パラサイト・バイティング/食人草 RE-2744

作品紹介

公開年月  2008/04/04
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  スコット・スミス 『ルインズ/廃墟の奥へ』
監督  カーター・スミス
脚本  スコット・スミス
製作  クリス・ベンダー、スチュワート・コーンフェルド、ほか
製作国  オーストラリア、アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

メキシコでリゾートを楽しむアメリカ人のティーンたち四人は、現地で知り合ったマティアスとディミトリに誘われ、マヤ遺跡の探検へ向かう事に。
現地に着くと地元民が口々に警告を発するが、言葉が通じず戸惑う中でディミトリは毒矢で殺されてしまう。
武装した地元民に追いつめられた彼らは、圏外のはずの井戸の底から携帯電話の着信音を聞いてたどるが、そこには死体と鳴き声を上げる蔦があるだけだった。

登場人物&出演者

ジェフ(演:ジョナサン・タッカー)
主人公。将来は医者を目指す。アメリカの医科大学に通う予定。何事も計画を立てるタイプ。
ジョナサン・タッカーは代表作に『テキサス・チェーンソー』、『ホステージ』があります。
ビーチと酒に飽きてしまい、プールサイドで知り合ったマティアスに誘われて遺跡へ向かう。
遺跡に到着すると、興奮した地元民たちに話し合いはムリだと分かって上部に避難した。
医学生らしく重傷を負ったマティアスの状態を分析し、彼の足を果敢に切断していた。
最後はエイミーを逃がそうと囮となって、矢を食らって倒れると、地元民の長に射殺された。

エイミー(演:ジェナ・マローン)
ヒロイン。ジェフの恋人。将来有望なジェフが自慢だが、アメリカに行く彼に不安が募る。
ジェナ・マローンは代表作に『コンタクト』、『ハンガー・ゲーム』シリーズがあります。
その為に今回のバカンスはハメを外しまくっていて、マティアスにキスしようとした。
前日に飲みまくって二日酔いとなり、当初は遺跡に行くのを躊躇うもジェフの説得で行く。
遺跡に着くと興奮する地元民をにカメラを向けて刺激するなど、みんなの足を引っ張る。
最後は死体のフリをしてジェフが囮になり、ドイツ人の車で脱出して世界に蔦をバラ撒く。

ステイシー(演:ローラ・ラムジー)
エイミーとは親友。今回のバカンスで恋人のエリックと来ていてジェフと勝負していた。
ローラ・ラムジーは代表作に『ロード・オブ・ドッグタウン』、『キル・ザ・ギャング/36回の爆破でも死ななかった男』などがあります。
遺跡に到着すると、興奮した地元民たちに圧倒され、エイミーのせいで上部に避難する事に。
ロープが切れて穴に落ちたマティアスを助けるべく下りるが、落ちてヒザを切ってしまう。
翌日には蔦が傷口に入り込みエリックが取り出すが、すでに全身に広がっていた。
最後は取り出そうとナイフで切り刻み、止めようとしたエリックを殺し、痛みで死を望んだ。

エリック(演:ショーン・アシュモア)
ステイシーの恋人。ジェフとは友人ではないが、ステイシーの付き添いで一緒に楽しむ。
ショーン・アシュモアは代表作に『X-MEN』シリーズ、『フローズン』などがあります。
ハメを外しまくって酔っぱらったエイミーがマティアスにキスすると賭けていた。
遺跡に到着すると、興奮する地元民たちに圧倒され、みんなと一緒に上部へ避難した。
助けを待つべきだと主張するジェフと違い、逃げるしか生き残る道がないとエイミーに言う。
最後は自分の体を切り刻みステイシーを止めるが、刺されてしまい、蔦に死体を食われた。

マティアス(演:ジョー・アンダーソン)
ドイツ人。プールサイドでジェフたちに話しかけ、弟が行っている遺跡に誘った。
ジョー・アンダーソンは代表作に『クレイジーズ』、『ヘラクレス』などがあります。
遺跡に到着すると、ディミトリが殺されてしまい、ジェフたちと遺跡の上部に登って避難。
穴の中から着信音が聞こえて入るが、ロープが切れてしまい、そのまま落下してしまう。
背骨を折っていて下半身の感覚がなく、次の日には蔦が両脚の肉をほとんど食われていた。
最後は死にかけのところで、ジェフたちが口論している間に蔦がトドメを刺して死亡。

ディミトリ(演:ディミトリー・ベイヴィーズ)
プールサイドでバカ騒ぎするギリシャ人グループの一人。マティアスの誘いに乗っていた。
ディミトリー・ベイヴィーズは代表作に『ミノタウロスの秘宝/シンドバッドと迷宮の獣神』などがあります。
出発する前に酔い潰れた仲間の為に地図を書き残し、一人だけ一緒に遺跡へ向かった。
遺跡に到着すると、興奮する地元民たちに圧倒されてしまい、その場に立ち止まっていた。
最後はエイミーがカメラで撮影し、怒った地元民に手渡そうとして矢を食らって射殺された。

感想

個人的な評価

本作はスコット・スミスの小説『ルインズ/廃墟の奥へ』を基に作られています。
更に本作では原作に限らず、脚本としても参加して作品に厚みを持たせている。
本作はオーストラリア映画となっていますが、アメリカと違って基本的に予算がないです。
イギリス映画と似たような環境だが、島国と大陸では同じような題材でもかなり違う。
とにかく、オーストラリア映画のホラーというのは、国柄もあって乾いた舞台が多いです。
これは多分、オーストラリア自体が砂漠が多く、常に乾いたような大地の影響だろう。
本作はメキシコを舞台にしているが、オーストラリア映画の特徴である“乾いた舞台”がきちんと抑えています。
ストーリーとしては王道的で、バカ者(若者)たちが禁断の遺跡を観光に行って、そこで地元民しか知らない危険な場所に行ってしまう。
本作では食人する草が遺跡を囲んでいて、それに触れた者は感染者の如く、地元民たちによって隔離される。
これはどう考えても主人公たちが一方的に悪いが、侵入しやすい環境にしている地元民たちも何がしたいのか分からない。
そんなに世界へ広げたくないなら、何か立ち入りを禁じる柵や看板を作るとか、色々対策ができるはずのに、ただ触れた者をその場でぶっ殺すのみ。
確かにそれだとインパクトが強くなって、衝撃的なシーンとなるけど、地元民たちの行動に整合性がまったくありません。
ワザとやっているならば、儀式的な意味で生贄を捧げているならば、その説明をするシーンを入れるべきだけど、当然のようにありません。
本作はどうしてもインパクトを優先してしまい、細かい部分の説明は最初から諦めている感じがしました。
もしかすると、原作の方には詳しく書かれているだろうが、本作については説明不足すぎて何でもアリになっている。
期待するグロテスクなシーンも短く、こういう作品はなぜか盛り上がる場面は薄暗いと相場が決まっていて、ほとんど見えないです。
もっと予算があれば、もっと過激にできただろうし、ストーリーも練られただけに惜しい印象を持った作品でした。