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ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 RE-2894

ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 RE-2894

作品紹介

公開年月  2017/11/22
ジャンル  ドラマ/伝記/戦争
原作  なし
監督  ジョー・ライト
脚本  アンソニー・マクカーテン
製作  ティム・ビーヴァン、リサ・ブルース、ほか
製作国  イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

1940年、第二次世界大戦の初期ではナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近になってイギリスにも侵略の脅威が迫っていた。
連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、ヨーロッパの運命は新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチルの手に委ねられた。
度重なる失策から“政界一の嫌われ者”だったチャーチルは、政敵たちに追い詰められながらも、ヨーロッパのみならず世界にとって究極の選択をするのだった。

登場人物&出演者

ウィンストン・チャーチル(演:ゲイリー・オールドマン)
主人公。イギリスの首相。数々の失策で政治家から嫌われるが、次期首相として選ばれる。
ゲイリー・オールドマンは近年の出演作に『ヒットマンズ・ボディガード』、『キミとボクの距離』などがあります。
前首相のチェンバレンの宥和政策に反対して、ナチス・ドイツとの徹底抗戦を宣言した。
ダンケルクでイギリス陸軍の救出を優先し、カレー部隊を全滅させるも必要な犠牲と説く。
ハリファックス子爵とチェンバレン元首相の言葉で迷うが、国王や市民の声に耳を傾けた。
最後は徹底抗戦を決断して、国会で堂々と演説すると全員が賛同して彼を見送った。

クレメンティーン・チャーチル(演:クリスティン・スコット・トーマス)
ウィンストンの妻。過去に二度の婚約破棄を経験しており、チャーチルと結婚している。
クリスティン・スコット・トーマスは近年の出演作に『トゥームレイダー/ファースト・ミッション』、『フランス組曲』などがあります。
新しく秘書に赴任したレイトンを説教したチャーチルを見かねて、彼の態度に注意した。
チャーチル家の生計を一人で管理しており、生活費も払えない状況になっても強気でいる。
ずっと和平交渉に悩んでいた夫の為、ジョージ国王を招いて正しい決断を後押しさせた。
最後は見事にイギリスの誇りを守ろうとした夫の演説をラジオで聞いて安堵した顔を見せる。

エリザベス・レイトン(演:リリー・ジェームズ)
新しく赴任した秘書でタイピスト。初日からチャーチルに怒られるがそのまま留まる。
リリー・ジェームズは代表作に『シンデレラ』、『高慢と偏見とゾンビ』などがあります。
チャーチルの言葉をタイピングしていくうちに信頼され、重要な演説の文書を打っていく。
ダンケルクでの救出作戦でカレー部隊への指令書を書く時、断片的な内容で恐怖を抱く。
最後は徹底抗戦を決断したチャーチルの言葉を車内でまとめ、彼の力強い演説を見た。

国王ジョージ6世(演:ベン・メンデルソーン)
イギリスの国王。チェンバレン首相やハリファックス子爵の宥和政策に賛同していた。
ベン・メンデルソーンは代表作に『アニマル・キングダム』、『ダークナイト/ライジング』などがあります。
チャーチルが新たな首相に就任する事を極度に嫌がり、彼を任命する際も素っ気ない態度に。
ラジオで国民のウソを宣言したチャーチルに不快感を示し、すぐに電話して説教した。
次第にチャーチルのイギリスをナチス・ドイツから守り抜こうとする姿勢に同調していく。
最後は和平交渉を進める内閣のやり方に不満を持ち、迷っていたチャーチルを励ました。

アンソニー・イーデン(演:サミュエル・ウェスト)
保守党の政治家。チェンバレン内閣では自治領大臣を務め、チャーチル内閣では陸軍大臣に。
サミュエル・ウェストは代表作に『ノッティングヒルの恋人』、『ヴァン・ヘルシング』などがあります。
チャーチルのナチス・ドイツに対する強硬な姿勢に賛同し、徹底抗戦の理解者の一人になる。
ラジオでウソの宣言をするチャーチルに反対意見を述べたが、それでも彼に付いて行く。
最後は当初の徹底抗戦を決断したチャーチルに賛同し、ハリファックス子爵の後任となる。

ネヴィル・チェンバレン(演:ロナルド・ピックアップ)
保守党の政治家。ナチス・ドイツとイタリアとの宥和政策の失敗で辞任を余儀なくされる。
ロナルド・ピックアップは代表作に『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』、『マリーゴールド・ホテル』シリーズなどがあります。
本来ならハリファックス子爵を後任に据えようとしたが、固持した為にチャーチルを選ぶ。
チャーチルがナチス・ドイツとの徹底抗戦を主張し、間違いとして彼の退任を考えた。
実はガンで余命が幾ばくもなく、それを知るのは友人であるハリファックス子爵だけという。
最後はチャーチルが和平交渉を蹴って徹底抗戦を選んだ事に仕方なく従う姿勢をみせた。

ハリファックス子爵(演:スティーヴン・ディレイン)
保守党の政治家で貴族。チェンバレン内閣に引き続きチャーチル内閣で外相を務める。
スティーヴン・ディレインは代表作に『スパイ・ゲーム』、『キング・アーサー』がある。
チェンバレン首相と同様にナチス・ドイツとの和平交渉を推し進める第一人者となる。
チャーチルがナチス・ドイツとの徹底抗戦を主張し、それに対してずっと反対意見を述べる。
和平交渉に気持ちが揺らいだチャーチルを見て、独自にパイプ役として草案をまとめる。
最後は徹底抗戦を決断したチャーチルに敗れ、外相を辞任して駐アメリカ大使に左遷された。

感想

個人的な評価

本作は『第42回トロント国際映画祭』にてプレミア上映された作品です。
アカデミー賞では主演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞し、作品賞、美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞にノミネートされています。
なんと言っても主演のゲイリー・オールドマンが特殊メイクをして、チャーチルに似せた姿は強烈なインパクトを生み出しています。
実はその特殊メイクを担当したのは映画の仕事を引退していた日本人の辻一弘であり、ゲイリー・オールドマンの強い要望で復帰しています。
本作は「イギリスで最も優れた政治家」と言われたウィンストン・チャーチルを描いた作品としても話題になりました。
ウィンストン・チャーチルの名前だけでも知っている人が多いけど、本作ではそんな彼を等身大の人間としての一面も描いています。
今では偉大な政治家として知られるが、実は万年落ちこぼれで失敗が多く、一方で妻を愛する男だったと分かります。
もちろん、演じているゲイリー・オールドマンの演技は素晴らしいのは言うまでもなく、ウィンストン・チャーチルを知る為の傑作だろうと思う。
先に公開されていたクリストファー・ノーランの『ダンケルク』ですが、その裏側で何が起きていたか知るにもちょうどいい作品でもあります。
当初は徹底抗戦を掲げていたチャーチルですが、途中から弱きになって信念を曲げようとしてしまいます。
やはり、偉大な政治家と言っても、チャーチルも一人の人間であり一人の男で、厳しい選択に迫られた時にも弱きになってしまいます。
だが、そんな彼がずっと掲げてきたイギリス人としての誇りを国王や市民が理解し、後押しするところに強い愛国心を感じました。
ここで思ったのは、もしもチャーチルが和平交渉をしていたら、今の世界はどうなっていたのかという疑問です。
サブタイトルは大袈裟だと思っていたが、本作を鑑賞したら納得してしまうほどの大きな決断だったと分かります。
チャーチルは古い考えであるけど、そこには古き良き騎士道精神があって、これは日本の武士道にも通じるところがあります。
敵に下って生き長らえるよりも、見せかけの平和よりも、自分たちの力で勝ち取る平和こそ意味があると強く訴えた作品でもある。
だからこそイギリス国民は一丸となって立ち上がり、ナチス・ドイツに立ち向かおうとする姿勢に説得力が生まれている。
最初の演説ではほぼ無反応だったが、最後の演説で力強く語ったチャーチルの言葉にはイギリス人の魂が乗っていたのは圧巻でした。

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