作品紹介
公開年月 | 2014/12/18 |
---|---|
ジャンル | アクション |
原作 | なし |
監督 | イファ・イスファンシャ |
脚本 | イファ・イスファンシャ、リリ・リザ |
製作 | リリ・リザ、ミラ・レスマナ |
製作国 | インドネシア |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
武術の権威である老師チェンパカは、若い四人の弟子の中から少女ダラを後継者に選び、黄金の杖を授け奥義を伝授すると約束される。
しかし、それを不満とした兄弟子二人の裏切りにより、チェンパカは殺され、黄金の杖までも奪われてしまう。
大切な老師を殺されたタラの怒りは頂点に達し、一番下の弟子アンビンと復讐をする直前、二人の前に一人の男が現れるのだった。
登場人物&出演者
・メラ・ダラ(演:エヴァ・セリア)
主人公。チェンパカ老師の弟子の一人で三番手。老師が倒した武術家ベリン・ウグの娘。
エヴァ・セリアは代表作に『Takut: Faces of Fear』、『Milly & Mamet: Ini Bukan Cinta & Rangga』などがあります。
黄金杖をビルが受け継ぐと思っていたが、自分が指名されて当然のように取り乱していた。
老師がビルとグルハナに殺されると、エランに助けられ、奥義を知るナラ・プティを探す。
エランがプティと老師の息子だと知り、彼から基礎を叩き直されて奥義を教えてもらった。
最後はビルとグルハナを倒し、黄金杖を取り戻し、二人の娘を引き取って弟子にしていた。
・アギン(演:アリア・クスマ)
チェンパカ老師の弟子の一人の四番手。親に捨てられ、老師に拾われる。言葉を発さない。
アリア・クスマは本作が長編映画デビュー作となります。
子供でありながら他の三人にも引けを取らない技術を持ち、老師には無償で奉仕をしている。
老師がビルとグルハナに殺されると、ダラを逃そうと体を張るが結局は一緒に逃げ出した。
追われていると知り、逃げ出すも村人たちを放っておけず一人で立ち向かい捕まってしまう。
最後はタラを逃す為にビルとグルハナに挑んだが、二対一の不利を覆せずに殺されてしまう。
・エラン(演:ニコラス・サプトラ)
近くの村に住む青年。ビルとグルハナに追われていたダラとアギンを助けて看病していた。
ニコラス・サプトラは代表作に『ビューティフル・デイズ』、『愛を語るときに、語らないこと』などがあります。
素性をまったく話さず、ダラたちを村に置いて村人たちの為に色々と雑用をしていた。
実は老師と恋仲だった同門の父親を持ち、誓いで母親の問題に加担しないと決められていた。
ダラに事情を話し、基礎を叩き直して底上げさせ母親が教えられなかった奥義を伝授した。
最後はビルとグルハナを倒し、誓いを破ったとして父親の前から償いの長い旅へ出かけた。
・ダヤ・グルハナ(演:タラ・バスロ)
チェンパカ老師の弟子の一人の二番手。老師が倒した武術家ゴロック・ワギの娘。
タラ・バスロは代表作に『悪魔の奴隷』、『3 Srikandi』などがあります。
ビルとは男女の関係にもなっていて、武術大会があると老子の命令で代わりに挨拶へ行く。
ビルが継承者になるべきだと考え、彼を選ばなかった老師に毒を盛って殺そうとした。
紅羽流の師匠も毒殺すると、ビルとともに黄金杖流を復活させて邪魔者を次々と消した。
最後は奥義を手にしたダラとエランと対決し、二人の同時攻撃に耐えられず呆気なく死亡。
・カラ・ビル(演:レザ・ラハディアン)
チェンパカ老師の弟子の一人で最年長。老師が倒した武術家ガガック・ヒタムの息子。
レザ・ラハディアンは代表作に『鏡は嘘をつかない』、『ドラゴン・ガール』があります。
四人の弟子の中で一番の実力者で、武術大会を見ても優勝者の強さにはそこまで驚かない。
継承者に選ばれず、老師を殺してタラから黄金杖を奪おうとするも失敗して逃してしまう。
紅羽流を乗っ取って黄金杖流にして、武術界の頂点に立って邪魔者を見せしめに殺していた。
最後は奥義を手にしたダラとエランと対決し、二人の同時攻撃に耐えられず呆気なく死亡。
・チェンパカ老師(演:クリスティン・ハキム)
黄金杖流の継承者。過去に多くの武術家を倒してきた。敵だった者の子供を弟子にした。
クリスティン・ハキムは代表作に『眠る男』、『囁く砂』などがあります。
自分が犯した罪を償うべく、4人の弟子を師匠として修行させ、母親としても育てている。
身に付けた武術は敵を倒す為にあると分かりながら、それは虚しいモノだとも考えている。
黄金杖を継承させるのはダラに決めたが、本当なら最年長のビルにしたかったという。
最後は杖を欲しがるビルとグルハナに毒を盛られ、ダラたちを逃す為に戦うも倒された。
感想
個人的な評価
本作は『京都ヒストリア映画祭』や『アジアフォーカス福岡国際映画祭』にて正式出品された作品となります。
この作品はインドネシア製作の珍しい映画であり、東南アジアの伝統的な武術「シラット」を使ったアクションとなっています。
インドネシアの映画と言えば、イコ・ウワイス主演の『ザ・レイド』を思い出す事ができる。
近年では東南アジア諸国の映画業界が活発になっていて、多くの作品が作られています。
インドネシア映画では、他にホラーの『悪魔の奴隷』やSFの『フォックストロット・シックス』なんかも記憶に残っています。
年代は明記されていませんが、現代であってもインドネシアの自然が美しく撮れています。
大自然の中で演舞する姿は印象的で、これはカンフー映画とも違う雰囲気があります。
インドネシアなら「シラット」が有名ですが、本作では杖術がメインとなっている点でも他とは違っている感じです。
ストーリーは闇落ちした兄弟子たちが師匠を殺し、残された弟弟子がカタキを討つ為に立ち上がるという分かりやすい展開です。
ただ、物語全体として非常にテンポが悪く、中盤の中だるみがちょっと厳しいです。
こういう作品は長くても100分が妥当だが、110分を超えてしまっているのは痛い。
主要の登場人物も片手で数えるぐらいなので、ムダなシーンが多かった気がします。
あとは主人公が強そうに見えず、かと言って敵に回った兄弟子たちも強そうには見えない。
毒を盛られて死にそうな老師の方がまだ強かったので、弟子たちが超えたという説得力がなかったのは痛いです。
それと、主人公が奥義を獲得するまで時間が相当経過していたが、そこら辺の描写が数日にしか見えずにラストで戸惑った。
なぜなら、ラストで今までいなかった兄弟子カップルの娘がいきなり登場していて、年齢も7歳前後で時間が相当経っているはず。
ここで混乱してしまい、時間が経過しているのか、今まで隠していたのか、そっちに気を取られてしまいました。
インドネシア映画はまだこれから成長していくだろうから、本作は黎明期という風に考えて評価するべきかもしれない。