔にクッションを置いて射殺した。
最後は感染が広がらないように掘っていた穴に入れ、火を付けて完全に殺菌を施された。
・アンドリュー(演:グリフィン・ロバート・フォークナー)
ポールたちと合流した一組の家族の息子。トラヴィスよりも幼くて状況を理解していない。
グリフィン・ロバート・フォークナーは本作が長編映画デビュー作となります。
あくまで遊びに来ているような感覚でいて、トラヴィスのクレヨンで絵描きをしていた。
自分の部屋から出て、バドの部屋で寝ていると、トラヴィスに連れられて戻された。
お互いの信頼がなくなり部屋に閉じこもると、トラヴィスの聞き耳で感染を疑われる。
最後はトラヴィスの感染を知った両親と出て行こうとして、ポールに射殺されてしまう。
・キム(演:ライリー・キーオ)
ポールたちと合流した一組の家族の母親。若くて魅力的な女性。ウィルとイチャイチャする。
ライリー・キーオは代表作に『グッド・ドクター/禁断のカルテ』、『マッドマックス/怒りのデス・ロード』などがあります。
当初は疑っていたポールたちを気にしていたが、徐々に打ち解けてサラの手伝いをする。
幼いアンドリューの面倒を見ながらも、若い夫婦らしくウィルと部屋でイチャイチャする。
眠れないトラヴィスと会話をするが、自然と彼を誘惑している事に気付かずにいた。
最後はトラヴィスの感染を知って出ようとするが、ポールに誤解されたまま射殺された。
・ウィル(演:クリストファー・アボット)
ポールたちと合流した一組の家族の父親。当初は家に誰もいないと思って侵入を試みた。
クリストファー・アボットは代表作に『クリミナル・ミッション』、『ファースト・マン』などがあります。
当然のように警戒していたポールに捕まり、森の木に縛られて感染していないか放置される。
なんとか侵入したのは悪意ではなく、無人だと思っていた事と妻子がいると説明していた。
ポールに理解してもらい、食料を分ける代わりに居候と水を提供してもらい暮らす事に。
最後はトラヴィスの感染を知って家を出ようとするが、ポールの誤解で殺された。
感想
個人的な評価
本作は『オーヴァールック映画際』にてプレミア上映された作品です。
この作品は批評家から絶賛されている一方、観客の評判が悪く予想を下回る興行収入になっています。
本作はラストのオチがあまりにも胸糞すぎて、映画館に行った人たちの評判が悪くなるのはしょうがないと思います。
同系統の作品として『ミスト』があるけど、本作はマイルドなオチになっていると思う。
それでも、本作の胸糞さはなかなかだが、途中からネタが分かってしまい衝撃度は今一つという感じでした。
本作はこじんまりとしたストーリーで、ほとんどのシーンは森の中にある家で展開し、明かりもランプの光だけ。
個人的に薄暗い作品は好きじゃないけど、残念ながら本作もその一つになっていて、途中から真剣に鑑賞する気持ちが失せてしまう。
何が起きているのかハッキリ見せないのは本作の演出だろうが、どうにも薄暗い映像を見せられるとテンションが下がる。
同時に映画の世界から現実に引き戻され、それに比例して作品への興味が薄れてしまう。
登場人物は主役側の家族と、あとから登場する家族になっていて、他人が一つ屋根の下で過ごす事自体は不自然である。
しかも、本作の世界ではパンデミックが起きていて、感染する危険性を秘めているから尚更緊張感が漂っている。
主役側の父親を演じるジョエル・エドガートンはこういう作品での立ち回りは上手く、絶対的な家族を守る行動に説得力がある。
このルールを守る為にどんな事でもやってしまうが、これはラストのオチに繋がってくる。
そんな父親を支える母親役のカーメン・イジョゴも良いが、何より思春期の息子のトラヴィスを演じるケルヴィン・ハリソン・Jrの存在は大きいだろう。
当初は目立たないが、新たな家族が来てから気持ちが高ぶっていく点では、物語を動かす重要な役目を果たしたと思います。
トラヴィスは平和だった生活を一変させる不安要素であり、父親が頻繁に彼の容態を確認していた意味としても、思春期の危なっかしさを感じていただろうと思う。
あれだけ万全の対策を取る父親なので、唯一の不安材料となるトラヴィスが新たな家族との接触でおかしな方向に行くか危惧する点も考えれば面白いだろう。
ただ、本作は全体的に地味で薄暗い中で展開するし、何より同じ胸糞映画でも『ミスト』と比べてしまうと大人しいのでインパクトも薄い。
どうせ胸糞なオチを作るならば、もっと視覚的に絶望感を与える『ミスト』ぐらいにしないと微妙な作品になってしまうと感じました。