ゴジラ・モスラ・キングギドラ/大怪獣総攻撃 VD-262

作品紹介

公開年月  2001/12/15
ジャンル  アクション/怪獣/SF
原作  なし
監督  金子修介(本編)、神谷誠(特殊技術)
脚本  長谷川圭一、横谷昌宏、金子修介
製作  富山省吾
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ゴジラを撃退してから半世紀が経った頃、防衛軍准将の立花は社会の諸現象からゴジラの復活を警告するが、平和に慢心した軍は彼の言葉を黙殺していた。
一方、超常現象番組を担当するリポーターの立花由里も奇妙な事件が起きた場所が『護国聖獣伝記』に記されている三体の聖獣が眠る場所と一致している事を突き止める。
その頃、ついに復活を遂げたゴジラが日本へ近づく中、各地で聖獣の三体が復活して上陸を阻止しようと死闘を繰り広げるのだった。

登場人物&出演者

【民間人】

立花由里(演:新山千春)
主人公。BSデジタルQのリポーター。防衛軍准将・立花の一人娘。奇妙な事件を追っている。
新山千春は代表作に『なぞの転校生』、『呪怨2』などがあります。
光秋から手渡された「護国聖獣伝記」を手渡されると、著者である伊佐山教授を訪ねる。
留置所に収容されていた伊佐山教授の言葉を聞き、ゴジラの正体が残留思念だと聞かされる。
ゴジラが上陸するとスクープを撮影するべく、単独で自転車を手に入れてカメラで回した。
最後はゴジラの体内に入った父親を幻影として励まし、生還を果たして敬礼を交わした。

武田光秋(演:小林正寛)
由里の友人。小説家見習い。主に科学を中心にするサイエンスライターをやっている。
小林正寛は代表作に『第三の極道Ⅳ』、『恋する彼女、西へ。』などがあります。
超常現象に傾倒する由里の為に知恵を貸しているが、だらしない彼女に振り回されている。
特に父親が自衛官だという事実にビビっていて、友人以上の関係から進展させておらず。
由里が危険な現場に駆け寄ろうとすると、当然のように止めるも結局は強行されてしまう。
最後は海に投げ出された由里を助け出して、目の前で沈んでいくゴジラを見届ける事に。

丸尾淳(演:仁科貴)
BSデジタルQのアシスタントディレクター。何かと由里を気にして彼女の機嫌を取っている。
仁科貴は代表作に『ピエタ』、『アキレスと亀』などがあります。
同期の由里に片想いをしているが、告白できずにずっと微妙な関係を続けていた。
友人でプライベートを一緒に過ごしている正寛に嫉妬し、彼の動向を気にしていた。
由里が単独でゴジラの撮影をしていると、本社のスタジオで緊急番組の司会を務めていた。
最後は由里の無事を誰よりも喜ぶが、伊佐山教授の映像が消えたとして青ざめていた。

門倉春樹(演:佐野史郎)
BSデジタルQの企画部長。由里の上司。黒縁眼鏡のロングヘア。スルメやタバコを口にする。
佐野史郎は代表作に『夢みるように眠りたい』、『たたら侍』などがあります。
少ない予算の中で「それなり」の番組を作ればいいという考えで、ウソも許容している。
熱意を持って大手テレビ局と競走しようとする由里に焚きつけられるも乗る事はなかった。
他のメディアが尻込みする中、由里が単独でゴジラの戦いを撮影すると全面でサポートする。
最後は由里の無事を電話で知り、特番を組もうと提案する中で伊佐山教授の正体で恐怖した。

伊佐山教授(演:天本英世)
「護国聖獣伝記」の著者。大和の国を守る聖獣として個人的に聖獣の研究をしていた。
天本英世は代表作に『二十四の瞳』、『殺人狂時代』などがあります。
現在はなぜか留置所に収容されていて、聖獣について尋ねる由里に事実を話していく。
留置所にいるはずだが、由里は新潟県で姿を見ていて、更に富士の樹海でも姿を現している。
ついにゴジラが上陸すると、バラゴンが先行して出現し、留置所を破壊されてしまう。
最後は半世紀前に行方不明になった事実が判明し、何者だったのか誰にも分からなかった。

【防衛軍】

三雲勝将(演:大和田伸也)
防衛軍の中将。立花がゴジラの襲来を警告する中で、他の軍人と同じく嘲笑っていた。
大和田伸也は代表作に『踊る大捜査線』シリーズ、『50回目のファーストキス』があります。
ゴジラの上陸を受けて日野垣から要撃司令官に任命され、三分で撃退すると宣言していた。
防衛軍の火力を持ってゴジラに総攻撃を繰り出すが、一切の効果がなくて呆然とする。
更にバラゴン、モスラ、ギドラが出現していき、日本列島が怪獣だらけだとして脱力した。
最後はゴジラとキングギドラの戦いを静観し、特に何もするワケでもなく勝利に喜んだ。

日野垣真人(演:村井国夫)
防衛軍軍令部の書記官。立花の襲来を警告を聞いていたが、特に反応する事はなかった。
村井国夫は代表作に『大忍術映画/ワタリ』、『累/かさね』などがあります。
実際は半世紀前に日本へ上陸したゴジラに防衛軍の攻撃が通じなかったと事実を知っていた。
それでも現在の防衛軍ならばゴジラを撃退できるとして、三雲中将を要撃司令官に任命する。
次々と出現する怪獣たちに防衛軍が為す術もない状況の中、半世紀前の事実を話した。
最後はゴジラとキングギドラの戦いを静観し、特に何もするワケでもなく勝利に喜んだ。

江森久美(演:南果歩)
防衛軍情報管理部の大佐。特殊潜行艇「さつま」の映像を見てゴジラの出現を信じる。
南果歩は代表作に『伽椰子のために』、『お父さんのバックドロップ』などがあります。
同時にゴジラの上陸に対する警戒が必要だと主張する立花の為に情報を集めていた。
各地で発生する異変を立花に報告すると、護国聖獣が眠る場所だと言われて納得した。
三雲中将が要撃司令官に任命されてからは、ゴジラや他の怪獣の動きを監視して報告する。
最後は軍部の中で一人だけ立花准将の生死を心配し、なぜか密かに涙を流していた。

小早川時彦(演:葛山信吾)
防衛軍情報管理部の少佐。情報検索分析の達人。生真面目だがマニアックな一面を持つ。
葛山信吾は代表作に『横浜ばっくれ隊』、『呪怨2』などがあります。
江森大佐の下で各地の異変について調べていて、それが「護国聖獣伝記」に繋がると発言。
当然のように立花の警告を信じる一人であり、怪獣たちの出現に喜んでいた点もある。
今後の為に怪獣たちへのコード-ネームを提案するなど、軍部では若者らしい柔軟性を持つ。
最後はゴジラとキングギドラの戦いを静観し、勝負がついて他のみんなと喜んでいた。

広瀬裕(演:渡辺裕之)
防衛軍の中佐。泰三の部下。特殊潜行艇「さつま」にて消息を絶った原子力潜水艦を調査。
渡辺裕之は代表作に『オン・ザ・ロード』、『ガメラ/大怪獣空中決戦』などがあります。
グアム島沖の海底を探索中、ゴジラの背ビレを目撃して上官・立花の警告を信じる事になる。
帰国すると常に立花の傍にいて、ゴジラが上陸すると防衛軍の火力が通じない事を知る。
ゴジラが海中で戦いを展開すると、立花とともに攻撃するべくサポートする潜水艇に搭乗。
最後は攻撃するもキングギドラに当たってしまう失態を犯すが、最終的に勝利して生還した。

立花泰三(演:宇崎竜童)
防衛軍の准将。由里の父親。各地で発生している異常事態にゴジラの復活を考えていた。
宇崎竜童は代表作に『デビルマン』、『ホームレス中学生』などがあります。
半世紀前に上陸したゴジラによって家族を失っていて、その恐ろしさを実際に体感している。
「さつま」が目撃した背ビレからゴジラの上陸を危惧するも、他の自衛官から無視される。
海中で戦いをするゴジラに一撃を与えるべく、広瀬とともに「さつま」での攻撃を繰り出す。
最後はゴジラの体内に侵入して内側から破壊し、何事もなかったように生還を果たした。

感想

個人的な評価

本作は『ゴジラ』シリーズにおいて第25作目となり、第3期『ゴジラ』シリーズにおいて第3作目となります。
第1作目である1954年の続編というポジションで、日本にはそれ以降怪獣は現れていない設定となっています。
それまで構築してきた昭和シリーズとは一線を画し、新たなゴジラの世界観を作っています。
実際にシリーズが低迷していて、苦肉の策として『とっとこハム太郎』との併映を敢行していました。
その為、多くの子供が映画館にやって来るが、あまりにもゴジラの怖いという事で途中で退席する自体が起きていたという。
テコ入れとして『平成ガメラ三部作』を手がけた金子修介を企画段階から参加させています。
それによって、低迷していたシリーズは本作で復活を遂げて、第3期シリーズの中で最高の動員数を記録しました。
『ガメラ』シリーズは現代日本に出現した怪獣への対応をリアルに描いたが、本作はなぜか古き良きシリーズの路線を貫いています。
いわゆるプロレス映画になっていて、着ぐるみを着たスーツアクターたちによる人間っぽい戦いがメインとなります。
特に最初の激突であるゴジラとバラゴンの戦いでは、まるでプロレスを観戦しているかのような印象を受けました。
現在ではハリウッドで再リメイクしていて、まさしく「怪獣」を彷彿とさせる圧倒的な存在感とはまったく違っています。
そして、本作で素晴らしいのが人間はあくまで蹂躙される側であり、ゴミのように死んでいく展開もまたシリーズの醍醐味だろう。
何よりマナーを守らないバカ者(若者)が抹殺されていくだけじゃなく、何も悪い事をしていない若者も容赦なく蹂躙されていく怪獣映画らしい展開は素晴らしい。
本作はゴジラやキングギドラたち怪獣が主役であり、人間側はあくまで添え物だが、主役の二人はあまりにも演技が下手すぎた。
普段はあまり演技について語りませんが、新山千春と宇崎竜童の下手さ加減で怪獣たちのバトルもぼやけてしまうぐらい下手すぎて目に余る。
終盤ではギドラを助けたり、決死の取材をするが、ハッキリ言って両者とも「死ねばいいのに」と思わせるぐらい邪魔でした。
そして、何度もゴジラに負け続けているギドラは負けてもモスラの力を得てキングギドラとなるも勝てず、人間に助けられても勝てない。
確かにゴジラ最大のライバルと言われている怪獣だが、何度も負けて助けられる展開はあまりにもお粗末でした。
金子修介の『平成ガメラ三部作』は良かったのに、なぜ本作はツッコミどころ満載になったのか、とても残念な気持ちになってしまいました。