作品紹介
公開年月 | 2019/09/08 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | スティーヴン・キング 『IT/イット』 |
監督 | アンディ・ムスキェティ |
脚本 | ゲイリー・ドーベルマン |
製作 | ロイ・リー、ダン・リン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
小さな田舎町デリーで起きた連続児童失踪事件から27年後、恐怖のピエロ“ペニーワイズ”が再び町に戻った。
“ルーザーズ・クラブ”のメンバーでデリーに残り、ずっと調査を続けていたマイクは異変に気付いてかつての仲間たちと連絡を取る。
イギリスで脚本家として活躍するビル、ファッション業界で成功するベバリーたちは、27年前の決着をつけるべく集結するのだった。
登場人物&出演者
【現在】
・ビル・デンブロウ(演:ジェームズ・マカヴォイ)
「ルーザーズ・クラブ」のリーダー的な存在。大人になってから作家として成功を収める。
ジェームズ・マカヴォイは近年の出演作に『X-MEN:ダーク・フェニックス』、『ミスター・ガラス』などがあります。
大人になってから吃音症が収まり、映画の脚本家としても活躍する中でマイクの連絡で帰郷。
弟を失った事を未だに後悔し、ペニーワイズに狙われた子供が目の前で殺されて怒り心頭。
ペニーワイズが拠点とする井戸に突入し、弟を死なせたのは自分の責任じゃないと断言。
最後は仲間の絆でペニーワイズを倒し、自分たちの体験を基に新たな本を書き始めていた。
・ベバリー・マーシュ(演:ジェシカ・チャスティン)
「ルーザーズ・クラブ」の紅一点。大人になってから夫とアパレルショップを経営している。
ジェシカ・チャスティンは近年の出演作に『X-MEN:ダーク・フェニックス』、『モリーズ・ゲーム』などがあります。
実際は嫉妬深い夫から暴力を受けており、マイクの連絡を受けて家を飛び出す形で出て行く。
死の光を浴びたせいで未来が見え、ペニーワイズを倒さない限り全員が死ぬと話していた。
最終決戦でポエムの主がベンだと分かり、埋もれそうになった彼を助け出してキスを交わす。
最後はペニーワイズを倒し、暴力的な夫と離婚し、ベンと再婚して幸せな日々を手にした。
・ベン・ハンスコム(演:ジェイ・ライアン)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。大人になってから減量し、有名な建築家となった。
ジェイ・ライアンは代表作に『もしも願いが叶うなら』、『Lou』などがあります。
見た目が変わっても中身は変わらず、未だに優しくしてくれたベバリーに片思いしている。
ビルに気持ちが傾くベバリーに話せず、ずっとモヤモヤした気持ちのまま最終決戦へ。
隠れ屋に飛ばされ、埋もれる直前ベバリーにポエムを呟き、彼女に助け出されてキスをした。
最後はペニーワイズを倒し、長年の片思いが叶って、ベバリーと結婚して平穏な日々を送る。
・リッチー・トージア(演:ビル・ヘイダー)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。、大人になってからコメディアンとして活躍する。
ビル・ヘイダーは代表作に『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』、『メン・イン・ブラック3』などがあります。
子供の頃と変わらず余計な一言や冗談が多く、昔のように何かとエディをいじっている。
ペニーワイズから逃げようとするが、死んだスタンとの思い出から戦う決意を固めていた。
死の光を浴びるもエディに助けられ、彼が犠牲になってしまい、誰よりも深く悲しんでいた。
最後は橋に自分とエディのイニシャルを彫り、再びステージに立って笑いを提供する事に。
・マイク・ハンロン(演:イザイア・ムスタファ)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。大人になってもデリーに残って調査を続けていた。
イザイア・ムスタファは代表作に『モンスター上司』、『新・三バカ大将/ザ・ムービー』などがあります。
ペニーワイズが復活したと知り、「ルーザーズ・クラブ」のメンバーに連絡を取っていた。
長年の調査でペニーワイズの正体を知り、それを倒した先住民から儀式を教えてもらった。
儀式を執り行って成功したかのように思わせたが、ウソだったと発覚して謝罪をした。
最後はペニーワイズを倒し、長年住んでいたデリーを出て新たな生活をスタートさせる事に。
・エディ・カスプブラク(演:ジェームズ・ランソン)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。大人になってからリスク分析家として成功している。
ジェームズ・ランソンは代表作に『KEN PARK/ケンパーク』、『ミッシング・ガール』などがあります。
大人になっても神経質は変わらず、似た性格の妻からの連絡に何度もイライラしている。
子供の時みたいにリッチーと口ゲンカを展開し、未だに母親へのトラウマを抱えている。
ペニーワイズとの決戦ではベバリーから武器を渡され、信じる力なら倒せると説得される。
最後はリッチーを武器で助けたが、背後から刺されてしまい、ペニーワイズとともに消えた。
・スタンリー・ユリス(演:アンディ・ビーン)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。大人になってから会計士として妻と平穏に暮らす。
アンディ・ビーンは代表作に『ダイバージェントFINAL』、『トランスフォーマー/最後の騎士王』などがあります。
マイクからのペニーワイズが復活したと連絡を受けると、誰よりも恐怖を感じて考え込んだ。
自宅のバスタブでビルたちに謝罪を口にしながらも、手首を切って自殺を遂げる事になる。
最後は自殺前に手紙を書き、足手まといになるから自殺を選んで仲間に任せると綴っていた。
・ヘンリー・バワーズ(演:ティーチ・グラント)
かつて「ルーザーズ・クラブ」をターゲットにしていた不良グループのリーダー的存在。
ティーチ・グラントは代表作に『ワイルド・ブレイブ』、『レプリコーン・オリジンズ』などがあります。
現在は父親を殺した罪で逮捕された後、精神に問題があるとして長年精神病院に収容される。
ペニーワイズが27年ぶりに復活した事により、またしても取り憑かれて病院を抜け出した。
指示されるままに「ルーザーズ・クラブ」のメンバーを追い詰め、ナイフで殺そうとする。
最後はエディの反撃、マイクを襲おうとして背後からリッチーの一撃を食らって死亡した。
・ペニーワイズ(演:ビル・スカルスガルド)
子供たちに恐怖を植え付けて食べるピエロの姿をした怪物。27年ぶりに復活を遂げている。
ビル・スカルスガルドは近年の出演作に『デッドプール2』、『アサシネーション・ネーション』などがあります。
ゲイカップルの片方を食い殺すと、次々と人間を襲ってデリーに恐怖をバラ撒いていく。
27年前に倒した「ルーザーズ・クラブ」の帰郷を察知し、彼らを恐怖に植え付けて出迎える。
長年に渡ってルーザーズたちを待ち、ホームグラウンドに来た彼らを怪物化して襲った。
最後は恐怖を克服したルーザーズたちに体が収縮し、心臓を取られ握り潰されて消え去った。
【27年前】
・ビル(演:ジェイデン・マーテル)
「ルーザーズ・クラブ」のリーダー的な存在。吃音症。行方不明になった弟を探している。
ジェイデン・マーテルは代表作に『ヴィンセントが教えてくれたこと』、『ミッドナイト・スペシャル』などがあります。
ペニーワイズから弟を助けようとするが、結果的にルーザーズの仲間を巻き込んでしまう。
紅一点のベバリーから一目を置かれており、いつしか両想いになってキスをしていた。
その後、作家として大成功するが、映画の脚本家としては今ひとつとなってしまう。
・ベバリー(演:ソフィア・リリス)
「ルーザーズ・クラブ」の紅一点。暴力を振るっている父親と二人暮らし。タバコを吸う。
ソフィア・リリスは代表作に『A Midsummer Night’s Dream』、『Gretel & Hansel』などがあります。
子供っぽいルーザーズの男メンバーと一線を画す大人びいた雰囲気を持っている。
名無しのポエムから淡い気持ちを抱いて、それがビルだと思って彼とキスを交わしている。
その後、アパレルショップを夫婦で経営するが、暴力的な夫に悩まされる日々を送る。
・ベン(演:ジェレミー・レイ・テイラー)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。転校生で肥満体。そのせいで不良たちにいじめられる。
ジェレミー・レイ・テイラーは代表作に『アントマン』、『グースバンプス/呪われたハロウィーン』などがあります。
優しくしてくれたベバリーに片思いをするが、太っている事で気持ちを伝えられずにいた。
森でルーザーズの隠れ屋を一人で作っていたが、エディから安全性について問われていた。
その後、必死のダイエットでイケメンとなり、プロの建築家として大成功を収める事になる。
・リッチー(演:フィン・ウォルフハード)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。メガネをかけている。いつも余計な一言が多い。
フィン・ウォルフハードは代表作に『Aftermarth』、『The Goldfinch』などがあります。
何かと文句や冗談を言っていないと気が済まず、その度にメンバーから注意されている。
実は同性愛のような感情を持っているが、ルーザーズにも言わずずっと隠している。
その後、持ち前の口達者な性格からスタンダップコメディの芸人として活躍する事になる。
・マイク(演:チョーズン・ジェイコブス)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。黒人。目の前で両親が火事で焼死して助けられず。
チョーズン・ジェイコブスは代表作に『Cops and Robbers』などがあります。
ヘンリーから黒人という事でイジメを受けていたが、ビルたちの助けで仲間となった。
仲間の中ではあまり発言をする事はないが、町についての歴史に興味を持っている。
その後、町を出て行った仲間と違い、一人だけ残ってペニーワイズについて調査をする。
・エディ(演:ジャック・ディラン・グレイザー)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。過保護な母親のせいで神経質な性格。喘息持ち。
ジャック・ディラン・グレイザーは代表作に『ハロウィン2016』、『シャザム!』がある。
細かい事に対して文句を言っていて、ルーザーズの隠れ屋についても建築法を持ち出した。
口が達者なリッチーと言い争う事が多く、身長が小さいせいでずっとからかわれていた。
その後、母親に似た自分よりも大きな女性と結婚し、毎日を忙しく動き回る日々を送る。
・スタンリー(演:ワイアット・オレフ)
「ルーザーズ・クラブ」のメンバー。ユダヤ教司祭の息子。何事も理論的に冷静に考える。
ワイアット・オレフは代表作に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズがある。
ユダヤ教の一家に生まれた長男として、司祭である父親の跡を継ぐ為に教会へ通っている。
その後、ペニーワイズがいつ復活するのか、誰よりも怯えて27年間も過ごす事になる。
感想
個人的な評価
本作はホラー映画として大ヒットした『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』の続編にして完結編となります。
オリジナルとなる1990年と同じぐらいのインパクトを与え、リメイクとして成功しています。
原作者のスティーヴン・キングは映像化作品にいつも厳しいが、前作は絶賛していて本作にもカメオ出演しています。
それぐらい前作は高い評価を受けていますが、本作もまた厳しい条件を経て続編で完結編として作られました。
上映時間が170分と非常に尺は長いけど、その理由として27年前の回想を交えて物語を展開させているからなのです。
もちろん、前作で子供時代を演じた出演者たちも本作でも登場しており、各キャラクターが持っている恐怖をしっかりと魅せています。
大人になった主人公たちはメジャーな役者たちが演じているが、ちゃんと子役たちに似た配役となっているのもこだわりを感じます。
やはり、厳しいスティーヴン・キングに認められるのは、こういう細かい部分でのこだわりと作品の完成度を高めようとする意識だろうと思います。
スティーヴン・キングらしい青春を感じさせる「ルーザーズ・クラブ」の絆と、ワケの分からない怪物に襲われるラストの展開も分かりやすい。
ペニーワイズは抽象的な悪魔にせず、地球外生命体にしたところも、何でもアリ状態から制限をつけたのも良かったです。
恐怖を与える為に弱点を突いて幻影を見せるペニーワイズだが、ラストでは腕力に任せて「ルーザーズ・クラブ」たちを殺そうとするのは最近の流行にもしっかりと乗っている。
本作を鑑賞する前には前作をしっかりと頭に入れておけば、更に楽しめますが、適度に回想を入れて解説しているので分からなくても充分に楽しめます。
何より本作では遠慮のない気味が悪いクリーチャーがたくさん出て、下手なモンスター映画よりもグロテスクな描写が多かったように思えます。
ただ、どうしても最強で最凶なペニーワイズをよく分からない根性論で倒したのだけはちょっとばかり強引な印象を受けました。
それに紅一点のベバリーがビルからベンに鞍替えした流れも、あまりにも都合が良すぎて単なるビッチに見えてしまったのも残念に感じてしまった。
時間をかけて「ルーザーズ・クラブ」一人一人の恐怖を描いてきたが、ラストの雑な終わらせ方には不満が残りました。