作品紹介
公開年月 | 2015/03/21 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | 松井優征 『暗殺教室』 |
監督 | 羽住英一郎 |
脚本 | 金沢達也 |
製作 | 上原寿一、森井輝、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
有名進学校の椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス3年E組はある日、奇妙なタコ型の超生物が担任に就く事となる。
すでに月の7割を破壊した彼は、来年の3月には地球を破壊すると予告し、この危険生物を仕留める為に幾度も暗殺を試みるもことごとく失敗していた。
なぜかE組の担任を政府に希望した事から、潮田渚らE組の生徒たちにこの生物の暗殺という極秘任務が託されたのだった。
登場人物&出演者
【3年E組の生徒】
・潮田渚(演:山田涼介)
主人公。語り部。E組の中でも落ちこぼれで、いじめっ子の寺坂に利用される弱者。
山田涼介はアイドルグループ『Hey!Say!JUMP』の中心メンバーで、本作が映画デビュー作となっています。
殺せんせーに対する自爆テロでは自然な身のこなしにより、100点をもらっている。
ガタイや頭も良くない純粋な落ちこぼれだが、殺せんせーの弱点をメモする役割を担う。
最後は主人公らしく物語のカギを握るけど、残念ながらまったく魅力を感じなかった。
・赤羽カルマ(演:菅田将暉)
成績は優秀だが、2年の暴力沙汰で停学処分を受け、E組に送られる事になった。
菅田将暉は代表作に『仮面ライダー』シリーズ、『共喰い』などがあります。
実は2年の暴力沙汰はE組の先輩を助ける為だったが、当時の担任に裏切られる。
登場した時は何かやると思えば、殺せんせーの洗礼を受けて、それ以降大人しくなる。
クライマックスで存在感を示しているが、別にお前じゃなくても良かった気がする。
・茅野カエデ(演:山本舞香)
名前がなかった殺せんせーの名付け親で、律のあだ名を考える名人である。
山本舞香は代表作に『マダム・マーマレードの異常な謎』シリーズ、『Zアイランド』などがあります。
原作では重要なキャラクターだが、本作は最後まで存在感が空気のようでした。
ただし、次回作ではメインキャラクターになる伏線がエピローグで語られる。
・律/自立思考固定砲台(演:橋本環奈)
人工知能を持つ箱型のロボットの転校生。ガトリングガン4門とチェーンガン2門を備える。
橋本環奈は代表作に『奇跡』、『セーラー服と機関銃/卒業』があります。
授業中にぶっ放す為に他の生徒によって拘束されるも、殺せんせーから助言をもらう。
その結果、E組と仲良くなる為にアプリとなって、全員に情報を提供する事になる。
・堀部イトナ(演:加藤清史郎)
殺せんせーの暗殺目的で送り込まれた転校生。自称・殺せんせーの弟で髪が触手になる。
加藤清史郎は代表作に『忍たま乱太郎』シリーズ、『桜田門外ノ変』などがあります。
自分より強い者を許さず、殺せんせーと直接対決するもあっさりと破られてしまう。
鷹岡とともに殺せんせーを殺そうとするが、渚とカルマの連係プレイで無力化される。
【3年E組の先生】
・烏間(演:椎名桔平)
防衛省からやって来た男。殺せんせーの代わりに説明役を買って出る。
椎名桔平は代表作に『ヌードの夜』、『GONIN』シリーズなどがあります。
生徒のデータを管理して分析し、殺せんせーの素性を知っている人物。
もっと物語に深く突っ込んでくると思えば、単なる説明役程度に留まっている。
・イリーナ・イェラヴィッチ(演:知英)
当初は暗殺者として雇われるが、殺せんせーに負けて、結果的に英語の担任になる。
知英は韓国のアイドルグループ『KARA』の元メンバーで、本作が映画デビュー作となっています。
一流の暗殺者という事でポリシーを持っているが、生徒から「ビッチ先生」と呼ばれる。
そもそも本作で必要だったのかと思えるほど、ストーリーにいらないキャラクターでした。
・鷹岡明(演:高嶋政伸)
烏間の代わりに体育の担任となる。烏間と同期で同じ空挺部隊に所属した自衛官。
高嶋政伸は代表作に『ゴジラ vs ビオランテ』、『修羅場の人間学』などがあります。
烏間に対抗心を抱き、教官として地位を確立するも独裁体制で教え子をダメにする。
渚との対決に敗れてしまい、防衛省で肩身の狭い思いをして、テロリストみたいになる。
サイコパスのようなイカれた感じで登場するが、倒され方があっさりすぎて拍子抜け。
・殺せんせー(声:二宮和也)
3年E組の担任。タコ型の超生物。黄色い体と触手、マッハ20で速度で動く事ができる。
二宮和也は代表作に『硫黄島から手紙』、『GANTZ』シリーズなどがあります。
常に飄々とした立ち回りで、E組の生徒たちに正しい暗殺者の心得を教えている。
素性は謎だが、重い過去を背負っているニュアンスがフラッシュバックで時々出てくる。
マッハ20と再生能力を持つ超生物のクセに、その強さがまったく伝わってきません。
ワザとそんな立ち回りをしているだろうが、説得力を生み出す見せ場が必要でした。
感想
個人的な評価
週刊少年ジャンプで連載された松井優征の漫画『暗殺教室』の実写映画化。
原作の方は人気作としてヒットし、実写映画に限らずアニメ化もされています。
満を持して実写映画化されたが、漫画は基本的に設定がぶっ飛んでいるのが多いです。
その中でも本作はかなり設定がぶっ飛んでいて、実写化に向いていないタイプです。
原作の方は読んだ事ないが、連載していた当時は看板レベルの人気だったのは知っています。
当然ながらどんな内容か細かいところまで知らなかったので、本作でようやく判明した。
とにかく、こういうタイプの作品は実写化するとギャグになってしまいます。
元々はコメディ要素のある原作だったようですが、本作はその意味合いを超えたギャグに。
まず、殺せんせーというキャラクター自体がギャグすぎて、最後まで違和感があった。
飄々とした立ち回りはいいけど、見た目のインパクトが強すぎて打ち消している。
漫画ならいいかもしれないが、実写映画になってしまうと完全に浮いてしまいます。
このファンタジックなキャラクターだけでもお腹いっぱいなのに、舞台となる中学校で中学生が暗殺者になるのもぶっ飛んでいる。
虚構に更なる虚構を重ねると、そこで生まれるのはギャグでしかないです。
ちゃんとした演出をしないと全編に渡って、意図しないギャグが成立してしまう。
本作の演出はハッキリ言って、邦画の悪い部分を詰め込んだ内容となっている。
基本的に邦画はムダな描写が多いけど、本作はそれに加えてテンポが非常に悪いです。
そのせいでずっとダラダラした展開と感じて、途中から飽きて緊張感が失われる。
そもそも、最初から緊張感がないけど、物語にまったく入り込めない。
あとは配役もギャグとしか思えず、その中でもスラブ系の暗殺者イリーナ・イェラヴィッチを演じた知英がヒドイです。
知英は悪くないが、カツラの金髪と金色に染めた眉毛が悲しすぎました。
一人だけ真面目な椎名桔平も浮いていて、サイコパスみたいな高嶋政伸も悪役として弱い。
そして、主人公である潮田渚を演じた山田涼介はどうにも生理的に受け付けない顔です。
どうやら原作の渚は美少女のような容姿だが、それを意識した配役、あとはジャニーズ事務所の圧力があったのでしょう。
他の生徒もとりあえず紹介しているが、出てきた時が一番の見せ場になっている演出もかなり微妙に感じました。
クライマックスで使わないキャラクターが多く、紹介などで時間を割いた意味がなかった。
邦画の実写映画化は10本あれば、1本当たれば成功というが、本作は完全なるハズレ。
それに加え、続編まで造っているので、ある意味、それはそれで潔いかもしれない。