砂漠でサーモン・フィッシング RE-2297

作品紹介

公開年月  2010/12/08
ジャンル  ドラマ/コメディ/ロマンス
原作  ポール・トーディ 『イエメンで鮭釣りを』
監督  ラッセ・ハルストレム
脚本  サイモン・ボーフォイ
製作  ポール・ウェブスター
製作国  イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

英国の水産学者ジョーンズ博士の元に、砂漠の国イエメンに川を作って鮭釣りができるようにして欲しいという依頼が舞い込む。
依頼主は謝意夫というイエメンの大富豪で、そのあまりにも荒唐無稽な話しにジョーンズは仲介者の投資コンサルタントのハリエットに不可能と返答する。
ところが、中東との関係改善に頭を悩ませていた英国政府がこの話しに飛びつき、首相のお墨付きという形で支援事業にしてしまう。
結果的に無理難題を押しつけられたジョーンズ博士は、渋々ながらハリエットと協力してプロジェクトを進めていくのだった。

登場人物&出演者

アルフレッド・ジョーンズ博士(演:ユアン・マクレガー)
主人公。水産学者。プロジェクトに乗り気じゃない。既婚者だが妻とは距離がある。
ユアン・マクレガーは近年の出演作には『われらが背きし者』、『ジェーン』があります。
荒唐無稽なプロジェクトに呆れるも、シャイフの強い信念に動かされて本気になっていく。
不器用で真面目な一面があって、そのせいで恋人を失った直後のハリエットを怒らせる。
そんな不器用な彼が一生懸命ハリエットを励ます姿は滑稽だが英国紳士らしい。

ハリエット・チェトウォド=タルボット(演:エミリー・ブラント)
ヒロイン。投資コンサルタント。仕事としてプロジェクトを進める。恋人が戦地にいる。
エミリー・ブラントは『スノーホワイト/氷の王国』、『ボーダーライン』があります。
政府からの仕事に取り組み、無理難題をふっかけるジョーンズ博士の依頼も実現する。
戦地に行ってしまった恋人を失い、プロジェクトを投げ出すもジョーンズ博士の言葉によって再び立ち上がる。
恋人を失ってジョーンズ博士とプロジェクトを進めているうちに惹かれていく。

シャイフ・ムハンマド(演:アムール・ワケド)
イエメンの大富豪。イエメンでの鮭釣りの壮大なプロジェクトを依頼した張本人。
アムール・ワケドは代表作に『シリアナ』、『LUCY/ルーシー』などがあります。
アラブ諸国の大富豪らしく妻を何人もいて、ハリエットの悩み、ジョーンズ博士の悩み、すべてを見通す眼力の持ち主。
終始に渡って落ち着いた口調であり、特に「信心」を強く持つ理想主義の人物でもある。

パトリシア・マクスウェル(演:クリスティン・スコット・トーマス)
英国の首相広報官。イエメンとの関係回復にプロジェクトを大いに利用する。
クリスティン・スコット・トーマスは『フランス組曲』、『オンリー・ゴッド』があります。
少し早合点のところがあって、反抗期の息子相手でも一歩も譲らない強い精神力の持ち主。
更に英国政府の支持率を上げる策士であり、なんでも利用するやり手の人物でもある。

感想

個人的な評価

あまりにもバカげたプロジェクトを主人公たちが実現していく。
後進国に先進国が技術提供する事が多く、NGOの機関から派遣される事も多いです。
しかし、本作は英国とイエメンとの国交を回復させるという一大プロジェクトが主題です。
実話をベースにした物語だと思えば、実はポール・トーディの小説が原作となっている。
だから物語として非常に軽いノリであり、イギリス映画らしいコミカルな部分もある。
主人公のジョーンズ博士は乗り気じゃなかったが、依頼主のシャイフ、協力する投資コンサルタントのハリエットによって突き動かされる。
それと同時に彼が思い悩んでいた妻との結婚生活の精算にも繋がっていく。
主人公を演じているユアン・マクレガーは不器用ながらも真面目にプロジェクトに取り込んでいく姿も印象的です。
ヒロインとなるハリエットを演じるエミリー・ブラントも悪くないです。
恋人を失い、プロジェクトを投げだそうとするが、ジョーンズ博士のフォローする姿は滑稽であるが、イギリス紳士を感じさせる。
そして、プロジェクトを提案したシャイフを演じたアムール・ワケドが非常に良い。
大富豪でありながらも、嫌味がなく、常に落ち着いた雰囲気が安心感を与えてくれます。
最後に英国の首相広報官を演じたクリスティン・スコット・トーマスのキャラクターが非常に有能です。
イギリスのギャグは基本的に笑えないが、彼女の存在は笑わせてくれます。
特に首相とのチャットはかなり面白い部分であり、本作の笑えるポイントの一つです。
物語としてイギリス映画らしい雰囲気であるが、やはり、都合が良いところが目立ちます。
細かい部分をすっ飛ばして、最後の強引なハッピーエンドもイギリス映画らしい。