10/クローバーフィールド・レーン VD-37

作品紹介

公開年月  2016/03/11
ジャンル  サスペンス/SF
原作  なし
監督  ダン・トラクテンバーグ
脚本  マット・ストゥーケン、ジョシュ・キャンベル
製作  J・J・エイブラムス、リンジー・ウェバー
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

車を運転中に事故を起こした女性ミシェルは、意識を取り戻すが、彼女は見知らぬ地下シェルターの中でベッドに手錠で縛りつけられていた。
シェルターには所有者の巨漢な男ハワードの他に、腕をケガした若い男性のエメットもいた。
ミシェルを閉じ込めている理由が、外で恐ろしい事が起きているからと力説するハワード。
脚を大ケガしているミシェルは疑いを持ちつつも、彼らと共同生活を送りながら脱出のチャンスを窺うのであった。

登場人物&出演者

ミシェル(演:メアリー・エリザベス・ウィンステッド)
主人公。デザイナー。恋人と別れて車で走っている時に事故に遭い右脚をケガする。
メアリー・エリザベス・ウィンステッドは代表作に『ファイナル・デッドコースター』、『ダイ・ハード4.0』などがあります。
ハワードに助けられた時から怪しいと感じて、ずっと彼に対して疑心暗鬼になる。
外が汚染されている事を信じず、一度は脱出しようとするが、現実を知って引き返す。
なんだかずっと泣いているようなイメージだったが、行動する時の決断は早い。
さすがに女主人公という事で強い行動に出て、最後は歴戦の兵士のような感じになる。
メアリー・エリザベス・ウィンステッドは悪くないが、少しだけ足りない印象を持った。

ハワード(演:ジョン・グッドマン)
地下シェルターの持ち主。農夫で元海軍。短気で自分のルールが絶対だと決めている。
ジョン・グッドマンは代表作に『ビッグ・リボウスキ』、『スピード・レーサー』がある。
外が汚染される前から危機感を抱き、地道に地下シェルターを作っていた人物。
登場した時は如何にも怪しい男であり、それが最後まで印象に残るような感じだった。
時々見せる優しさは逆にいいヤツのように思わせる揺さぶりもなかなか良かった。
物語を掌握しているキャラクターで、彼の言動ですべてが変わっていく裏主人公的なポジションであった。
これはジョン・グッドマンだからこそ絶妙なバランスが取れていたのだろう。

エメット(演:ジョン・ギャラガー・Jr)
地下シェルターの同居人。左腕をケガしている。地下シェルターを作る手伝いをしていた。
ジョン・ギャラガー・Jrは代表作に『ジョナ・ヘックス』、『マーガレット』があります。
実はスポーツマンで脚が速いのが自慢で大学をスポーツ推薦で受かっていた過去を持つ。
しかし、勉強が一切できなかった事で不安となって、結局大学に行く事はなかった。
当初はハワードのおかげで助かっていると従順だったが、ミシェルによって考えが変わる。
脱出計画がバレた時、ウソをついて難を逃れようとするがハワードに射殺される。

感想

個人的な評価

本作は『クローバーフィールド/HAKAISHA』の続編的な作品となっている。
製作の一人であるJ・J・エイブラムスによれば、精神的な続編というコメントがある。
それは本作が直接的な続編ではなく、同じ世界ながら別の場所で起きている事だと言える。
だから本作は最初からエイリアン的な存在を直接見せずに言葉だけで伝えている。
そのおかげでエイリアンの侵略とはほど遠い密室で起きるサスペンスに仕上がっている。
とにかく、本作では地下シェルターを所有しているハワードという男が支配している。
主人公であるミッシェルや同居するエメットだけじゃなく、観ている側すら支配します。
彼の意向によってどうなっていくのか分からず、ただ、従うしか選択がないのです。
しかし、ハワードはルールさえ守れば、食事やシャワー、寝る場所も提供してくれる。
ハワードは短気で何をするか分からない雰囲気を持っているが、その一方では助けてくれる優しさを見せてくれる。
その為、ミシェルやエメットに限らず、観ている側もがいいヤツか悪いヤツか判断が難しい。
ミッシェルたちはハワードを信じて、三人は打ち解けて仲良く危険な地上とは無関係で平和な日々を送っていく。
だが、それも長く続かず、ついにミッシェルがハワードはやっぱりおかしいと気づく。
外の状況がよく分からない密室で展開されるサスペンスは一定の水準があります。
特にハワードを演じているジョン・グッドマンの演技とキャラクターが説得力を生み出す。
映画内に限らず、観ている側すら支配してしまう彼の言動は大きな意味を持たせる。
そんな中で必死に抵抗しようとするメアリー・エリザベス・ウィンステッドも悪くない。
そして、最後には『クローバーフィールド/HAKAISHA』と繋がるエイリアンの登場。
まるで『クローバーフィールド/HAKAISHA』を意識したカメラワークも面白い。
ただ、個人的には何か足りないような印象を持ち、パンチが弱い作品だと感じました。
密室にしても、エイリアンが姿を現す場面にしても、今一つ盛り上がりに欠ける。
確かに緊張感はあったけど、衝撃的な印象までには至らなかったです。
ジョン・グッドマンの演技力以上に演出面で盛り上がるポイントが欲しかったです。