ラスト・マン/地球最後の男 RE-3098

作品紹介

公開年月  2018/09/06
ジャンル  SF/サスペンス
原作  なし
監督  ロドリゴ・H・ビラ
脚本  ロドリゴ・H・ビラ
製作  ゴンサロ・ビラ、ロドリゴ・H・ビラ
製作国  アルゼンチン、カナダ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

世界的経済危機と度重なる戦争で文明が30日で崩壊し、人口は42%減少し、残された人類は各地での暴動や奪略で無法地帯と化していた。
その世界の片隅で生きる元兵士のカートは、戦場で友人を死なせた事でPTSDに悩まされ、孤独に暮らしていた。
そんなカートはジェシカと出会って愛し合い、巡礼をするノエの壊滅的な嵐の予言を信じて彼女の守り通そうとするのだった。

登場人物&出演者

カート(演:ヘイデン・クリステンセン)
主人公。元兵士。戦友を死なせた事でPTSDを患っている。孤独な生活を送っている。
ヘイデン・クリステンセンは近年の出演作に『ハッピー・シェフ!恋するライバル』、『ファースト・キル』などがあります。
人生の半分ぐらいは悪夢を見ているようで、いつものように戦場でラクにした親友が登場。
二人暮らししているかのように会話をしていて、何かとアドバイスをするも無視していた。
予言者やジェシカに出会った事で生きる希望を見出し、秘かにシェルターを作っていた。
最後はゴメスを倒し、シェルターに戻るとジェシカがいて、二人で平穏に暮らす事になる。

ジェシカ(演:リズ・ソラリ)
ヒロイン。警備会社を経営する父親の娘。重要なポストにいる。人生は空っぽだと口にする。
リズ・ソラリは代表作に『ローマ、恋のビフォーアフター』、『Ever Been to the Moon?』などがあります。
就職してきたカートにひと目惚れしていて、ずっと誘っているゴメスを簡単に断っている。
会社から大金が盗まれると、休んでいたカートが疑われた事で真っ先に来て真実を聞く。
その流れから抑えていた欲情を爆発させ、カートと肉体関係を持ち恋人に発展していく。
最後はカートのシェルターに逃げ込んでいて、嵐がやって来ると二人で平穏に暮らす事に。

ジョニー(演:ジャスティン・ケリー)
カートと戦場を戦った親友。劣勢に立たされて助からないと分かってカートに死を頼んだ。
ジャスティン・ケリーは代表作に『マップ・トゥ・ザ・スターズ』、『アイ・アム・マイケル』などがあります。
その後はカートの前に幻影として登場して、何かと迷っている彼の為にアドバイスしている。
カートが悪夢に悩まされて希望を失ってメソメソしていると、その前に登場して励ました。
ジェシカが家を訪れてくると、厄介者だとしてカートに注意するも結局は無視されてしまう。
最後はジェシカを選んだカートを名残惜しそうに見て、再会する事に期待を抱いて消えた。

ノエ/アレン・グリーン(演:ハーヴェイ・カイテル)
終末論者。各地でこれから起きる地球の崩壊についての真実を説教して回っている老人。
ハーヴェイ・カイテルは近年の出演作に『アクト・オブ・ウォー』、『マダムのおかしな晩餐会』などがあります。
人間が過去に起こした戦争を否定していて、今後はそのしっぺ返しがやって来ると話した。
信じてくれるカートに注目して、様々な武器や道具を売って特別に警告を与えていた。
実は文明が崩壊する前は詐欺師で二回逮捕され、カートから信頼がなくなるも彼を助けた。
最後はカートとの再会を信じて刑務所から脱獄させ、嵐が過ぎた後に無線で連絡を入れる。

クレイジーマン(演:フェルナン・ミラス)
路上生活者。ノエがこれからやって来る終末を説教している時に別の方向から賛同していた。
フェルナン・ミラスは代表作に『La amiga』、『El Potro, lo mejor del amor』がある。
家を持っている人間から毛嫌いされるが、それでも自分を見失わずに力強く生きていた。
最後はまたしても家を持つ者から追い出されるが、生きる事を決めたカートに助けられる。

アントニオ(演:マルコ・レオナルディ)
警備会社を経営している。娘のジェシカを溺愛して、信頼するゴメスに監視をさせている。
マルコ・レオナルディは代表作に『ニュー・シネマ・パラダイス』、『黒の魂』があります。
就職の面接にやって来たカートが戦争の英雄だと知り、採用を前提に話しを進めていた。
会社から大金が盗まれると、ゴメスからカートが犯人だと聞かされて徴収に向かわせていく。
乗り込んできたカートからゴメスがジェシカを侮辱する音声を聞いて逆上してしまう。
最後は銃口を向き合う硬直状態になるが、ゴメスの発砲で倒れ、カートにジェシカを頼んだ。

ゴメス(演:ラファエル・スプレゲルブルド)
警備会社に勤める。以前からジェシカに気があって、誘っているが毎度のように断られる。
ラファエル・スプレゲルブルドは代表作に『ル・コルビュジェの家』、『失われた少女』などがあります。
社長のアントニオにとって片腕的な存在で、常にジェシカを見張る仕事をしている。
会社の大金が何者かに盗まれると、すぐにカートが犯人だと社長に吹き込んで徴収に行く。
ジェシカがカートと関係を持っている事を知って、嫉妬心からなんとか追い詰めていく。
最後はジェシカを侮辱した音声を社長に聞かれ、射殺するも結局はカートに殺された。

感想

個人的な評価

本作はWOWOWにて放送された時は『ラストマン/世紀末の男』というタイトルでした。
注目するべきはヘイデン・クリステンセンとハーヴェイ・カイテルが共演しているところだろうと思います。
しかしながら、本作は彼らの共演以外に見るところがなく、全体的にずっと一本調子の暗いトーンが続いていきます。
舞台は度重なる戦争で文明が30日で崩壊し、更に予言者の言葉ですべてを破壊する嵐で生物が消滅するという二重苦の物語となります。
とにかく、ずっと暗いトーンで物語が進んでいくので、当然のように観ている側としても同じような気持ちに襲われると思う。
だが、実際はずっと変わらない映像が続くから面白くないし、主人公の語りにも抑揚がないから余計に眠気を誘われる。
実際に何度か意識が落ちて巻き戻して鑑賞する作業が何回もあって、本作がどれだけ退屈か改めて感じさせました。
まず根本となるメッセージ性がまったく分からず、本作から何を伝えたいのか不明でした。
生きる事を諦めている主人公がなぜ再び生きようとしたのか明確に語られず、気付いたら就職して女を手に入れてしまう。
それまで絶望する毎日を送っていた男とは思えないし、とてもじゃないが説得力がない。
次に明らかな怪しさ満点の予言者の正体が詐欺師というネタバレも微妙だし、本作で一番盛り上がるはずも効果はなかった。
主人公がずっと幽霊と話しているから、何が現実で何が幻想なのか区別が付かず、つまらない展開にどうでも良くなってしまう。
ラストで主人公とヒロインは無事にシェルターに避難するが、世界が巨大な嵐に飲まれて崩壊するシーンに割く予算はありませんでした。
そうなると全部が主人公の夢という最悪のオチにしても構わないし、それで本作の感想が変わらない。
なぜなら、始まって数分で「つまらない」という事が分かって、あとは最後まで根気よく付き合えるかが問題になるだけ。
こんなに見せ場のない作品は久しぶりで、ヘイデン・クリステンセンとハーヴェイ・カイテルが共演していなければ誰も見向きもしなかっただろうと思います。