作品紹介
公開年月 | 2017/07/28 |
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ジャンル | アクション/サスペンス |
原作 | アンソニー・ジョンストン、サム・ハート 『The Coldest City』 |
監督 | デヴィッド・リーチ |
脚本 | カート・ジョンスタッド |
製作 | シャーリーズ・セロン、ベス・コノ、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
1989年、東西冷戦末期のベルリンで世界情勢に多大な影響を及ぼす極秘情報が記載されたリストが何者かに奪われた。
イギリス秘密情報部MI6の凄腕エージェントであるロレーン・ブロートンにリスト奪還の指令が下される。
ロレーンはベルリンに潜入するデヴィッド・パーシヴァルと組み、リスト紛失に関与したMI6内の二重スパイ“サッチェル”を見つける、もう一つのミッションを敢行するのだった。
登場人物&出演者
・ロレーン・ブロートン(演:シャーリーズ・セロン)
主人公。MI6のエージェント。高い情報収集能力と戦闘能力を買われて重要な任務に就く。
シャーリーズ・セロンは近年の出演作に『ワイルド・スピード/ICE BREAK』、『ラスト・フェイス』などがあります。
上司のグレイから任務を言い渡され、秩序が乱れて危険な状況の東ドイツに潜入する。
そこでMI6が誇る優秀なエージェントであるパーシヴァルと組み、リスト奪還を敢行する。
しかし、パーシヴァルの裏切りに遭い、敵対していたKGBに追われて満身創痍となる。
最後はパーシヴァルを制裁し、KGBの幹部も制裁して、リストを本来所属するCIAに渡した。
・デヴィッド・パーシヴァル(演:ジェームズ・マカヴォイ)
MI6ベルリン支部のエージェント。長年ベルリンに潜伏する。その為に様々なコネを持つ。
ジェームズ・マカヴォイは近年の出演作に『スプリット』、『X-MEN:アポカリプス』などがあります。
リストの奪還を目的にやって来たロレーンを出迎えるが、どこか無能な人間を演じている。
ロレーンには印象が悪く、何か隠している事を察知されても笑い飛ばすほどの余裕を見せる。
実はロレーンが二重スパイであるサッチェルを追っている中で、正体がバレてしまう。
最後はデルフィーヌを殺害して逃亡を図るが、先回りしたロレーンによって殺害された。
・スパイグラス(演:エディ・マーサン)
東ドイツ保安省(シュタージ)から離反したスパイ。リストの内容をすべて暗記している。
エディ・マーサンは代表作に『ハッピー・ゴー・ラッキー』、『シャーロック・ホームズ』シリーズなどがあります。
リストをガスコインに渡し、代わりとして家族とともに亡命をパーシヴァルに頼んでいた。
しかし、リストを持っていたガスコインが殺されるが、記憶を武器にして亡命を試みる。
ロレーンに連れ出されるが、パーシヴァルに撃たれてケガを負い、KGBに追われる事に。
最後はロレーンと休息を取ったところで車ごと水に落とされ、そのまま溺死してしまう。
・デルフィーヌ・ラサール(演:ソフィア・ブテラ)
フランス情報局DGSEの新人エージェント。ベルリンに到着したロレーンをずっと追う。
ソフィア・ブテラは代表作に『スタートレック/BEYOND』、『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』などがあります。
当初は正体を隠してロレーンを追い、ブレモヴィッチに口説かれた彼女の窮地を救う。
ロレーンに正体を明かすが、二人はお互いの肉体を求めて束の間の安らぎを得る関係になる。
実はパーシヴァルと繋がっていて、彼の情報と正体を暴く写真を密かに撮っていた。
最後は保身に走ったパーシヴァルに殺されるが、ロレーンに彼の正体を明かす写真を残した。
・メルケル(演:ビル・スカルスガルド)
時計屋の仲間。ベルリンにやって来たロレーンに協力をするように言い渡されていた。
ビル・スカルスガルドは代表作に『ダイバージェントFINAL』、『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』などがあります。
誰も信用できない中で、唯一ロレーンの為に協力し、必要な情報や道具を揃えていた。
最後はKGBの幹部たちを始末すると、その後片付けとして仲間とともにロレーンを見送った。
・時計屋の主人(演:ティル・シュヴァイガー)
東ドイツのベルリンで時計職人をする男。 その正体はスパイ御用達の闇取引業者。
ティル・シュヴァイガーは代表作に『イングロリアス・バスターズ』、『ニック/NICK』シリーズなどがあります。
どの国からのスパイの依頼だろうと、かき集めた情報を時計の部品に刻んで手渡していた。
最後は仲間であるメルケルをロレーンに紹介して、見事に任務を達成させる協力をした。
・エリック・グレイ(演:トビー・ジョーンズ)
MI6主任。ロレーンの上司。重要なリストが奪われ、取り返す為にロレーンを派遣した。
トビー・ジョーンズは代表作に『キャプテン・アメリカ』シリーズ、『五日物語/3つの王国と3人の王女』などがあります。
MI6のオフィスでカーツフェルドとロレーンの報告を聞き、適宜に彼女に質問をしていた。
優秀なエージェントであったパーシヴァルを殺したロレーンを激しく責めていた。
最後はパーシヴァルこそがサッチェルだと報告され、呆然として何も言い返せなかった。
・エメット・カーツフェルド(演:ジョン・グッドマン)
CIAエージェント。リストの捜索をしたロレーンの報告を聞くべくMI6のオフィスを訪れる。
ジョン・グッドマンは近年の出演作に『キングコング:髑髏島の巨神』、『パトリオット・デイ』などがあります。
当初はロレーンから「クソ野郎」と呟かれるほど嫌われるが、最後まで彼女の話しを聞く。
思い出しながら報告していたロレーンの話しを聞くも、途中でサンドイッチを食べる。
最後はKGBを始末したロレーンを飛行機で出迎え、手に入れたリストとともに帰国を果たす。
感想
個人的な評価
本作はアンソニー・ジョンストンとサム・ハートによるイギリスのグラフィックノベルが原作となっています。
主演を務めているシャーリーズ・セロンは本作に多大な意気込みを持ち、製作にも名を連ねているほどです。
スパイ映画というのは昔からあるジャンルであり、その代表格となっているのは『007』シリーズだろう。
正統派として『007』シリーズはイギリスだけじゃなく、世界的に最も有名なスパイ映画シリーズと言えます。
そんな正統派から派生するサブジャンルだと、正反対とも言えるコメディもあるけど、相性の良い派手なアクションも忘れちゃいけない。
本来のスパイというのはド派手なアクションはせず、あくまで表舞台ではない裏方として文字通り暗躍している存在です。
しかし、近年では『キングスマン』のような派手な演出でスパイ映画とは思えないほどのアクションを繰り出す作品が登場している。
そんな本作は従来のスパイ映画をベースに、リアリティのあるアクションに加え、80年代の音楽やクールな映像による演出を展開させています。
ただ、個人的にはアクションが本作最大の魅力でありながら、その土台となっているストーリーが騙し合いになっている点だろう。
長回しによるシャーリーズ・セロンのアクションは非常に素晴らしく、それだけでも見応え充分と言えるほどの出来である。
これだけでも本作を観る価値があるし、シャーリーズ・セロンの凄さを実感できると同時に彼女の持つ役者魂も窺えるほどの力作だと言える。
ですが、どうしてもストーリーが足を引っ張っているような印象があって、せっかくの良い部分を打ち消していると思う。
まるで水と油のような関係性であり、このアクションにこのストーリーではどこか歯痒い印象を受けてしまう。
やはり、こういう魅力的なアクションがあるならば、もっと構成を単純にするべきだと思う。
騙し合いという心理戦が繰り広げられる中で、本作のアクションだとなんだか両者ともにもったいないと感じました。
本作の騙し合いについて、それはそれで面白いだろうけど、アクションとのバランスがよろしくないと思った。
騙し合いを中心に描くならば、アクションもそれに沿ったニュアンスだったら、もっとストーリー展開が引き立ったはず。
その逆を行ってしまったアクションに歯痒さを感じてしまい、その魅力がストーリーのせいで薄れてしまったと思う。
しかしながら、シャーリーズ・セロンの魅力を充分に発揮した作品であり、彼女の活躍を観るだけでも充分かもしれません。