作品紹介
公開年月 | 2020/06/12 |
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ジャンル | SF/アクション |
原作 | なし |
監督 | イゴール・バラノフ |
脚本 | イリヤ・クーリコフ |
製作 | ヴァレリー・ヒョードロヴィッチ、エフゲニー・ニキショフ |
製作国 | ロシア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
近未来の地球、全世界で突然のブラック・アウトが発生し、文明は一瞬で崩壊した。
ロシア西部のわずかな地域だけが被害を免れ、他の地域では人類の大半は死滅してしまう。
ロシア軍特殊部隊が調査に乗り出し、そこへ“イド”と名乗る謎の男が現れ、地球移住を目論むエイリアンによる恐るべき計画の全貌を明かされるのだった。
登場人物&出演者
・オレグ(演:アレクセイ・チャドフ)
第45独立親衛特殊任務旅団に志願した兵士。父親が裕福で休暇中にアリョーナを口説く。
アレクセイ・チャドフは代表作に『ナイト・ウォッチ』、『デイ・ウォッチ』があります。
全世界がブラックアウトする中、ニュースで外の状況が分からないとニュースで見ていた。
徴兵を受けてユーラとともに謎の敵を迎撃し、偵察隊としてアリョーナたちと行動する。
イドが神様発言して抵抗し、ユーラとの殴り合いを制するが、母船が来て中に入っていた。
最後はオーリャとアリョーナで異星人の覚醒を阻止し、なぜか子供たちは生かしてしまう。
・ユーラ(演:ピョートル・フョードロフ)
モスクワでタクシーの運転手をする。痴呆症の母親と暮らして徴兵報告命令を受ける。
ピョートル・フョードロフは代表作に『プリズナー・オブ・パワー/囚われの惑星』、『ラン・スルー・ザ・ナイト』などがあります。
オレグとすぐに仲間のような感じで振る舞い、衛生兵だったアリョーナとも再会している。
従軍記者のオーリャを引き連れて偵察隊として外に向かい、なぜか彼女をレイプする。
最後はイドが人間の希望としてオレグとの殴り合いに負けて、母船を見て勝てないと諦める。
・オーリャ(演:スヴェトラーナ・イワノーワ)
従軍記者の女性。異変が起きるとロシア軍の偵察隊に同行して取材し、異常事態を報せる。
スヴェトラーナ・イワノーワは代表作に『ダークワールド』、『オーガストウォーズ』などがあります。
何が起きているのか分からない状況の中、ドロマトフ少佐に止められても仕事を完遂する。
次の偵察隊にも同行して、ユーラに助けられながら取材し、戦場なのに親密になっていく。
ユーラと二人だけになってなぜかレイプされ、一発で妊娠するという意味不明な事になる。
最後はオレグやアリョーナと母船に入って覚醒を阻止し、子供たちは共存を選んでしまう。
・アリョーナ(演:ルケリヤ・イリヤシェンコ)
休暇中だったオレグを関係を持ったビッチ。実は衛生兵でジェーニャとも繋がっている。
ルケリヤ・イリヤシェンコは代表作に『バトルロイヤル』、『Dance to Death』がある。
ガンに冒された妹の治療費を稼ぐ為、ジェーニャが欲しい荷物をオレグに運ばせていた。
偵察隊の衛生兵としてオレグの部隊に配属され、誰かがケガをするとちゃんと仕事をした。
ユーラとオーリャたちが来て合流し、前哨基地から来た少佐たちとも合流を果たした。
最後はオレグやオーリャと母船に入って覚醒を阻止し、子供たちは共存を選んでしまう。
・オモスモロフスカヤ中佐(演:クセニヤ・クテボヴァ)
参謀本部情報総局に所属する女性将校。招集された兵士たちに状況を簡潔に説明していた。
クセニヤ・クテボヴァは代表作に『Travelling with Pets』、『ポリーナ、私を踊る』がある。
生存者がいる地点から連絡を絶った場所の調査に部隊を出すが、9割が行方不明となった。
サーシャと接触するイドに遭遇すると、超能力の前で抵抗できず仕方なく彼の話しを聞いた。
イドから人間が彼らの送り込んだウイルスだと聞かされ、生存の為に従う事を選んだ。
最後はイドの言葉に従わなかったが、幻覚で操られたジェーニャによって殺されてしまう。
・ドロマトフ少佐(演:コンスタンティン・ラヴロネンコ)
第7体裁班の隊長。連絡を絶たれた隣の都市を偵察隊と精査するも何者かに襲われて撤退。
コンスタンティン・ラヴロネンコは代表作に『父、帰る』、『アンチグラビティ』がある。
前哨基地に待機していて、暗闇から襲ってきたクマの大群を迎撃して殲滅する被害を受ける。
偵察隊がほとんど攻撃を受けると、オモスモロフスカヤ中佐の指示でイドと同行する。
イドの指示でラーを倒す為に前哨基地を離れるが、目の前で殲滅されるも気を持ち直す。
最後はラーの操る人間たちの総攻撃を引き止めるが、燃料を積んだトラックの突撃で爆死。
・サーシャ(演:アルチョーム・マルカリアン)
第1波の時に境界線にいて異星人の奴隷にならず、代わりに超能力を身に付けてしまう。
アルチョーム・マルカリアンは代表作に『Corrections Class』、『Trudnosti vyzhivaniya』などがあります。
ロシア軍に保護されて治療を受けていたが、夢の中で奴隷となった人間を操る者を見ている。
ジェーニャやイドたちから接触を受けて、奴隷を操る者が誰なのかを聞かれて混乱していた。
イドがラーを倒す為に必要だと言われ、オモスモロフスカヤ中佐が助けに来るもムダになる。
オモスモロフスカヤ中佐の協力を得たイドに導かれ、ラーの居場所を突き止める事になる。
最後はラーに居場所がバレてしまい、前哨基地に残っていたところを攻撃されて死亡した。
・ジェーニャ(演:フィリップ・アヴデーエフ)
自称学生。超能力を持ったサーシャに接触する。ずっとイドに従って色々と動いていた。
フィリップ・アヴデーエフは代表作に『カリーナ、恋人の妹』、『LETO/レト』があります。
クラブでビッチ全開だったアリョーナと行動し、暴漢に襲われるとユーラに助けてもらう。
アリョーナから中毒になった犠牲者の手をオレグからもらい、秘密の研究所に持っていく。
イドに付き添ってラーを倒す為に現場に赴くと、目的を達成するも騙されたと気付いた。
最後は身を挺してイドとともに屋上から飛び降りて、彼の野望を一応は止める役割をした。
・イド(演:アルテム・トカチェンコ)
異星人。20万年前に地球へやって来た。地上の生物を抹殺する人間のずっと管理してきた。
アルテム・トカチェンコは代表作に『ソード・ハンド/剣の拳』、『魔界探偵ゴーゴリ』シリーズなどがあります。
人間たちが奴隷化するもラーに取られてしまい、操られていない人間を味方に引き入れる。
サーシャを使ってラーの居場所を突き止めて倒すと、自分こそが神だといきなり裏切る。
残っていたユーラたちこそが人間の祖先となり、自分に従うように言い出すも反対される。
最後はユーラに抵抗されるも超能力で対抗するが、ジェーニャの犠牲で野望を打ち砕かれる。
感想
個人的な評価
本作はロシアの大作映画なのにアルバトロス・フィルムが配給を務めています。
監督を務めるイゴール・バラノフは『魔界探偵ゴーゴリ』シリーズで知られています。
ロシアはなぜか近年になってSF映画に力を入れていて、CGについてハリウッドに張り合うほどクォリティがあります。
ただ、圧倒的な映像と比べて、脚本はまだヨチヨチ歩きで完成度は決して高くないです。
最近はロシアのSF映画を多く観ているせいか、なんとかなく「愛」を中心にするようなストーリーが多いように感じられる。
本作は超大作というのは映像だけじゃなく、上映時間が152分という長尺になった理由は鑑賞後に分かりました。
それは重要な“編集”という作業を知らないかのように、なんでもかんでも詰め込んでしまった結果でした。
ハリウッドの作品では必要なシーンといらないシーンを分けて、映画を鑑賞する側に立って編集作業をしていきます。
これは物語を展開する中で、必要なシーンといらないシーンが必ず出てきて、多くの場合は泣く泣くカットしているのです。
しかし、本作は全部入れてしまっているような感じで、どう考えてもいらないエピソードやシーンが多かったです。
ラストでは主要人物たちが出揃っているので、それ以外はエピソードを細かく描く必要性がないのに余計な見せ場を作っている。
役割も分散させてしまい、主要のキャラクターに集約させるべきところを他の端役程度に振り分けているのはまずかったです。
人間が異星人の武器というアイデアは良かったが、あまり深く掘り下げておらず、設定に関しても上辺だけだったのは残念すぎる。
本作に関しては脚本が悪いというよりは、そこからエピソードやシーンの取捨ができなかった製作側に問題があったと思います。
一番描きたい一本の根がなかったので、そのせいで話が散漫になって、ラストのオチも考えていなかったのかと思うぐらい投げっ放しだったのも残念でした。
映像の技術は一流と言っても差し支えないから、あとはちゃんとした脚本とそれを活かせるだけの監督が出てくるまで待つしかないだろう。