ファイナル・デッドサイン/死の刻印 RE-2571

作品紹介

公開年月  2013/11/14
ジャンル  ホラー/サスペンス/ファンタジー
原作  なし
監督  ルボミール・レヴィトスキー
脚本  ルボミール・レヴィトスキー、アンドレックス・セリヴァノフ
製作  ルボミール・レヴィトスキー、アンドレックス・セリヴァノフ
製作国  ウクライナ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

冴えない高校生であるヴォランとザッカーはモテないと嘆いていた。
そんなある日、転校生のザハールがやって来ると、ザッカーを気に入って声をかけ、二人は瞬く間に親しくなっていく。
平穏な日々を送っていたザッカーとアーサーだったが、同級生が次々と謎の死を遂げ、その死体には体のどこかに焼き印が押されたかのような刻印が付けられていたのだった。

登場人物&出演者

ヴォラン(演:ディミトリー・ストゥプカ)
主人公。冴えない大学生。瞬間的な記憶能力に長ける。父は消防士で火事による亡くす。
ディミトリー・ストゥプカは代表作に『My iz budushchego 2』、『Pravilo boya』がある。
普段はボバと一緒に行動しているが、転校生のザハールを案内する事が縁で仲良くなる。
ザハールのマリファナを吸ってラリって、アルトゥルによって突き飛ばされ護符が体内へ。
盲目の教授から悪魔に命を狙われている事を知り、助けてくれるモルファの元に行く。
最後は覚醒して正体を現した悪魔と素手で殴り合って、ボバの助けでなんとか倒す。

ボバ(演:パブロ・リー)
ヴォランの友人。母が弁当で持たす汁物のせいでモテないと嘆く。頭の中で女でいっぱい。
パブロ・リーは代表作に『Shtolnya』、『Pravilo boya』などがあります。
基本的に性格はお調子者で、何かと女の尻を追うクセにまったくモテないという。
刻印が体に刻まれ、ヴォランたちとともにモルファの元まで向かうも足をケガする。
モルファと友情を育む一族の末裔である医者に足のケガを不思議な力により治療される。
最後はトラックの大男から逃げ切り、ヴォランを助けて悪魔を倒す事になる。

ザハール(演:ヴラド・ニキチュク)
ポーランドからやって来た転校生。ヴォランとボバによって学校を案内される。
ヴラド・ニキチュクは代表作に『Pravilo boya』などがあります。
真面目だったヴォランにマリファナを吸わせた事で彼や自分自身の運命を変える。
ヴォランが護符に触ったせいで体に刻印が出現し、助かる為にモルファの元へ行く。
追ってきたガソリンスタンドの主から銃を奪ったアルトゥルによる誤射で死んでしまう。
しかし、その正体こそが悪魔で仲間の解放を企むが、ヴォランの反撃により死滅する。

アンジェラ(演:アローナ・ムシエンコ)
ヴォランの同級生。ヴォランがずっと憧れていて、ヒマがあると彼女の絵を描いていた。
アローナ・ムシエンコは本作が長編映画デビュー作となっています。
アルトゥルの浮気現場を目撃し、以前からギクシャクしていた事で別れを告げる。
それでもしつこく付きまとうアルトゥルにヴォランが止めた事で彼に心が動く。
体に刻印が出現して独自に調べていき、カルパチアの伝説に関わっていると突き止める。
最後は悪魔の人質となってヴォランが護符を渡すが、彼を復活させる為にいた。

アルトゥル(演:ボグダン・ユシプチュク)
ヴォランの同級生。サッカーの主将。ヴォランが憧れるアンジェラの恋人だが浮気で別れる。
ボグダン・ユシプチュクは代表作に『Synevir』、『Chungul』などがあります。
基本的に脳筋でヴォランやボバに対して威圧的で何かとすぐに暴力で訴えるバカ。
ラリっていたヴォランを突き飛ばして彼が護符に触った事で周囲の人間に刻印が出現する。
追ってきたガソリンスタンドの主から銃を奪い、誤射でザハールを殺して逃げ出した。
リャーナと楽しい事をしようとした時にトラックの大男によって簡単に殺される。

リャーナ(演:マリーナ・シャコ)
ヴォランの同級生。アルトゥルの浮気相手。ブランド物で常に自分を着飾っている。
マリーナ・シャコは代表作に『Chto tvoryat muzhchiny! 2』などがあります。
アルトゥルのせいでみんなに刻印が出て、彼と一緒に病院まで付き添っていた。
モルファを追って一緒に行動するが、ブランド物の靴がダメになると故障した車に残る。
結局は怖くなってみんなと合流し、酒を飲んだせいでテンションが上がってビッチ化。
アルトゥルがトラックの大男に殺され、逃げ回るも結局は捕まって殺される。

ユリア(演:ロクソラーナ・クラヴチュク)
ヴォランの同級生。オカルトに詳しく、他の人から変わった人物だとバカにされている。
ロクソラーナ・クラヴチュクは本作が長編映画デビュー作となっています。
ヴォランとは関係がないのに巻き込まれてしまうが、高性能のGPSロウソクで活躍する。
しかし、ガソリンスタンドで出会った大男のトラックが追い越した反動でロウソクを落とす。
車も故障し、森の中でモルファを追っていたが悪魔の宿った木の枝で背後から刺殺される。

ルタ(演:ソフィア・ガラブラド)
ヴォランの同級生。リャーナの親友で常にタブレットを片手に通話を楽しんでいる。
ソフィア・ガラブラドは本作が長編映画デビュー作となっています。
アルトゥルのせいで体に刻印が出ていたが、背中だったせいでまったく気づかない。
のんびりと家でサウナを楽しんでいた時に悪魔が乗り移ってナイフで自殺した。

タラドゥーダ/モルファ(演:ユーリ・ラスタルイ)
過去に悪魔を封印したモルファの末裔。盲目の教授によって助けてもらえると紹介される。
ユーリ・ラスタルイは本作が長編映画デビュー作となっています。
人里離れた山奥に住み、盲目の医者とともに平穏な生活を送っていた。
初老であるが走るスピードは尋常じゃなく、影の書についての知識を持っている。
当初は訪れたヴォランたちをからかうが、悪魔の正体を見破って協力する事になる。
ヴォランの護符を狙う悪魔から守ろうとするが、油断してあっさりと殺される。

感想

個人的な評価

本作は『ファイナル・デッド』シリーズとはまったく関係ありません。
そもそも、原題がまったく違う上に本作はウクライナの作品となっています。
これまで多くの作品を鑑賞してきましたが、多分、本作は初のウクライナ映画となる。
ウクライナを舞台にした作品は数多いが、逆にスタッフや出演者が全員ウクライナ人というのは非常に珍しいです。
本作はタイトルに『ファイナル・デッド』と付いたおかげでレンタルする事になりました。
つまり、本作は配給会社の思惑通りに騙されてしまった一人となります。
いくら偽物でも、ちょっとだけ本家に近いと思ったら、内容はまさかのファンタジーでした。
主人公たちは大学生というバカ者(若者)で、謎の死を遂げるという点では強引ながらも本家と同じと言えるだろう。
しかし、その謎の死が悪魔によるモノだと判明してから、物語は一気に『ファイナル・デッド』とはほど遠い場所へ行ってしまっている。
そんな事よりも問題となるのは、配給会社であるエクリプスのあらすじが適当な点です。
主人公が高校生と書いてあったが、実際は大学生だし、刻印の現れるタイミングがまったく違っていて、適当にもほどがあります。
こういう適当なあらすじの時点で本作は大して期待していないのは丸分かりです。
ですが、自分のようにタイトルだけで借りてしまう人もいるも事実となる。
本家の方は90分前後の上映時間だが、本作は100分を超えてしまっています。
たかが10分程度の違いと思うかも知れないが、これによって内容が大きく変わります。
まず、本作が本格的に動き出すまで非常に遅くて、序盤はどうでも人物紹介という流れです。
これが後々に大きな意味をもたらすワケじゃないし、効果的な演出でもありません。
序盤の40分ぐらいは10分に縮める事ができる薄っぺらい内容でした。
それで本題に入ってから非常に長く、刻印の原因が悪魔と判明して一気にトーンダウンする。
中盤以降にモルファという魔導師の末裔が登場するけど、結局は役立たずという残念な人。
終盤では悪魔の正体が明かされるが、それまでの伏線が弱すぎて納得できるレベルじゃない。
更にラストでは主人公と悪魔の格闘シーンがあるけど、もはや、これは監督がやりたい事をやっているだけのようにしか見えない。
つまり、本作は製作陣がやりたい事をとことん詰め込んでみた結果、単純な物語を余計な要素で複雑にしてしまっただけのダラしない感じいなった。
『ファイナル・デッド』シリーズはもっと分かりやすく、怖い部分が分かりやすいから観ている側もすぐに理解できる。
本作は悪魔が絡んだ時点でややこしいのに、それを説明しないといけないし、何より同級生が死んでいく衝撃が一切ないのです。
ウクライナ映画という事で製作陣が頑張ったけど、すべてが空回りしてしまった作品でした。