黒人魚 RE-3097

作品紹介

公開年月  2019/01/18
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  スヴィヤトスラフ・ポドガイエフスキー
脚本  ナタリア・ドゥボーバヤ、スピヤトラスラフ・ポドガイエフスキー、ほか
製作  アレクサンダー・ボンダテブ、ジャニック・ファイジエフ、ほか
製作国  ロシア
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

湖畔にある別荘に友人たちと静養に来たローマは深夜、一人で湖で泳いでいると謎の女に出会ってしまう。
ローマはその女に遭って以来、恐ろしい幻影に襲われ日ごとに体力が衰えていき、婚約者のマリーナも同じ症状に悩まされていた。
マリーナはローマの異変を調べるべく、湖で起きた女の入水自殺を知り、その原因を解明するごとに想像を絶する恐ろしい復讐が始まるのだった。

登場人物&出演者

マリーナ(演:ヴィクトリア・アガラコバ)
ローマの婚約者。カナヅチ。ローマと結婚式を控えているがマリッジブルーに陥っている。
ヴィクトリア・アガラコバは代表作に『Raspoutine』、『ゴースト・ブライド』があります。
ローマとその友人のイリヤに誘われてプールに行くが、自分のせいで溺れて怒っていた。
別荘に行っていたローマの様子がおかしいと気付き、少女の幽霊とキスした事で嫉妬する。
ローマがリーザに連れ去られようとすると、渾身の蹴りで一度は彼女を撃退してしまう。
最後はリーザの髪を切る事で解放されると知り、湖に飛び込んで彼女の髪を切って生還する。

ローマ(演:エフィム・ペトゥルニン)
マリーナの婚約者。将来有望な水泳選手。マリッジブルーのマリーナに手を焼いている。
エフィム・ペトゥルニンは代表作に『Ghost!』、『Have Fun,Vasya!』などがあります。
友人のイリヤに誘われてマリーナをプールに連れて行くが、勝手に溺れて怒られてしまう。
別荘で気分を取り戻そうとするが、イリヤの余計なパーティを敬遠して少女の幽霊と出会う。
選考会では溺れてしまい、次第に衰弱していく中で別荘で少女の幽霊の正体を知る事に。
最後はマリーナの言葉通りに彼女に化けたリーザの髪を切って、無事に生還を果たした。

イリヤ(演:ニキータ・エレンベ)
ローマの友人。ローマと同じく将来有望な水泳選手。ローマにとってライバルでもある。
ニキータ・エレンベは代表作に『Cursed Seat』、『Summer』などがあります。
常にローマとどっちが早いか競っていたが、そのせいで勝手に溺れたマリーナが不機嫌に。
ローマに独身サヨナラパーティを別荘で始めるが、拒否され、湖の岸にいた彼を見つける。
当初は少女の幽霊を信じなかったが、湖でリーザの墓を見つけると、引きずれそうになった。
最後はリーザに魅せられてしまい、別荘の地下室に溜まった水の中へ引きずり込まれた。

オリガ(演:セシル・プラーゲ)
ローマの姉。マリッジブルーで悩んでいたマリーナの良き相談相手。狂乱する父を心配する。
セシル・プラーゲは代表作に『A Film about Alekseev』などがあります。
ローマの様子がおかしいとしてマリーナから連絡を受け、その時に木製の櫛を見せられる。
父親と母親が映っている写真に木製の櫛を発見し、手がかりは湖にあるとしてみんなと行く。
イリヤに湖底を調べさせ、彼が引きずられそうになって助け出し、少女の名前を知った。
最後は犠牲が必要だとマリーナを生贄にするも失敗し、父親を追って水の中へ引きずられた。

父親(演:イゴール・クリプノフ)
ローマとオリガの父親。妻を亡くしてから別人のように変貌して誰も寄せ付けない状態に。
イゴール・クリプノフは代表作に『アイスブレイカー/超巨大氷山崩落』、『ゴースト・ブライド』などがあります。
過去に別荘で黒人魚を見てしまい、その問いに答えられず、以降は少女の幻影に悩まされる。
当初はローマやオリガから狂乱したと見られていたが、リーザのせいだと判明する事に。
ローマがリーザの呪いを受けている事を知り、警告するもすでに遅いと分かって諦めていた。
最後は遅れて別荘に来るが、オリガの暴走を止めただけで結局は水の中へ引きずり込まれた。

母親(演:ナデジダ・イゴシナ)
ローマとオリガの母親。父親とともに別荘で暮らしていたが、黒人魚の呪いに悩まされる。
ナデジダ・イゴシナは代表作に『It Happens!』、『The Envelope』などがあります。
最後はなんとか父親を助けようとするが、失敗して逆に湖へ引きずられて溺死してしまう。

黒人魚/リーザ・グリゴリエヴァ(演:ソフィア・シドロフスカヤ)
ローマとオルガの両親が暮らしていた別荘の近くにある湖にいる少女の姿をした幽霊。
ソフィア・シドロフスカヤは代表作に『The Good Boy』などがあります。
やって来た男性を見て「愛している?」と尋ねて、答えを聞く前から取り憑いていく。
ターゲットは少女の幽霊を目撃し、ついでに衰弱して、最終的には死を迎える事になる。
実は過去に結婚を誓った恋人に裏切られ、その婚約者を殺して入水自殺をしていた。
最後はマリーナに髪を切られて呪いの力が削がれ、ローマにも髪を切られて湖底へ戻った。

感想

個人的な評価

本作は『未体験ゾーンの映画たち2019』にて上映された作品となります。
『ミラーズ/呪怨鏡』や『ゴースト・ブライド』で知られるスヴィヤトスラフ・ポドガイエフスキーが監督を務めています。
どうやら本作はロシアに伝わる恐ろしい人魚伝説をモチーフにしているようです。
日本では人魚に対する怖いイメージよりも、幻想的なイメージの方が強いと思います。
その為、本作での邦題となる「黒人魚」に怖さはなく、どっちかと言えばヨーロッパなどの外国で通じる怖さだと思います。
ハッキリと人魚というワケじゃなく、単純に自殺した少女が成仏できず、男たちを湖に引き込む悪霊という感じです。
それもアメリカ的な手法を使っていて、ほとんどが音や突然の登場で驚かせる古典的な手法しか使っていません。
そのせいで新鮮味はなく、これがアメリカ映画と言われても違和感がないような印象です。
主人公となるマリーナも勝手に溺れながら、すぐに助けてもらえなかった事で怒っていた意味が分かりません。
加えて、マリッジブルーも相まって婚約者が苦しんでいるのに櫛を見ただけで、嫉妬心で部屋を飛び出す行動もマイナスでした。
とにかく、本作では主人公の性格が悪い方に作用してしまい、一緒にいた登場人物たちに対する共感も低くなってしまう。
終盤になって、なぜか主人公の婚約者の家族が原因を作った事になって、彼らの問題にすり替えられるという超展開になるのは予想できなかった。
結局は主人公補正で悪霊を退治するが、本作では現実と幻が入り乱れているから本当に終わったのかも分からない。
本作は古典的な恐怖演出の手法しか使っておらず、あとは悪霊の顔芸でなんとか間を持たせようという印象しかなかったです。