ラスト・サンライズ RE-3271

作品紹介

公開年月  2020/02/14
ジャンル  パニック/SF
原作  なし
監督  レン・ウェン
脚本  レン・ウェン、エリー・リー、ほか
製作  リー・シンラン、ルー・ヤン、ほか
製作国  中国
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

巨大企業ヘリオス社の提供する太陽エネルギーですべての動力をカバーする近未来の中国。
国内4地区のうち最も豊かな地区で暮らす天文学者のスンは、太陽の明滅現象を気にする。
ある日、太陽の光度が急に下がり消滅すると、人々がパニックに陥る中、スンは太陽光消滅直前に謎の言葉を残したヘリオス社社長の家に向かうのだった。

登場人物&出演者

スン・ヤン(演:チャン・ジュエ)
主人公。フリーランスの天文学者。独自に太陽の活動を観測して点滅を発見している。
チャン・ジュエは代表作に『The King of the Drift』などがあります。
ヘリオス社に点滅の事実を話すが、聞いてもらえず、実際に消滅してから冷静に行動する。
社長のワンに連絡を取って彼が待つ場所へ隣人であるチェンとともに向かう事になった。
石炭工場で捕まるもチェン・ムーに助けられるが、銃撃を食らって瀕死状態となる。
最後は立ち往生した車の中で希望を見出すが、寒さとケガに耐えられずに死んでしまう。

チェン・ムー(演:チャン・ラン)
スン・ヤンの隣に住んでいた女性。感情的。依存体質でクズな元カレのせいで路頭に迷う。
チャン・ランは本作が長編映画デビューとなります。
太陽が消滅した日にスン・ヤンから町を出るように言われるが、地下鉄が動かず戻る。
スン・ヤンに車を運転させると、実家に戻るついでに彼の目的地まで付いて行く事になる。
両親が暴徒に殺されてしまい、呆然とするもスン・ヤンのおかげで生きる希望を持つ。
最後はスン・ヤンがケガと寒さで死ぬが、学生カップルに見つかって助けられた。

石炭工場のリーダー(演:ヤン・セン)
まだ稼働していた石炭工場を占領し、働き手を集めてギリギリでエネルギーを生み出す。
ヤン・センは本作が長編映画デビューとなります。
チェン・ムーの車を盗んだ老夫婦が抵抗し、労働力にならないと分かって射殺した。
スン・ヤンがチェン・ムーを逃す為に捕らえると、新たな働き手として理想を語った。
最後は戻ったチェン・ムーによりスン・ヤンが逃されると、乱射するも逃げられた。

・ワン・ユン社長(演:ワン・ダーホン)
ヘリオス社の社長。太陽光をエネルギーとして変換する事業に成功して拡大している。
ワン・ダーホンは本作が長編映画デビューとなります。
太陽が消滅してしまうと、すぐに連絡を取ってきたスン・ヤンに自宅へ来るように誘う。
スン・ヤンとチェン・ムーが来ると、学生のカップルなどもいて楽しく時間を過ごす。
実は太陽が消滅する事態を以前から知っていたが、どうしようもないと諦めていた。
最後はスン・ヤンたちに希望がある場所を教えると、一人だけ自宅に残って時間を過ごす。

感想

個人的な評価

本作は『未体験ゾーンの映画たち2020』にてプレミア上映された作品となります。
この作品は『ポルト国際映画祭』で最優秀作品賞を受賞し、『フェニックス映画祭』で最優秀SF映画賞を受賞しています。
いわゆるディザスター映画となりますが、どっちかと言えば、ロードムービーに近いような印象を持ちました。
まず、前提となる太陽が消滅する現象をワームホールで片付けているので、根底としてのリアリティはほぼありません。
なので、必然的に本作は太陽が消えた原因の究明ではなく、迫ってくる危険から生き延びようとする主人公たちのサバイバルが中心となります。
太陽が消滅しているから気温が氷点下を下回るので、生き延びる為には何かのエネルギーに依存しなければならない。
その為に主人公たちは生き延びる事ができる場所へ向かっていく流れとなり、それがロードムービーという印象を与えます。
都合よく男女で目的地を目指していきますが、ベタベタなロマンスを展開しなかったのは良かったと思います。
ただ、太陽が消滅して死ぬ可能性が高くなっている状況なのに、あまりパニックにならず達観した人が多すぎて危機感が伝わらなかったのは残念です。
アメリカだったら暴動が起きて、世紀末のヒャッハーが街を跋扈して、変な世紀末を謳う変な宗教の場面が出てくるも本作にはありません。
中国はそこまで宗教的なところがなく、ヒャッハーもかなり控え目だったので、これによって主人公たちが置かれている状況の危険さが伝わらなかったです。
根底となる原因がファンタジーだからリアリティはなく、ヒャッハー的な要素も少なかったからディザスター映画としては物足りなかった。
それでも、対比的な性格を持つ主人公とヒロインが絆を結んで、絶望の中で希望を見出した終わり方は悪くなかったです。