作品紹介
公開年月 | 2003/04/15 |
---|---|
ジャンル | SF/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | アンジェイ・セクラ |
脚本 | ショーン・フッド、アーニー・バーバラッシュ |
製作 | アーニー・バーバラッシュ |
製作国 | カナダ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
心理療法医のケイトが目を覚ますと、そこは冷たく光る立方体の中で、6面の壁にはそれぞれドアがあって隣の部屋に続いていた。
他の部屋へ入ったケイトは経営コンサルタントのサイモン、盲目の学生サイモン、技術者のジェリー、ゲームデザイナーのマックスや国防総省のエンジニアのマグワイア大佐と老女ベイリー夫人と合流する。
全員が立方体へ来た理由も分からず、ここから脱出するにはこの場所の謎を解くしかないという結論に至るのだった。
登場人物&出演者
・ケイト(演:カリ・マチェット)
心理療法士。白人女性。メイン在住で病院の仕事が長引いて車で帰る途中で意識を失う。
カリ・マチェットは代表作に『エンジェル・アイズ』、『アルマゲドン2011』があります。
隣の部屋に入るといきなりマックスにナイフを突きつけられ、サーシャを見つけ出した。
自分勝手に動こうとするサイモンに反対し、トラップが発動した部屋からサーシャを助ける。
部屋に書かれた数字の意味が超立方体の崩壊を分かり、残された穴に飛び込んで助かった。
最後は実は組織側の人間で将軍にサーシャのUSBを手渡し、機密保持の為に射殺された。
・サーシャ/アレックス・トラスク(演:グレース・リン・カン)
盲目の学生。アジア系の女性。ニューメキシコ在住でキッチンで宿題していたという。
グレース・リン・カンは代表作に『P2』、『女神の見えざる手』などがあります。
状況が分からず部屋の隅っこで固まって怯え、ケイトたちがやって来てようやく動き出す。
部屋のトラップが発動してジェリーが殺されるが、何が起きているのか分からず立ち止まる。
実は正体が伝説的なハッカーだとケイトに話し、外に出る事はできないと悟りを開いた。
最後は殺人鬼となったサイモンに捕まり、何人も殺している彼に関係なく一瞬で殺された。
・サイモン(演:ジェラント・ウィン・デイヴィス)
経営コンサルタント。ニューヘブン在住で飲みに出かけた先で意識を失っている。
ジェラント・ウィン・デイヴィスは代表作に『同窓会の恐怖』、『ザ・テリブル』がある。
部屋に入ってきたケイトにナイフを突きつけるが、その後は他の人と合流して謎を解く。
ジェリーがドアを設計したとして疑い、次はアイゾンの関係者としてペイリーを疑った。
実は行方不明となった女性を探していたが、超立方体から出られないと知って殺人鬼になる。
最後は殺人をしながら死体を食べ、ケイトに目を潰されて追うが結局は返り討ちに遭った。
・マックス(演:マシュー・ファーガソン)
ゲームデザイナー。レラティヴィティというゲームソフトの開発で途中で居眠りしていた。
マシュー・ファーガソンは代表作に『プロムナイト5』、『百合の伝説/シモンとヴァリエ』などがあります。
年上に対しても無礼な態度を取っていたせいで、すぐにサイモンから目をつけられてしまう。
寝ていたジュリアを見つけて一目惚れし、移動している間でも彼女に気を使っていた。
実はアイゾンの子会社からアイデアを盗まれ、裁判を起こして最後まで戦おうとしていた。
最後はジュリアがアイゾンの顧問弁護士と知るが、お互いの快楽に溺れて干からびて死亡。
・ジュリア(演:リンゼイ・コネル)
弁護士。若い白人女性。サンタモニカで試写会に参加し、パーティの後で記憶を失っている。
リンゼイ・コネルは代表作に『プレイヤー・イン・ザ・ダーク』、『ラースと、その彼女』などがあります。
彼女以外が行動していたが、一人で寝ていたところをマックスに見つけられて合流した。
他の人たち同様に状況がまったく分からず、暴走するサイモンからマックスと逃げ出した。
実はアイゾンの顧問弁護士で、マックスが奪われたアイデアでの裁判沙汰を知っていた。
最後は超立方体から逃げられないと悟り、マックスを誘惑して干からびるまで肉欲に溺れた。
・ペイリー(演:バーバラ・ゴードン)
老年の白人女性。重度の認知症を患っている。愛犬を散歩させていたところで意識を失う。
バーバラ・ゴードンは代表作に『結婚ミステリー/夫を買った女』、『XIII/サーティン』などがあります。
状況が分からず考え込んでいたケイトたちと合流し、絶望的な中で明るく振る舞っていた。
その正体はアイゾンという巨大な会社で働いていた元研究者で、死んだ知り合いで覚醒する。
すぐにまたボケ老人に戻ってしまい、出口を聞き出そうとしたサイモンに縛られていた。
最後は発動したトラップから逃げられず、サイモンに捕まるも腹を刺されてそのまま死亡。
・ジェリー(演:ニール・クローン)
エンジニア。中年の白人男性。ネブラスカ在住で超立方体の自動ドアを設計したという。
ニール・クローンは代表作に『ワイルド・チェイス』、『クリスマスがくれたもの』がある。
一人で何時間も同じ部屋をグルグルと回って、番号をつけているとケイトたちに遭遇した。
紳士的な態度でケイトたちに敵意がないと話し、その後に合流した他の人に自己紹介する。
サイモンから超立方体の一味だと言われるが、何も知らないと主張して謎を解こうとした。
最後は部屋に出現した立方体のトラップに吸い込まれ、身体をバラバラにされて死亡した。
・マグワイア大佐(演:ブルース・グレイ)
国防総省のエンジニア。体中がアザと血だらけで、アタッシュケースを持っていた。
ブルース・グレイは代表作に『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』、『クリムゾン・ピーク』などがあります。
超立方体に収容された現実を知って、脱出できないと理解して首吊り自殺を図った。
最後はケイトたちに見つかるが、部屋のトラップが発動して肉体が一気に腐敗して死亡。
・将軍(演:フィリップ・エイキン)
四次元の超立方体の実験を見守っていた責任者。無事に帰還したケイトを待っていた。
フィリップ・エイキンは代表作に『アイスマン』、『P2』などがあります。
ケイトがサーシャから奪ったUSBを手に入れ、機密保持の為に彼女を射殺させた。
最後は上層部から電話を受けると、実験の第二段階が成功した伝えて立ち去った。
感想
個人的な評価
本作は1997年に公開された『CUBE』の正統な続編となっています。
1作目のヒットで多くの偽物が出回ったが、本作は正真正銘のシリーズの続編です。
前作では三次元の立方体が舞台で、続編となる本作はもう一つの次元である四次元の超立方体が舞台となっている。
基本的に前作とまったく同じような状況にあって、登場人物たちはなんとか解明しようと考える事が中心になります。
つまり、似たような展開で新鮮味と言えば、四次元の超立方体になっているだけでやっている事は繰り返しになってしまっている。
ただ、前作の良かった部屋に仕掛けられているトラップがほとんどなくなり、移動する怖さがなくなってしまった。
移動しないと餓死するし、その際にリスクを伴う緊張感があったのに、本作はごっそりとそれを削ったせいで面白さも失った。
登場人物を増やしても役割のない人もいて、続編としての意味合いは予算が前作よりも多くなったところしかない。
時間の概念が取り込まれたので、前作よりも面白くできるはずなのに、前述のように良いところをごっそりと失ったせいでもったいない。
そもそも、監督が代わっている上に新しいアイデアをほとんど活かしておらず、下手をすれば偽物の方がいいと思わせるほどのガッカリな感じでした。
特にダメな点は途中で登場人物たちの性格が豹変してしまい、完全に物語としての緊張感がブレてしまっています。
探偵がだった男が殺人鬼になったり、怯えたブスな少女が実は伝説的なハッカーだったり、親身だった主人公が組織側の人間だったりと意外性を狙ったのだろう。
しかし、これが物語自体ブレてしまっているので、意外性どころか「はっ?」と言いたくなるぐらい意味不明な展開に思える。
続編として監督が続投して、四次元の超立方体についてのアイデアをもっと練れば、本作は良作になる可能性が充分にあったと思います。