007/リビング・デイライツ RE-697

作品紹介

公開年月  1987/06/29
ジャンル  アクション/スパイ
原作  イアン・フレミング 『ベルリンの脱出』
監督  ジョン・グレン
脚本  リチャード・メイボーム、マイケル・G・ウィルソン
製作  マイケル・G・ウィルソン、アルバート・R・ブロッコリ
製作国  イギリス、アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ソ連のコスコフ将軍が亡命を希望し、護衛に指名されたボンドはKGBの殺し屋の手から見事に守り通しオーストリアへと無事に送り届ける。
そんなコスコフ将軍から事件の黒幕はKGBのプーシキン将軍と明かされ、彼は「スパイに死を」の合言葉に英米のスパイ抹殺を企んでいた。
プーシキン将軍に暗殺命令を出すMだが、単純に彼が黒幕だと信じられないボンドはコスコフ将軍を狙撃しようとした女流チェリストのカーラに接触する。
そこでカーラがコスコフ将軍の恋人だと知り、二人の間にいる国際武器商人のウィティカーという男の存在が浮き彫りとなる。

登場人物&出演者

ジェームズ・ボンド(演:ティモシー・ダルトン)
カーラ(演:マリアム・ダボ)
コストフ将軍(演:ジェローン・クラッベ)
ウィティカー(演:ジョー・ドン・ベイカー)
マニーペニー(演:キャロライン・ブリス)

感想

個人的な評価

『007』シリーズの第15作目で誕生25周年の記念作品という事で大型予算で製作されています。
そして、ついにジェームズ・ボンドも四代目であるティモシー・ダルトンが演じる事となりました。
2006年公開の『007/カジノ・ロワイヤル』に破られるまで19年間シリーズ最大のヒット作でもありました。
二大ジェームズ・ボンドであるワイルドな初代ショーン・コネリー、三代目ロジャー・ムーアの存在が大きい。
意外にもそれまでシリーズ最大のヒットをしたのが二作にしか出演していない四代目ティモシー・ダルトンの作品です。
ティモシー・ダルトンはオイラが鑑賞した映画の中で『ロケッティア』があり、悪役を演じているが印象に残っていない。
ジェームズ・ボンド役のオファーは『女王陛下の007』が最初で、次に『007/ユア・アイズ・オンリー』でもオファーを受けている。
自分は若すぎるという理由で断っていたティモシー・ダルトンだったが、ロジャー・ムーアが降板の意思を示し、ついに本作での出演となりました。
三度目のオファー前には五代目ジェームズ・ボンドとなるピアース・ブロスナンに白羽の矢が立つも契約があって実現に至らなかった。
それに実は四代目として決まりかけていたのが『ジュラシック・パーク』で有名なサム・ニールだが、プロデューサーのブロッコリが却下している。
結局、三度目のオファーを受けたティモシー・ダルトンが四代目ジェームズ・ボンドに落ち着いたようです。
とにかく、ジェームズ・ボンドが世代交代する時はなかなか決まらないというのが伝統になっているようですね。それまでのちょっとした軽いジェームズ・ボンドとは違い、本作は全編を通してシリアスな展開が大きな特徴となっています。
前作で限界だと感じてマニーペニー役を降板したロイス・マクスウェルに代わりキャロライン・ブリスが演じています。
武器商人のウィティカーを演じたジョー・ドン・ベイカーは『ゴールデンアイ』と『トゥモロー・ネバー・ダイ』でボンドの協力者のCIA情報員を演じています。
この作品はソ連KBG内部の権力闘争やアフガニスタン侵攻など、当時の国際情勢を色濃く反映しているようです。
四代目ジェームズ・ボンドとなったティモシー・ダルトンに関して、ショーン・コネリー、ジョージ・レーゼンビー、ロジャー・ムーアとは決定的に違います。
ティモシー・ダルトンについては演技やキャラクター性に違和感がない分、あまりインパクトもなかったです。
で、本作においてボンドガールでコスコフ将軍の恋人であるカーラを演じたのはマリアム・ダボです。
マリアム・ダボはボンド役候補のスクリーンテストの相手役をしていて、そこからボンドガールに抜擢されています。
本作では例に漏れる事なく、悪役の恋人でジェームズ・ボンドに会ってすぐに心を許しちゃう尻軽女になります。
それに彼女は単なるチェリストなのでアクションシーンではまったく役に立たず、相変わらず女性の扱いが酷いです。
それとコストフ将軍を演じるジェローン・クラッベはハリソン・フォード主演の『逃亡者』にて医師で親友を演じていました。
そのせいもあって途中で白衣姿になるけど、その映画ばかりを思い出してしまうほどでした。
いつものように悪役のパターンとして最初は派手に登場し、途中でいなくなり、最後にはジェームズ・ボンドと対決するというセオリーに従っていました。
『007/カジノ・ロワイヤル』が公開されるまでシリーズの最高ヒット作だっただけに大規模なスケールとなっている。
でも、特にシリーズのファンではないオイラにとってすれば、いつも変わらないジェームズ・ボンドでした。