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シー・フィーバー/深海の怪物 RE-3327

シー・フィーバー/深海の怪物 RE-3327

作品紹介

公開年月  2020/04/10
ジャンル  ホラー/アクション
原作  なし
監督  ナッサ・ハーディマン
脚本  ナッサ・ハーディマン
製作  ブレンダン・マッカーシー、ジョン・マクドネル
製作国  アイルランド、スウェーデン、ベルギー
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

人付き合いが苦手な海洋生物学の学生であるシボーンは、博士号を取得するべく漁船に乗り込み深海生物の調査に出る。
乗船したニーム・キノール号の船長ジェラードは船員の給料を払うにも困っていて、大漁を求めて航海禁止ゾーンまでやって来た。
航海禁止ゾーンに到着すると急に動かなくなってしまい、潜水の得意なシボーンが調査へ行くと、そこには巨大な生物の触手を目撃するのだった。

登場人物&出演者

シボーン(演:ハーマイオニー・コーフィールド)
主人公。海洋生物学を学ぶ女子学生。他人と馴れ合う事ができず、いつも一人で勉強する。
ハーマイオニー・コーフィールドは代表作に『トリプルX:再起動』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』などがあります。
単位を取る為に仕方なく漁船に乗り込むが、赤毛は不吉と言われて乗組員たちに嫌がれる。
船底で見つけた未知なる物質を調べ、潜水すると大きな生物を目撃して危険だと主張した。
感染症の疑いがある人間を上陸しちゃいけないと訴え、強引に船を破壊して足止めした。
最後は海へ引きずり込まれたオミッドを助け、感染して深海の怪物に向けて泳いで心中した。

オミッド(演:アルダラン・エスマイリ)
ニーム・キノール号の乗組員。漁師で機関士でもある。給料不払いに不満を持っている。
アルダラン・エスマイリは代表作に『Charmøren』、『Ser du månen, Daniel』がある。
子供がいて生活をしないといけない事を考えて、転職を考えているもなかなか決意できず。
感染症が広がっていくと、シボーンに協力してなんとか対策を立てるも効果を見出だせず。
成長した未知なる生物に海底へ引きずり込まれるが、潜ってきたシボーンに助けられた。
最後はシボーンも感染してしまい、決意した彼女を見送り、光る海で救助する船に手を振る。

ジョニー(演:ジャック・ヒッキー)
ニーム・キノール号の乗組員。船長が信頼する片腕。シボーンについて船を説明していく。
ジャック・ヒッキーは代表作に『Deadbook』、『メアリーの総て』などがあります。
赤毛であるシボーンを不吉だと話す他の乗組員と違い、彼女を快く出迎えて船を案内した。
船長の判断で禁止ゾーンで降ろした網を引き上げていたが、操作ミスで手をケガする。
急に言動がおかしくなってしまい、泳ぎたいと言い出してシボーンたちに止められていた。
最後は感染症がピークに達して両目が破裂し、大量出血を噴き出しながら倒れて死亡した。

スディ(演:エリー・ブアカゼ)
ニーム・キノール号の乗組員。漁師でジョニーの手伝いもする。少ない給料に不満を持つ。
エリー・ブアカゼは本作が長編映画デビュー作となります。
シボーンが赤毛だと知ってしまうと、明らかに嫌がっているような態度を出してしまう。
船長が禁止ゾーンに入って大漁に魚を捕ると、バイクの部品やジョニーの車を買おうとする。
ジョニーが感染症で死んでしまい、シャワーの水から未知なる生物が皮膚を傷つけられる。
最後は失明して何も見えず泣き言を呟きながら、キアラが看病している前で息絶えてしまう。

キアラ(演:オルウェン・フエレ)
ニーム・キノール号の乗組員。最年長の女性で白髪が特徴的。漁師の仕事もこなしている。
オルウェン・フエレは代表作に『きっとここが帰る場所』、『マンディ/ジゴクノロード・ウォリアー』などがあります。
シボーンが赤毛だと知ってしまうと態度を一変するが、慣れるしかないと諦めていた。
未知の生物に遭遇しても何も言わず、目の前でジョニーが死ぬとシボーンのせいにする。
シボーンが上陸させない為に船を破壊すると、ブチ切れて容赦なく彼女にパンチを見舞った。
最後は船長の勝手な行動が原因と分かるが、なぜかシボーンを殺そうとするも返り討ちに。

フレイア(演:コニー・ニールセン)
ニーム・キノール号の操舵手で裏番長。船長の妻。海賊も逃げ出すほどの男勝りという。
コニー・ニールセンは代表作に『グラディエーター』、『ワンダーウーマン』があります。
赤毛だったシボーンが不吉とみんなが言っている中、金を払った事で反対はしなかった。
過去に娘を海難事故で亡くしていて、船はその娘同然として何があっても手放さない。
感染症の疑いがあっても上陸するべきだと訴え、反対していたシボーンと対立していた。
最後は夫を自らの手で後始末して、船への未練を断ち切って一人で助けを呼びに行く。

ジェラード船長(演:ダグレイ・スコット)
ニーム・キノール号の船長。不漁が続いているせいで乗組員たちに給料が払えていない。
ダグレイ・スコットは代表作に『ミッション:インポッシブル2』、『96時間/レクイエム』などがあります。
どうしても大漁が必要だったせいで禁止ゾーンに入り、未知なる生物に接触してしまう。
乗り捨てられた船を探索して、乗組員たちが自殺した状況を見てシボーンに騙されていた。
シボーンが感染の疑いがある人間を上陸させちゃいけないと正論を吐かれるも怒鳴り散らす。
最後は感染している事が判明し、反省しながらフレイヤに後始末を任せて死を受け入れた。

感想

個人的な評価

本作は『トロント国際映画祭』にて上映された作品となります。
タイトルになっている「シー・フィーバー」とは本作の造語となる「海洋病」だという。
これは長い間、船にいるとストレスが溜まってパニック状態になる症状らしい。
ただ、サブタイトルに「深海の生物」がついているので、人間と怪物との戦いだとちょっとだけ期待しました。
ジャケットもそんな雰囲気だったが、結果的に本作は感染症との静かなる戦いでした。
これはちょうど世界が新型コロナウイルスの危険を体感している状況と似ていて、正しい判断する事で感染の拡大を防ぐ事ができると示唆しています。
船の船長というのは誰よりも冷静であって、時には非常な決断を下さいないといけないが、乗組員たちと距離が近すぎたせいで暴走してしまう。
乗組員たちから見たら単なる小娘の上、不吉な赤毛である主人公の正論を誰も聞くはずがない条件をちゃんと揃っていた。
むしろ、正論を口にする主人公を敢えて孤立させる為の設定で、観ている側に苛立ちを与える効果をしっかりと与えていると思います。
それによって、船長を含めた乗組員たちの考えが間違いで、部外者である主人公は如何に正しいか分からせる構造である。
しかし、世の中は十人十色、千差万別、多種多様で、船長たちの意見に賛同する人も少なからずいると思います。
だからこそ、感情を抜きにした客観的な判断が感染症に対して求められる事が分かります。
期待していたモンスター映画ではなかったが、未知なる感染症への判断が一つでも間違えればどうなるのか本作は提唱しています。
その点では興味深い内容と言えますが、映画としての面白さに繋がっていないのは残念です。
ハッキリ言って、主人公以外の乗組員たちに同情の余地はなく、特に禁止ゾーンへ入った分際で正論を前にして怒鳴る船長は失格です。
主人公はどこか『エイリアン』のエレン・リプリーを彷彿とさせるイメージを持ったが、作品として地味すぎたせいでラストの決断もなんだか微妙に感じた。
新型コロナへの対応を考えさせる作品だが、映画として面白くないのでオススメはできない。