「チェーンソー」は多数の小さな刃がついたチェーンを動力によって回転させ、鋸と同様に対象物を切断する動力工具の一種。
日本語では「鎖鋸」と呼ばれ、主に大木などを切断する為に用いられている動力工具である。
しかし、この工具が映画の世界に放り込まれるが、恐ろしく凶悪な武器となります。
特にそれは人間相手ではなく、それ以外のモノに強烈なダメージを与える。
そんな凶器を体の一部のように自由自在に使う事ができる二人の英雄がいます。
今回はその二人をじっくりと紹介したいと思います。
死霊とサメをバッサリと斬る二人の男
チェーンソーは強力な武器として映画だけに限らず、ゲームでも頻繁に登場し、最強武器の一角を担う事もしばしばあります。
しかし、実際に武器として使用するには想像以上の熟練した技術を要します。
まず、動力工具なので普通に思いですし、そこにガソリンタンクがあって、実際に動き出すと反動もあって簡単に操れない事がすぐに分かると思います。
爆音を響かせるモーター音、激しく回転する刃から必殺の武器に見えるが、動くモノを斬るとなれば、超人的な膂力がなければ自分を斬る事になってしまう。
だが、そのようなデメリットを一切無視する二人の男、死霊を物理的にぶっ殺すアッシュ、竜巻とともに飛来するサメを一刀両断するフィン・シェパードは選ばれし英雄である。
アッシュ・ウィリアムズ
本名はアッシュ・J・ウィリアムズ。
大手スーパーマーケットの日用品係の仕事をしている。
『死霊のはらわた』では休暇を過ごそうと姉や恋人に友人と森の山小屋にやって来た。
しかし、友人が偶然『死者の書』とテープレコーダーを発見した事で、アッシュの運命は大きく変わる事になります。
『死霊のはらわたⅡ』はリメイク的な立ち位置で、アッシュは恋人とともに山荘を訪れ、やはり『死者の書』とテープレコーダーを発見する。
そこでアッシュ自身に異変が起きてしまい、取り憑かれた右手を自ら切断し、チェーンソーを装着する現在のスタイルを確立させる。
『キャプテン・スーパーマーケット』になると、もはやホラー映画ではなく、アドベンチャー的なコメディ映画となる。
アッシュは時空を超えて中世に飛ばされ、アーサー王とともに死霊軍団と戦う事になる。
最大の武器は右手に装着されたチェーンソーだが、もう一方の手には水平二連式ショットガンを巧みに操る事ができます。
そして、幾多の壮絶な戦いを勝ち抜いてきた経験を持ち、今でも死霊と戦い続けている。
フィン・シェパード
元々はカリフォルニアの沿岸でバーを経営し、その傍らでライフガードをしていた。
常にあらゆる災害への対応を怠らず、座右の銘に「センタ・パラタス」(ラテン語で「備えは万全」)を信条とする。
『シャークネード』ではバーが竜巻に襲われ、家族を助ける為に眠っていた超人的な身体能力を覚醒させていく。
道中では家族以外の人間を助ける正義漢を発揮しつつ、飛来するサメに怖じけず愛用のチェーンソーでバッサリと斬りまくりました。
『シャークネード/カテゴリー2』は険悪だった家族の絆を取り戻すが、またしてもシャークネードに襲われる事となる。
しかも、前回の活躍ですっかりと有名人となっていて、妻は本を出版するほどの人気ぶりとなりました。
『シャークネード/エクストリーム・ミッション』になると、大統領から最高位の勲章を授与される英雄となります。
今度のシャークネードは宇宙まで影響を及ぼし、当然ながらフィンも宇宙へ行くのです。
『シャークネード/ザ・フォース・アウェイクンズ』では、妻を亡くして意気消沈しているところにまたもシャークネードが発生。
相変わらずの超人ぶりを発揮するが、他にも周囲を超人化させる能力を持ち、妻はサイボーグとして蘇る事となります。
『シャークネード/ワールド・タイフーン』はついにシャークネードを発生させる秘宝を見つけるが、逆にシャークネードを発生させてしまう。
今回のシャークネードは時空を歪ませる力を持ち、ついにフィンは大人になった息子(ドルフ・ラングレン)と行動する事になります。
このように『シャークネード』シリーズは絶好調ですが、これがテレビ映画という事実を忘れちゃいけません。
劇場版だとやりたい事よりも売れる事を優先する為にマイルドな内容になるけど、本作はテレビ映画だからやりたい事を徹底的にやれるのです。
だからこそ、フィンという主人公はどこまでも超人と化し、地球の運命さえも左右する人物になれるのです。
英雄ではないがチェーンソーの使い手たち
今回は世界を救う英雄としてチェーンソー使いの二人を紹介したが、まだまだチェーンソーを使う者たちがいます。
少しだけ彼ら(彼女)を紹介したいと思います。
レザーフェイス
本名はババ(ジェディダイア)・ソーヤー。
『悪魔のいけにえ』に登場する殺人鬼で、先天性の皮膚病と梅毒を患っている為、人の顔の皮を剥いで作った仮面を被っている。
巨漢でパワフルだが、追跡能力は非常に長けていて、一瞬にして距離を縮むほどの俊足。
実はジェイソン・ボーヒーズと混同されてしまっている一面を持つ。
あくまで生身の人間であり、不死身ではなく、誤ってチェーンソーで自分の足を斬った時は悲鳴を上げていました。
これまで『悪魔のいけにえ』、『悪魔のいけにえ2』、『悪魔のいけにえ/レザーフェイス逆襲』、『悪魔のいけにえ/レジェンド・オブ・レザーフェイス』に登場している。
リメイク版『テキサス・チェーンソー』、『テキサス・チェーンソー/ビギニング』もある。
それと、一作目の新たな続編『飛び出す 悪魔のいけにえ/レザーフェイス一家の逆襲』もあって意外にも作品数は多いです。
そして、近年ではアメリカで大人気の格闘ゲーム『モータルコンバットX』では同じ殺人鬼であるジェイソン・ボーヒーズとともに出演を果たしています。
鋸村ギーコ
三家本礼の漫画『血まみれスケバン・チェーンソー』に登場する主人公。
無敵の不良女子中学生で「解体業ノコムラ」の長女。
中学生でありながら喫煙と飲酒が趣味で、下着はさらしと六尺ふんどしを愛用している。改造されたチェーンソーと独自の格闘術を使うが、本来は争いを好まない性格である。
とにかく、世界観がぶっ飛んだ漫画であり、スプラッターというジャンルが良く似合う。
主人公のギーコも魅力的だが、他の登場人物も個性豊かで強烈なインパクトを与える。
実写映画『血まみれスケバンチェーンソー』では内田理央がギーコを演じた事で話題となり、当然のようにふんどしも身につけていて、チラ見する事ができます。
まとめ
今回紹介した二大巨頭の英雄たちは今でも運命や家族の為に戦っています。
もちろん、その手には体の一部となっているチェーンソーの存在が必ずあります。
彼らにとってチェーンソーとは単なる武器ではなく、彼らの強さを象徴するシンボルである。
常識に囚われないからこそ、どこまでも彼らは強くなっていき、その運命に翻弄されながらも何度でも立ち向かっていく英雄なのです。
今後もチェーンソーを武器にしたキャラクターは登場するだろうが、その先駆けとなったアッシュ、どこまでもシャークネードに立ち向かうフィンは後世に残すべき英雄と言えるだろう。