アフターマス VD-393

作品紹介

公開年月  2017/04/07
ジャンル  サスペンス
原作  『ユーバーリンゲン空中衝突事故』(モチーフ)
監督  エリオット・レスター
脚本  ハビエル・グヨン
製作  スコット・フランクリン、ランドール・エメット、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

建設現場の現場監督として働くローマンは、空港で妻と娘の到着を待ちわびていた。
ところが、建設現場にやって来た空港職員から二人が乗っていた飛行機が空中で他の飛行機と衝突したと告げられる。
それは様々なミスと不運が重なって起きた事故で、真相を追求するローマンは自己の当事者である航空管制官の行方を追うのだった。

登場人物&出演者

ローマン・メルニック(演:アーノルド・シュワルツェネッガー)
主人公。建設現場の現場監督。妊娠中の娘と飛行機でやって来る妻を空港まで出迎える。
アーノルド・シュワルツェネッガーは近年の出演作に『ターミネーター:ニュー・フェイト』、『キリング・ガンサー』などがあります。
妻と娘が乗った飛行機が空中衝突で死んだ事を知り、脱力して呆然と現実を受け止められず。
ボランティアとして現場に行き、シートに座った状態の娘を見つけて現実に打ちひしがれる。
新聞記者からジェイクの住所を聞き出して謝罪を求めるも拒否られ、怒りで殺してしまう。
最後は刑務所に10年いて仮出所するが、ジェイクの息子に狙われるも許されて立ち去った。

ジェイク/ジェイコブ・ボナノス(演:スクート・マクネイリー)
航空管制官。妻と息子と幸せに暮らす。油断したせいで飛行機が空中衝突を招いてしまう。
スクート・マクネイリーは代表作に『モンスターズ/地球外生命体』、『フライト・ゲーム』などがあります。
事故が起きた時は呆然としていたが、上司から現実を言われて自分は悪くないと主張した。
世間から人殺しのレッテルを貼られ、精神状態が悪化して妻と息子が家を出て行く事になる。
自衛の為に銃を購入し、上司の提案で名前と職を変えて新たな人生をスタートさせていく。
最後は家族といる時、ローマンが謝罪を求めるも拒否して、怒りを買って刺されて死んだ。

クリスティーナ・ボナノス(演:マギー・グレイス)
ジェイクの妻。夫と息子と幸せな生活を送る。事故によって生活が一変してしまう。
マギー・グレイスは近年の出演作に『ワイルド・ストーム』、『きみがくれた物語』がある。
ジェイクから何も聞かず、精神が不安定になる彼の為に助けようと懸命に励ましていた。
外へ出ず引きこもりとなるジェイクの代わりに仕事をするが、家庭崩壊しそうになっていく。
家族の為に別居を夫に提案するが、ジェイクから息子の為だと念を押されて承諾を受ける。
最後は名前と職を変えたジェイクの元に行くが、ローマンに夫を目の前で殺されてしまう。

マット(演:グレン・モーシャワー)
ローマンの上司。ローマンの働きぶりの評価し、妻と娘が帰る彼の為に早上がりさせる。
グレン・モーシャワーは代表作に『ゾンゲリア』、『トランスフォーマー』シリーズがある。
飛行機の空中衝突で妻と娘を亡くしたローマンを気遣い、何度も電話するも取ってもらえず。
最後はローマンの家を訪れ、仕事はいつ戻ってもいいと言って彼をなんとか励まして去る。

ロバート(演;マーティン・ドノヴァン)
ジェイクの上司。ジェイクのせいで起きた飛行機の空中衝突した事を彼に伝えていた。
マーティン・ドノヴァンは代表作に『トラスト・ミー』、『エンツォ/レーサーになりたかった犬とある家族の物語』などがあります。
あくまで社員を全面的に守るというスタンスを貫いて、弁護士を雇ってジェイクを気遣う。
最後は遺族に示談金で穏便にすまし、ジェイクに名前と職を変えるべきだと進言していた。

テッサ・コルベット(演:ハンナ・ウェア)
新聞記者。ローマンの家族が犠牲になった飛行機の空中衝突に関する記事を書いていた。
ハンナ・ウェアは代表作に『コップ・アウト/刑事した奴ら』、『オールド・ボーイ/2013年版』などがあります。
ローマンにも記事を読ませるが、あくまで特ネタではなく、真実を書きたいという気持ち。
10年に渡る記事の執筆で本として出す直前、ローマンから連絡を受けてジェイクを探す。
ジェイクと会って彼の言葉を書くつもりだと話し、自分は悪くないという主張を聞いた。
最後はローマンにジェイクの住所を教えるべきか悩むが、結局は書いて何も言わず去った。

感想

個人的な評価

本作は2002年に起きた『ユーバーリンゲン空中衝突事故』を基に作られています。
監督は『ブリッツ』や『ある殺人者の告白』で知られるエリオット・レスターが務めます。
実話をベースにした作品に初めてアーノルド・シュワルツェネッガーが挑んでします。
過去に『コラテラル・ダメージ』という消防士の役で、国際的なテロリストに復讐するという作品があったけど、さすがに本作にはアクションがありません。
終始に渡って重苦しい雰囲気で物語が進み、一方では妻と娘を亡くし、一方では多くの人間を死に追いやった罪悪感に駆られる2人の男を描写しています。
どうやら本作ではシュワちゃんを演技派にしたいようだが、残念ながらそこまで深い演技は感じられなかったです。
シュワちゃんがシリアスな演技をしているのは新鮮であるが、やはり、多くの人は彼のアクションを期待してしまう。
ライバルなスタローンが『クリード』で評価された事に対抗しようとしたが微妙でした。
やはり、ちゃんと演技ができる役者の方がもっと深みが出ると思ってしまった。
それに対して、事故を引き起こす要因の一つとなった航空管制官の言動も同情を買うのか買わないのか微妙な立場になっている。
こちらの方もハッキリしない描写のせいで、どっち付かずになってラストでの因果応報は少し弱いと感じてしまった。
実話をベースにしているとは言え、もう少し苦悩する2人の内面に踏み込むべきでした。
ただ、シュワちゃんの演技には限界があるので、こうなってしまったかもしれない。
それにしても、この作品から伝わる不運は誰か悪いのか特定できず、やり場のない怒りのまま憎しみだけが残る後味の悪さに誰も救われないのは事故の重さが分かります。