作品紹介
公開年月 | 2015/01/30 |
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ジャンル | 歴史劇/アクション |
原作 | 旧約聖書『出エジプト記』(モチーフ) |
監督 | リドリー・スコット |
脚本 | アダム・クーパー、ビル・コラージュ、ほか |
製作 | ピーター・チャーニン、リドリー・スコット、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
栄華を誇る古代エジプト王国では、長年に渡ってヘブライ人を奴隷として使役していた。
そんな中、王女に拾われ、国王の息子ラムセスと兄弟同然に育てられたモーセ。
成長したモーセは国王セティの信頼も厚く、民からも慕われる存在になっていた。
ところがセティの死後、王位に就いたラムセスはモーセの出自がヘブライ人だと知ると、彼を追放する。
過酷な放浪の旅の末に一人の女性と巡り会い、結婚したモーセは9年後、神の啓示を受け、虐げられるヘブライの民を解放するべくエジプトへ戻るのだった。
登場人物&出演者
・モーセ(演:クリスチャン・ベール)
・ラムセス(演:ジョエル・エドガートン)
・ツィボラ(演:マリア・バルベルデ)
・セディ王(演:ジョン・タトゥーロ)
・ヨシュア(演:アーロン・ポール)
・ヌン(演:ベン・キングズレー)
・トゥーヤ(演:シガニー・ウィーバー)
感想
個人的な評価
本作において主人公となる預言者となるモーセを演じるのはクリスチャン・ベールです。
近年の代表作には『マナー・ショート/華麗なる大逆転』、『ファーナス/訣別の朝』、『アメリカン・ハッスル』があります。
クリスチャン・ベールは過激な役作りとして知られる俳優で、特に体重の増減が話題を呼びます。
残念ながら本作では過激な肉体改造による役作りはなかったけど、役になりきる意味では無難な立ち回りでしょう。
個人的にはクリスチャン・ベールのイメージとして、個性がなくて作品を壊さないキャラクター作りだと思っています。
なので、本作でもモーセというキャラクターに徹していて、強烈なインパクトがないと感じました。
王位を受け継ぐ新たなファラオとなるラムセスを演じるのはジョエル・エドガートンです。
ジョエル・エドガートンはオーストラリア出身でテレビドラマや舞台などに出演しています。
映画の方では『キング・アーサー』、『アニマル・キングダム』、『遊星からの物体X/ファーストコンタクト』などがあります。
ラムセスは偉大なファラオとして知られ、長身で長寿であり、尚かつ優れた戦士であった人物です。
ジョエル・エドガートンはモーゼと敵対するラムセスという役を理解し、その上で高圧的でイヤな人間として演じきっています。
ヒロインという立場にはモーゼの妻であるツィポラを演じるのはマリア・バルベルデです。
マリア・バルベルデはスペイン出身で代表作には『汚れなき情事』があります。
出エジプト記ではあまり大きな扱いではなかったが、本作ではかなり大きな扱いとなっています。
他に脇を固めるジョン・タトゥーロ、ベン・キングズレー、シガニー・ウィーバーなどが出演しています。
モーセに安らかなで平穏な生活を与える役目として登場するけど、吹き替えが素人タレントだったから違和感ありまくりでした。
物語としては歴史劇を丁寧に映画化しているけど、これはチャールトン・ヘストンの『十戒』に近い要素を含んでいます。
ただ、チャールトン・ヘストンの『十戒』はもっと重厚で何より主人公のモーセは絶対的な存在として強烈なインパクトを出していました。
もちろん、敵対していたラムセスを演じたユル・ブリンナーも並んで強烈で、この二人が壮大な物語を引っ張っていました。
それに物語の象徴である“十の災い”を本作はあくまで神の所業というワケじゃなく、根拠のある原因となっている演出が個人的に微妙でした。
ファンタジックな演出を避けてリアリティを出そうとしているけど、そもそもベースが神話だから現実的にやってもおかしな事になる。
旧約聖書の映画というのは日本人にとって馴染み薄く、それを忠実に再現すると面白味がなくなってしまう。
エンターテインメントに傾倒すれば日本以外から批判される非常に難しい題材だと思います。
本作は3時間ほどの長さだが、倍速で鑑賞してもいいレベルであり、ずっと楽しめる4時間もある『十戒』と比べて劣っているのは残念でならない。