フィナーレ/“そいつ”が見えたら、終わり。 RE-3171

作品紹介

公開年月  2019/11/27
ジャンル  ホラー
原作  スティーン・ラングストルプ 『Finale』
監督  ショアン・ユール・ピーターセン
脚本  ショアン・ユール・ピーターセン、スティーン・ラングストルプ、ほか
製作  ヤコプ・コンドルップ、ショアン・ユール・ピーターセン
製作国  デンマーク
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

深夜のガソリンスタンドで働くアグネスとベリンダは、ある夜、奇妙な客が現れてしまう。
アグネスとベリンダたちの周りで次々と不気味な出来事が発生すると、2人は謎の人物に連れ去れる。
やがて廃墟で目を覚ましたアグネスの前に“リングマスター”と名乗るピエロ姿の男が現れるのだった。

登場人物&出演者

アグネス(演:アンネ・ベルクフェルト)
主人公。心理学を専攻し父親が経営するガソリンスタンドで頼まれて仕方なく働いていた。
アンネ・ベルクフェルトは本作が長編映画デビュー作となります。
落ち込むベリンダの代わりに接客し、奇妙な紳士と怪しい柄の悪い二人組の相手をした。
拷問ショーの主演女優としてトレーラーに紹介され、目の前でベンヤミンを殺されてしまう。
ベリンダが拷問を強要されて乳首に名札をつけらるが、二人で反撃してトレーラーを殺害。
最後はベリンダが自爆して一人だけ脱出するが、未だに撮られている事を知って呆然とする。

ベリンダ(演:カーリン・ミケルセン)
ガソリンスタンドで働く女性。顔の皮膚が重力に負けている。生活の不安から情緒不安定。
カーリン・ミケルセンは代表作に『Gennembrud』などがあります。
恋人のケニーは絵に描いたようなクズ男で、そのせいで母親から家を追い出されてしまう。
ガソリンスタンドにケニーがやって来ると、金を催促されて呆れて手持ちしか貸せなかった。
拷問ショーに連れ出されると、ホチキスを顔や胸に食らい、アグネスに拷問を強要された。
最後はトレーラーをぶっ殺すが、逃げるの断念して、追ってきた二人組の一人と自爆をした。

ベンヤミン(演:クリストファー・ファブリシアス)
アグネスの恋人。医学部を卒業し、ハンブルクでの医療関係の仕事が決まっている。
クリストファー・ファブリシアスは代表作に『Idealisten』などがあります。
ガソリンスタンドまでアグネスを送り届けると、サッカーの決勝戦を楽しむ為に帰った。
試合が終わるとアグネスたちを迎えに来るが、ケガしたケニーを診て救急車を要求した。
アグネスたちと一緒に捕まると、前菜としてトレーラーの拷問を受けて血だらけになった。
最後はレンチで顔面をボコボコにされ、両脚を切断され、そのまま死亡して退場させられた。

ケニー(演:マッド・クーダル)
ベリンダの恋人。マトモに仕事しておらず、その存在でベリンダが家から追い出される。
マッド・クーダルは代表作に『Den sidste dag』、『Gælden』などがあります。
当初はベリンダとメールのやり取りをするが、バイクでガソリンスタンドまでやって来る。
目的は借金取りに追われており、ベリンダから金を借りようとするも全額がムリで立ち去る。
帰る途中で二人組に遭遇し、アグネスやベリンダたちが怖がる動画を撮影して報酬をもらう。
最後はトレーラーや二人組に腹を刺され、ベンヤミンに診てもらうも助からずに死んだ。

トレーラー(演:デイモン・ヤンガー)
ヒマだったガソリンスタンドにやって来て、少しだけドイツ語をしゃべって買い物をした。
デイモン・ヤンガーは代表作に『堕天使のパスポート』、『アウトロー』などがあります。
接客をしたアグネスの名前を覚えると、嬉しそうに繰り返して紳士的な態度で立ち去る。
実はその正体は全世界に拷問する動画を配信する司会者で、アグネスを主演女優に迎える。
ベンヤミンを楽しんで拷問で殺し、今度はベリンダを連れてアグネスに拷問を強要させた。
最後はアグネスとベリンダの反撃を受けてしまい、二人の連携によってあっさりと殺された。

感想

個人的な評価

本作は「デンマークのスティーヴン・キング」と呼ばれるスティーン・ラングストルプの小説を実写映画化した作品です。
この作品は『ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭』を含めた多くのホラー映画祭で受賞とノミネートされています。
まず、こういう作品にたくさんの映画際で評判が良かったという宣伝文句があるのは地雷のニオイしかありません。
経験則から基本的に話題になっていないのに、たくさんの映画際に出ている作品は内容の酷さを知られないようにカモフラージュしているだけです。
ジャケットとタイトルは完全に『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』を相当意識しているが、大抵の場合は遠く及ばないレベルだろうと予測していました。
本作は時系列をいじっているせいもあって、致命的にテンポが悪くて盛り上がるべき箇所がまったく盛り上がりません。
登場人物も片手で数えられる程度なので、誰が怪しいのかすぐに分かるし、分からなかったとしても驚くほどの仕掛けはありません。
どうやら本作は人を誘拐して、トレーラーと呼ばれる司会者が拷問を加えて全世界にインターネットで動画を配信して視聴者を稼ぐ予想できるような内容でした。
拷問する作品と言えば、真っ先に『ホステル』が思い浮かぶが、残念ながら本作は到底及ばないぐらいレベルが低いです。
これの原作が小説で「デンマークのスティーヴン・キング」と呼ばれる人の作品らしいが、よほど内容を割愛されているのだろうと思います。
もし、忠実に原作を再現しているならば、デンマークの小説はレベルが低いという悪いイメージが付いてしまいます。
主人公のアグネスは美人であるけど、もう一人のベリンダは顔の皮膚がたるんでいて若く見えないと思ったら二人とも同い年というオチでした。
ただし、拷問の際に晒されるオッパイの方だが、アグネスよりベリンダの方が良かったです。
拷問映画なので終盤でアグネスとベリンダが拷問を受けるが、彼氏のベンヤミンの方がヒドイ拷問を受けていて印象が薄かった。
唯一、ベリンダが強制的にアグネスの乳首に名札のピンを付ける時ぐらいしか盛り上がらなかったです。
あとは司会者のように立ち振る舞うトレーラーがジャケットの顔になっているが、今一つ弾ける事なく予想通り反撃された呆気な退場するつまらなさ。
こういう作品はスピード感が重要なのに、上手くみせようと時間軸をいじったせいで台無しにする頭の悪い演出になってしまいました。