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フランケンシュタイン/アダム・ザ・モンスター VD-372

フランケンシュタイン/アダム・ザ・モンスター VD-372

作品紹介

公開年月  2015/10/29
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  バーナード・ローズ
脚本  バーナード・ローズ
製作  ガブリエラ・バハー、ハイディ・ジョー・マーケル、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

現代科学で秘密裏に作られた「人造人間アダム」は、ヴィクター博士夫妻によって育てるつもりでいた。
しかし、実験は失敗してしまい、アダムの将来を悲観した博士たちは彼の処分をするが、自衛本能から逃してしまう。
アダムは初めて見る世界で人と接し、自我に目覚めていくが、彼が行く先々でトラブルを起こしていたのだった。

登場人物&出演者

アダム/モンスター(演:ゼイヴィア・サミュエル)
主人公。科学技術により人造人間として誕生した。成人の男性だが中身は赤ん坊と変わらず。
ゼイヴィア・サミュエルは代表作に『ブルー・ブルー・ブルー』、『ドリフト』がある。
皮膚が爛れると、ヴィクターたちから失敗作として処分されるも自力で研究所を脱走する。
トラブルを起こしながらも盲目のエディから言葉を教わり、人間らしい生き方を学んでいく。
怪力で娼婦とエディを殺してしまい、怒りを創造主にぶつけようと生まれた研究所に行く。
最後は父に殺されそうになるが、母が助けたせいで死に、彼女の遺体ととも炎の中に消えた。

エディ・チャイルド(演:トニー・トッド)
盲目のホームレス。ギターを片手に歌うのが趣味。アダムを受け入れて友達となってくれた。
トニー・トッドは近年の出演作に『デッド・ウィッシュ』、『2バッドガイズ』があります。
マトモに言葉もしゃべれず、拘束衣を着せられたアダムに優しく語りかけ友達として迎える。
一緒に行動してアダムに言葉を教え、服や靴も与え、人間としての生き方を教えていく。
知り合いの娼婦であるワンダにアダムを男にする為、金を払って相手をしてもらう。
最後はワンダがアダムの暴走で殺されると、それを責める吹き飛ばされて死んでしまう。

ワンダ(演:マヤ・アースキン)
アジア系の娼婦。エディとは昔からの知り合い。エディにはどんな姿か分からないらしい。
マヤ・アースキンは代表作に『シックス・バルーン』、『ワイン・カントリー』がある。
興味本位でモンスターと名乗るアダムに話しかけると、女性経験がないとして目をつける。
エディからアダムを男にしてもらうべく、100ドルと宿代を受け取って承諾した。
アダムに男としての生殖機能がなく、全身の皮膚が爛れた姿に恐怖を抱いて逃げようとした。
最後はアダムの強力な抱擁で背骨が折れ、体を揺すられた拍子で首も折れて完全に死ぬ。

エリザベス・フランケンシュタイン(演:キャリー=アン・モス)
ヴィクターの妻で科学者。夫とともに人造人間を作る。アダムを赤ん坊のように扱っていた。
キャリー=アン・モスは近年の出演作に『バイバイマン』、『彼女が目覚めるその日まで』などがあります。
実験道具としか見ないヴィクターと違い、母親のように接しアダムから「ママ」と呼ばれる。
アダムの細胞が劣化して皮膚が爛れると、実験の失敗作だと理解して処分に同意していた。
拘留されたアダムがIDを持っていて、確認に来るも知らないとして完全に見捨てる事になる。
最後はアダムを息子と認め、殺そうとしたヴィクターを止めるも事故で死んでしまう。

ヴィクター・フランケンシュタイン(演:ダニー・ヒューストン)
科学者。妻のエリザベスと同僚のマーカスとともに人造人間を作る。実験道具としか見ない。
ダニー・ヒューストンは近年の出演作に『エンド・オブ・ステイツ』、『ユピテルとイオ』などがあります。
エリザベスが赤ん坊のようだと主張するが、人間とは違う実験道具だと頑なに認めなかった。
アダムの皮膚が爛れると、失敗作だと結論を出し、意思があるなら彼の為に安楽死を選択。
アダムが帰ってくると、復讐で殺される寸前になってエリザベスが必死に止めて助かった。
最後はアダムに鎮静剤で倒し、首を切断しようとしてエリザベスの喉を切って殺してしまう。

感想

個人的な評価

本作はバーナード・ローズが監督、脚本、撮影、編集を務めています。
元ネタは多くのホラー映画に登場するメアリー・シェリーのゴシック小説『フランケンシュタイン』となっています。
オリジナルの小説を現代版にしていて、主な流れはしっかりと周到しています。
生まれた時点でアダムは単なる実験道具として扱われるが、ちゃんと意思を持っていて言葉もしゃべろうとする。
そもそも、オリジナルではフランケンシュタインの怪物に未来がなく、とても悲しい物語。
本作もオリジナルと同じような雰囲気で、終始に渡ってアダムが本当に可哀想です。
ちゃんとした教育を受けず、善悪の違いも分からず、社会に解き放たれたらどうなるのか本作で明確に示しています。
小説が書かれた当時でも、それが現代であってもアダムに待ち受けるのは過酷すぎる人生。
しかし、そんな中で盲目のホームレスであるエディとの出会いは本作で数少ない心温まるエピソードは良かった。
そのおかげでアダムは人間らしい状態になるけど、やっぱり、本作は受難がメインでした。
エディの親切味が裏目に出て、本格的にアダムが創造主に復讐する流れ逃げては仕方ない。
一度は他人として無視したエリザベスが母性に目覚める点、ヴィクターはあくまで実験道具にしか見ていない違いが分かりやすい。
本作はとても悲しい物語で、アダムは救われないし、復讐もできずに母親を失うだけという結末もまた悲しさがあります。
この作品は決して派手じゃないし、オリジナルに沿った流れなので、そこまで衝撃的なインパクトはなかったです。
しかも、アダムの姿がグロテスクに変化していく様子は目を背きたくなるほど力が入っていたと思います。
切なくなるアダムの救われない人生は同情ができるし、何より純粋に愛を求めていた彼の気持ちが伝わってきました。