シン・シティ/復讐の女神 RE-2284

作品紹介

公開年月  2014/08/22
ジャンル  アクション/犯罪/サスペンス
原作  フランク・ミラー 『A Dame to Kill For』
監督  ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
脚本  フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、ウィリアム・モナハン
製作  ロバート・ロドリゲス、アーロン・カウフマン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

場末のストリップバー“ケイディ”で踊るダンサーのナンシーは、愛する者を奪われた悲しみを胸に復讐の炎を燃やしていた。
ケイディの常連客で心優しき野獣マーヴは、そんな彼女をそっと見守り続けていた。
一方、しがない私立探偵のドワイトは、自分を裏切った元恋人エヴァの魅力に抗えず、罠と気づきながらも彼女の計画に加担してしまう。
そんな中、街を我が物顔で牛耳るナンシーの仇、ロアー上院議員は、大胆不敵な流れ者のギャンブラー、ジョニーとの大勝負に興じるのだった。

登場人物&出演者

【Just Another Saturday Night】

マーヴ(演:ミッキー・ローク)
本編の主人公。醜い顔と怪力を持つ。相手が悪者ならば容赦なく痛めつけて殺す大男。
ミッキー・ロークは近年の出演作には『エクスペンダブルズ・ミッション』、『トゥームストーン/ザ・リベンジ』などがあります。
前作では死んでいるので、本作は前日譚となるけど、劇中の人物にほとんど接触している。
とにかく、アクションをする上で欠かせない人物であり、暴力は彼の代名詞となっている。

【The Long Bad Night】

ジョニー(演:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)
本編の主人公。流れ者のギャンブラー。実はロアークの私生児でシン・シティにやって来た。
ジョゼフ・ゴードン=レヴィットは近年の出演作には『ナイト・ビフォア/俺たちのメリーハングオーバー』などがあります。
凄腕のギャンブラーだという事は分かったが、結局何をしたかったのか分からない。
単にロアークをギャンブルで打ち負かす目的なら、ゲームに2回勝っただけでは伝わらない。
何か策があってやっていると思えば、何も考えてない行き当たりばったりのバカでした。
絶対的な権力の前で拷問され、殺されても、仕方のないバカ息子でした。

ロアーク上院議員(演:パワーズ・ブース)
シン・シティにおける絶対的な権力者。すべては自分の思い通りにする典型的な権力者。
パワーズ・ブースは近年の出演作には『ナッシュビル』、『アベンジャーズ』があります。
まさに大悪党という雰囲気で、どんなヤツでも手を出せない圧倒的な存在感を持つ。
前作でも手の届かない存在であったが、本作は更にそのイメージを倍増させています。
パワーズ・ブースは気持ちよく演じているのが伝わってくるほど上手い演技でした。

【A Dame to Kill For】

ドワイト(演:ジョシュ・ブローリン)
本編の主人公。依頼されて浮気調査をする私立探偵で、時に暴力を使うが殺しを許さない。
ジョシュ・ブローリンは近年の出演作には『ヘイル、シーザー!』、『エベレスト3D』などがあります。
過去にエヴァの魅力に虜となって酷い目に遭ってきたが、今回も回避できずに同じ轍を踏む。
ジョシュ・ブローリンはこういう男を演じさせると相変わらず上手いと感じさせる。

エヴァ・ロード(演:エヴァ・グリーン)
ドワイトの元恋人。現在は金持ちの妻となっているが、ドワイトの元に助けを求める。
エヴァ・グリーンは近年の出演作には『悪党に粛清を』、『300(スリーハンドレッド)/帝国の逆襲』などがあります。
希代の悪女とも言える魔性の女で、どんな手段を使っても自分の為に物事を操ろうとする。
本作ではエヴァ・グリーンは惜しげもなく脱いでいて、当たり前のように女の武器を使うだけの説得力がありました。

ゲイル(演:ロザリオ・ドーソン)
オールドタウン、娼婦街の女王。ドワイトの元恋人。彼の治療と復讐の為に手を貸す。
ロザリオ・ドーソンは近年の出演作には『白い沈黙』、『ティンカー・ベルと流れ星の伝説』などがあります。
法律が一切通用しないオールドタウンを仕切るが、なぜかドワイトの前では子犬になる。

マヌート(演:デニス・ヘイスバート)
エヴァの忠実なる用心棒。屈強な体で繰り出すパンチは強烈。銃弾でも簡単に倒れない。
デニス・ヘイスバートは近年の出演作には『テッド2』、『アメリカを売った男』あります。
マイケル・クラーク・ダンカンが亡くなったので、その代役として本作に登場しています。
上手い役者であるが、マイケル・クラーク・ダンカンのイメージが強いせいでかすむ。

【Nancy’s Last Dance】

ナンシー(演:ジェシカ・アルバ)
本編の主人公。ハーティガンを失い、ストリップバーでは人気を誇るも酒浸りとなる。
ジェシカ・アルバは近年の出演作には『ベアリー・リーサル』、『マチェーテ・キルズ』などがあります。
腐った街のシン・シティでは穢れていない存在だったが、ハーティガンの喪失で彼女は復讐のせいで変貌していく。
今回のジェシカ・アルバは前作からイメージを変えていて、個人的にはこれがちょっと微妙に感じられた。
やはり、穢れを知らないキャラクターとしてのナンシーが良かったので、今回の方向性はちょっと残念な感じだった。

ジョン・ハーティガン(演:ブルース・ウィリス)
ナンシーを助けた正義の刑事。死んでいるが、ナンシーを守る亡霊として度々登場する。
ブルース・ウィリスは近年の出演作には『エクストラクション』、『デッド・シティ2055』などがあります。
ずっと後悔の念しかなく前作の魅力はないが、ブルース・ウィリスに髪の毛が生えている。

感想

個人的な評価

前作『シン・シティ』がヒットし、続編は翌年に製作が始めるはずでした。
脚本が完成していたのに、キャスティングの問題があって、製作が延期していました。
結局、実際に製作が始まったのは2012年と6年越しのスタートとなりました。
それだけに限らず、公開も2013年から翌年になってしまい、本作は色々とトラブルが続いていたようです。
その結果、前作からのキャストは軒並み降板していて、代役が多く立てられています。
キャラクターの名前が同じでも、演じている役者が違うせいでイメージが掴みにくいです。
何より前作から10年も経過した続編なので、当時の熱はすでに消え失せています。
代表的なキャラクターであるマーヴは相変わらずのムチャクチャぶりだが、本作における最大の魅力となるのでしょう。
しかし、マーヴは前作で死ぬ事が決まっているので、なんだか本作では便利屋になっているのは残念でした。
次のドワイトはクライヴ・オーウェンが演じていたが、本作ではジョシュ・ブローリンが代役として演じています。
こちらも当初は誰だか分からなかったほど、もはや別人になってしまっています。
そして、前作のヒロインであったナンシーを演じたジェシカ・アルバも厳しい感じです。
あの当時のイメージを抱いたまま鑑賞すると、ガッカリさせられるほどキャラクターが変わってしまっています。
画面に出る度にナンシーが劣化していく残念な演出こそが、本作のダメっぷりを象徴する。
最後に新キャラクターとなったジョニーを演じたジョゼフ・ゴードン=レヴィットが一番のガッカリする人物となった。
まさか何も考えずに絶対的な権力者の前に出てくるとは思わなかったです。
何か奥手を持っていると思って期待していたのに、行き当たりばったりの行動に対して、なんの為に出てきたか分からない。
本作はエヴァ・グリーンがその美しい体を惜しみなく披露しているが、これはどこかの映画で観たような光景だった。
そう、それは『300(スリーハンドレッド)/帝国の逆襲』で、エヴァ・グリーンがやりたい放題だった事を思い出しました。
確かにエヴァ・グリーンは凄まじい演技をしているが、それは悪い意味で作品をぶち壊してしまう、魔性の女そのものでした。
一作目は独特な魅力、モノクロの映像、そこに目を引く一点のカラー、ハードな暴力描写、そしてエロチシズムのオンパレードが魅力的でした。
だが、本作はその財産を食い潰しても借金になるような粗雑な出来であり、引き延ばしになった製作の影響なのかもしれないだろう。
一作目はDVD及びブルーレイを買う価値があるけど、本作はレンタルで充分なレベルです。