グリーン・デスティニー RE-156

作品紹介

公開年月  2000/07/06
ジャンル  アクション/歴史劇
原作  王度廬 『臥虎蔵龍』
監督  アン・リー
脚本  ジェームズ・シェイマス、ツァイ・クォジュン、ほか
製作  アン・リー、ビル・コン、シュー・リー・コン
製作国  中国、台湾、香港、アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

中国全土にその名を知らしめる剣の名手であるリー・ムーバイ。
彼の女弟子のユー・シューリンに伝説の名剣“グリーン・デスティニー”を北京のティエ氏に届けるよう頼む。
ユーの届け先のティエ氏の屋敷で隣に住む貴族の娘イェンに出会う。
イェンは剣士になるのが夢だったが、家の都合で嫁ぐ事が決まっていたという。
二人は打ち解け合うが、その夜“グリーン・デスティニー”は何者かに奪われてしまい、ユーはイェンを疑う事になるのだった。

登場人物&出演者

李慕白(演:チョウ・ユンファ)
兪秀蓮(演:ミシェル・ヨー)
玉嬌龍(演:チャン・ツィイー)
羅小虎(演:チャン・チェン)
碧眼狐狸(演:チェン・ペイペイ)
ティエ氏(演:ラン・シャン)
ユー長官(演:リー・ファーツォン)

感想

個人的な評価

アカデミー賞にて外国語映画賞を受賞し、他に作品賞などにノミネートされました。
香港映画では花形とも言われる武侠映画ですが、本作は世界に向けて製作されました。
ハリウッドで活躍する中国人のアン・リーが監督としてメガホンを取っています。
出演者はハリウッドに進出したチョウ・ユンファ、ミシェール・ヨー、チャン・ツィイーの三人が中心となっています。
チョウ・ユンファは最近では『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』に出演しましたねえ。
しかし、彼を知る人間ならば、忘れてはいけない『男たちの挽歌』があります。
この作品では主流だったカンフーとは違い、ハードボイルドなガンアクションが話題となった。
しかも、彼と組むジョン・ウー監督の白いハトやスローモーションも大きくハリウッドに影響を与えましたねえ。
ミシェール・ヨーも香港映画を代表する女優で、あの『007』にボンドガールとして出演しています。
それにアクションもこなせる女優としても有名ですね。
最後にチャン・ツィイーは新進気鋭の今やアジアをも代表する若手女優。
ハリウッドでも注目されている彼女が世界に名前を知られるのは本作がきっかけです。
彼女はアクションについて未経験者ながらも、努力でアクションをこなすようにもなりました。
まだまだ注目するべき女優だとオイラは思います。
さて、本作最大の注目ポイントは何と言ってもワイヤーアクションですね。
この映画をきっかけにハリウッドでワイヤーアクションが頻繁に使われるようになりました。
記憶に新しいところでは『マトリックス』なんかは完全にそうです。
香港映画では昔から使われるワイヤーアクションですが、本作では特に芸術性を見据えた構成となっている。
まあ、芸術性を高めてしまうと、必然的に娯楽性が失われるのは仕方ない事でしょう。
ハッキリ言って、オイラにとって本作は退屈なモノでした。
それに登場人物たちの関係性も分かりにくい上に、理解しようという気持ちも生まれません。
本作は単に進化したワイヤーアクションと、チャン・ツィイーを掘り出した映画としてしか見えません。
内容は一見複雑のように思えるが、それは単に構成が下手クソだけだと思います。
最も顕著に現れているのは、チャン・ツィイーが演じる人物のムダに長い回想シーンでした。
その入り方は分かりにくくので回想シーンだと気づかない可能性があります。
一応、本作のタイトルにもなっている『グリーン・デスティニー』とは剣をめぐるドラマらしい。
しかし、途中から剣はどうでもよくなり、登場人物たちの関係性だけに結論が行ってしまったのです。
そうなると物語の軸がブレてしまい、結局何がしたかったのか分からない状態になる。
肝心のワイヤーアクションも残念ながら、オイラの目には不自然すぎて痛々しかったです。
明らかに俳優たちが吊られている光景に溜息すら出てしまったのです。
物語の構成も悪く、登場人物の描き方があまりにもアンバランスでした。
まあ、ワイヤーアクションを世界に広める役目を果たしている事以外、特に面白いとは思いませんでした。