その女諜報員アレックス RE-2347

作品紹介

公開年月  2016/06/04
ジャンル  アクション/サスペンス
原作  なし
監督  スティーヴン・カンパネッリ
脚本  アダム・マーカス、デブラ・サリヴァン
製作  アントン・エルンスト、メシャック・モロプ、ほか
製作国  アメリカ、南アフリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

謎めいた過去を持つ女アレックスは、かつて恋人フラーに誘われ、銀行強盗チームに加わりダイヤの強奪に成功する。
その晩、何者かがフラーを襲撃し、盗んだモノの在処を聞き出そうとするが、彼らはの目的はダイヤではなく、たまたま一緒に盗まれたUSBメモリーの方。
襲撃者の激しい拷問でフラーが命を落とし、ついに彼らの手はアレックスに迫るのだった。

登場人物&出演者

アレックス(アレクシス)(演:オルガ・キュリレンコ)
主人公。銀行強盗。元諜報員。過去に要人と救出するも彼の妻子を誤って殺してしまう。
オルガ・キュリレンコは近年の出演作に『ある天文学者の恋文』、『ディバイナー/戦禍に光を求めて』などがあります。
冒頭でのスタイリッシュ銀行強盗では仲間割れをして、なぜか一人だけ顔が人質にバレる。
その後、盗んだダイヤで大金持ちになるはずが、仲間のケヴィンが何者か殺される。
ダイヤと一緒に入っていたUSBメモリが欲しい襲撃者に真っ向から対抗する事になる。
どう見ても形勢不利な状況であるけど、なぜか彼女は悠々と立ち回って彼らを翻弄します。
オルガ・キュリレンコは美しくスタイル抜群だが、アクションは今一つという感じです。
そもそもアレックスというキャラクターの設定が貧弱なせいでインパクトがない。

ワシントン(演:ジェームズ・ピュアフォイ)
悪役。上院議員の依頼により奪われたUSBメモリの奪還をする。終始渡って余裕の言動。
ジェームズ・ピュアフォイは代表作に『ロック・ユー!』、『バイオハザード』があります。
報酬の為に仕事をしているが、なぜか最初から最後まで余裕の立ち回りをしている。
でも、それは個性がほとんどない主人公と比べてもノビノビとしていてインパクトがある。
さすがにジェームズ・ボンド候補になっただけに、雰囲気は充分にあったと思います。
ただ、強いのか弱いのか分からない主人公にあっさりと出し抜かれるマヌケなところもある。

ケヴィン・フラー(演:コリン・モス)
アレックスの銀行強盗仲間。妻子持ち。アレックスとは仕事仲間以上の関係があった模様。
コリン・モスは20作に出演し、代表作に『ヘルアイランド』があります。
仕事仲間だがアレックスの方がどうやら立場的に上でそれに従っている感じだった。
ワシントンからの拷問にも一切口を割らないタフを見せたのが最大の山場。

ペニー・フラー(演:リー=アン・サマーズ)
ケヴィンの妻。夫と過去に関係のあったアレックスとは最悪の関係。
リー=アン・サマーズは南アフリカ出身で、これまで11作に出演しています。
ワシントンの手下に襲撃されるもアレックスの助けで彼女と和解する。
顔が覚えられないぐらい短い出演にも関わらず、意外にも重要な役割を担っていた。

上院議員(演:モーガン・フリーマン)
黒幕。ダイヤと一緒に入っていたUSBメモリ奪還をワシントンたちに依頼する。
モーガン・フリーマンは近年の出演作に『ベン・ハー』、『グランド・イリュージョン/見破られたトリック』などがあります。
珍しくモーガン・フリーマンが悪役をやっているが、それ以上のインパクトはない。
完全に製作者たちがモーガン・フリーマンのブランドに甘えた雑なキャラクターでした。

感想

個人的な評価

戦うヒロインを扱った作品は数多く存在しています。
自分が一番だと思うのは『エイリアン』シリーズで活躍したエレン・リプリーでしょう。
エレン・リプリーは戦うヒロインであり、同時に戦う強い母親というキャラクターでした。
男ばかりが席巻するアクション映画の中で彼女の存在は燦然と輝いています。
その後、様々な戦うヒロインを扱った作品が多く製作されています。
本作では元諜報員のアレックスが銀行強盗であるが、盗んだモノが彼女を大事に巻き込む。
そんなアレックスを演じるのはオルガ・キュリレンコは頑張っています。
これまで『007/慰めの報酬』や『スパイ・レジェンド』と言ったスパイ映画で活躍した。
本作では冒頭からスタイリッシュな銀行強盗から始まり、その後は息もつけないアクションが展開していきます。
ただ、思っているよりは派手さがなく、せわしなく動いているワリに地味な印象を受ける。
アレックスを追う事になる暗殺者集団のリーダー的存在にジェームズ・ピュアフォイ。
ジェームズ・ボンド候補にもなったジェームズ・ピュアフォイは良かったです。
余裕のある立ち回りで追い詰められている感じがなく、主人公とは対等な存在でした。
そして、黒幕となる上院議員を演じているのはモーガン・フリーマンです。
ここでまさかの大物俳優の起用だけじゃなく、彼が悪役という珍しいパターンです。
だけど、そのインパクトはそこまでで、彼は野放しになったまま物語が終わる。
それはつまり、根本的に物語が終わっているワケじゃないので、最後はスッキリしない。
続編を意識しているという感じよりも、最初から一本で終わらそうとしていない。
どうせなら黒幕が捕まるまでやらないとアクション映画として微妙になる。
オルガ・キュリレンコはいいけど、他の作品と比べても特筆した部分がなかった。
本作にも特筆する点がなく、アクション映画としてはそれなりの出来という印象だけ。
そうなると、忘れ去られるような消費される作品という位置づけになるのは残念である。