血まみれスケバンチェーンソー VD-79

作品紹介

公開年月  2016/02/20
ジャンル  アクション/ホラー
原作  三家本礼 『血まみれスケバン・チェーンソー』
監督  山口ヒロキ
脚本  福原充則
製作  岡本東郎
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

解体屋の娘に生まれ、天涯孤独に生きる正真正銘の無頼派スケバンの鋸村ギーコは、うぐいす学園に通う女学生。
ある日、ギーコが追試を受けようと学校へ向かうが、彼女の前に改造死体となった同級生たちの刺客が次々と戦いを挑んでくる。
それは天才的なマッド・サイエンティストの同級生である碧井ネロが放った刺客たち。
ギーコは追試を受けるべく、戦いを挑む刺客たちを倒し、そして、黒幕の碧井ネロと対峙するのであった。

登場人物&出演者

鋸村ギーコ(演:内田理央)
主人公。解体屋の娘。仕事道具である巨大なチェーンソーを肌身離さず持ち歩いている。
内田理央は代表作に『Brros.マックスマン』、『トモダチゲーム』などがあります。
追試を受けようと学校を訪れたが、早速と改造死体にされた同級生たちと戦う事になる。
時間がないので戦いを避けようとするも、結局は受けて次々と仕方なく倒していく。
実は解体屋をしている知り合い兄さんに片想いをして、キスについてネロに聞いていた。
最後はネロの揺らぐ復讐心に付け込み反撃をして倒し、解体屋の兄さんの迎えで帰る。

爆谷さゆり(演:佐藤聖羅)
優等生でチアリーダーをしていた。しかし、ネロの改造を受けて全身爆弾と化した。
佐藤聖羅は本作が長編映画デビュー作となっています。
実はチアリーディングで足を上げて下着を見せると勘違いされて男子たちに迫られる。
そんな時にネロがやって来て、すっかりと怯えた彼女を改造して力を与えた。
ギーコを追い込むも弾切れで倒されるも、治療してもらい友情というモノが芽生える。
最後はネロに追い込まれたギーコを助けようとするも自爆装置が起動して爆散してしまう。

怨憎(演:玉城裕規)
ゾンビ忍者部隊の三人組の一人。実は忍者研究部でネロに改造され、性別まで変わった。
玉城裕規は代表作に『フライ,ダディ,フライ』、『のぞきめ』などがあります。
常に周囲から笑われる存在だった事が許せず、本物の忍者になって見返そうとしていた。
ギーコの前では三人が束になっても勝てず、それでも最後に生き残って戦おうとする。
しかし、ギーコに好きな事をやっている事に素晴らしさを説教されて気づく。
最後は追いつめられたギーコをネロの手から助けるも、肉壁となって呆気なく死ぬ。

仙崎(演:奥田佳弥子)
機械工作部の部長。碧井ネロに捕まっていて、工作部の部員たちは実験台にされている。
奥田佳弥子は代表作に『HO/欲望の爪痕』、『スレイブメン』などがあります。
助けてもらう条件でギーコのチェーンソーを修理し、新たな機能を付け加えている。
工作部員たちをチェーンソーに改造したネロを電動ドリルで倒そうとするも通用せず。

神田(演:阿部恍沙穂)
ギーコの同級生。改造死体。口がトラバサミを装着したような姿になっている。
阿部恍沙穂は代表作に『心霊病棟/ささやく死体』、『ヲ乃ガワ/WONOGAWA』があります。
学校にやって来たギーコを待ち伏せした三人組の一人で、勝てるという自信を持っていた。
呆気なくギーコに首を切り落とされ、爆谷によって頭部を場外へと蹴られてしまう。

碧井ネロ(演:山地まり)
天才的なマッド・サイエンティスト。同級生を改造死体に変えてギーコと戦わせる。
山地まりは本作が長編映画デビュー作となっています。
元々はクラスからイジメの対象にされ、水着のまま半日を過ごすなどの過酷な目に遭う。
しかし、実験が成功した事で同級生たちを改造し、自分の思う通りに支配していく。
復讐心が原動力だが、ギーコとの何気ないやり取りで仲間意識を恐れて殺そうとする。
最後は復讐心が揺らいだところで容赦ないギーコによってチェーンソーで体を貫かれる。

感想

個人的な評価

三家本礼の同名漫画を実写映画化した作品。
まず、三家本礼という漫画家は本作で初めて知ったし、漫画自体も初めて知りました。
だから純粋に映画として鑑賞したが、思っていた通りのぶっ飛んだバカ映画でした。
やはり、バカ映画というのは度合いを知らないメチャクチャな内容が最大の魅力でしょう。
もう本作は冒頭から不思議な世界へ問答無用に突入し、観ている側を勢いだけで取り込もうとする力業が冴え渡っています。
冒頭からツッコミが間に合わないほど、怒濤の超展開を繰り出してくる作品でした。
最初のインパクトは大事だというセオリーを本作は超展開によって実現させていました。
これは完全に好き嫌いをハッキリと分ける手法で、好きならば最後まで鑑賞し、嫌いならその時点で消すだろう。
それぐらい本作は極端に走っているが、これこそがバカ映画の真髄と言えるだろう。
個人的にこういう理論をぶっ壊してくる超展開はかなり好きで、常識など吹き飛ばしてしまえの精神は素晴らしいと感じました。
とにかく、本作の冒頭から全力疾走は作品に勢いを与え、好きな人ならば一瞬で心を掴まれるような演出だと言える。
この調子で最後まで行けば、本作は間違えなく邦画史上でも後世に残すべき作品になった。
しかし、本作はぶっ飛んだ序盤と違って、中盤から過去を語る回想をやってしまったせいで命であるテンポを殺してしまった。
本作は全力疾走して観ている側に考える時間を与えず、次々と繰り出される超展開こそが最大の魅力のはずでした。
終盤に向けて物語を整えようとした回想は致命的な失敗で、ここをもう少し上手く組み込むべきだったと感じました。
どうしても物語を成立させる為に必要な説明になるが、それを普通にやってしまったのは残念だと思った。
ここは序盤の勢いをそのままに回想をやるべきであって、一番やっちゃいけない普通の回想は逆効果になってしまっている。
本作を冷静に鑑賞してしまうと、途端につまらなく感じてしまい、最後まで観るのが苦痛になってくるのです。
本来ならば、勢いを殺さずに最後まで貫けば、間違えなく本作は素晴らしいバカ映画になっていたと思う。
主人公の鋸村ギーコを演じた内田理央は初主演ながら、様々な顔芸を見せてくれるし、パンチラならぬフンチラ(フンドシのチラ見)からのケツを見せてくれている。
体と女優生命をかけた内田理央の熱演は評価に値するのだが、終盤でのテンポの悪さがキャラクターの魅力を削いでしまっている。
本作は序盤の全力疾走を最後まで続けていれば、内田理央の顔芸はもっと輝いていただけにかなり残念な構成になってしまった。
それでも本作は単純に起きている事をただ受け止めるバカ映画として楽しめる作品でした。