激突! RE-2198

作品紹介

公開年月  1971/11/13
ジャンル  サスペンス
原作  なし
監督  スティーヴン・スピルバーグ
脚本  リチャード・マシスン
製作  ジョージ・エクスタイン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

平凡なセールスマンのデヴィッド・マンは、商談に向かうため車でカリフォルニアへ向かう途中、ハイウェイで大型トレーラーを追い越す。
すると、その直後から大型トレーラーはデイヴィッドの車を執拗に猛追し、そこには明確な殺意が感じられた。
デヴィッドは大型トレーラーの苦手な峠道へ逃げるが、突如車は白煙を吐いてオーバーヒートしてしまい、大幅に馬力の落ちた車で逃げ切る事が難しいと悟って決闘を決意するのだった。

登場人物&出演者

デヴィッド・マン(演:デニス・ウィーバー)
デヴィッドの妻(演:ジャクリーン・スコット)
バーの店主(演:エディ・ファイアストーン)
ガソリンスタンドの女店主(演:ルシル・ベンソン)
バスの運転手(演:ルー・フリッゼル)
老人(演:チャールズ・シール)
トレーラーの運転手(演:キャリー・ロフティン)

感想

個人的な評価

本作は1971年に公開されたサスペンス映画です。
この作品はリチャード・マシスンの同名短編小説を基に作られています。
リチャード・マシスンは作家である一方、脚本家として多くのテレビドラマに参加している。
監督には当時まだ若手だったスティーヴン・スピルバーグが務めています。
無名だった頃のスティーヴン・スピルバーグが監督をしたテレビ映画で、評判の良さから各国で劇場公開されています。
本作において主人公となる平凡なセールスマンであるデヴィッド・マンを演じるのはデニス・ウィーバーです。
デニス・ウィーバーは出演した西部劇ドラマ『ガンスモーク』は20年間の放映で最長ロングランを記録しています。
映画の方では『黒い罠』、『ホーム・オン・ザ・レンジ/にぎやか農場を救え!』がある。
まさに平凡という言葉が似合うほど、デヴィッド・マンという男は秀でた特徴を持っている。
しかしながら、平凡だからこそ効果的であり、物語を盛り上げる意味では上手いキャラクター設定と言える。
特に本作ではデヴィッドが追いかけられる大型トレーラーの運転手の正体が分からないのが大きな意味を持っています。
とにかく、忙しいデヴィッドは先を急ぐあまり大型トレーラーを追い越すも、それこそが彼の窮地に立たされます。
追い越された事に腹を立てたのか、気に食わなかったのか、執拗にデヴィッドを追走する大型トレーラーは不気味でした。
何より大型トレーラーの運転手の正体が分からない状態は主人公に限らず、観ている側も不安感を煽ってくれます。
しかも、デヴィッドは平凡な男だから唐突な行動をするけど、それは誰でもやる行動である。
ここら辺がスティーヴン・スピルバーグ監督の狙いだったのかもしれないが、そこに自分がいたらどのような事をしたのか。
それを考えさせるような物語の展開は非常にハラハラさせれ、とてもテレビ映画とは思えない演出だと言えます。
ですが、本作は低予算のテレビ映画なので、やれる事は限られていて、その中で工夫している感じです。
主な登場人物は主人公のデヴィッドだけで、あとは名もない脇役にもならない端役レベルの登場人物である。
余計なモノが一切ないからこそ、映像だけではごまかせない部分も、カメラワークだけでカーチェイスの迫力を出しています。
最後まで大型トレーラーの運転手の顔が見えず、一体何を考えていたのか分からず、物語が終わるけど、もの凄く効果的である。
当事者である主人公以外は事の重大さが分からず、のんきに見ている状態で、映画を観ている側と一体感を生み出していると思います。
ただ、個人的に主人公の被害妄想が途中で入るけど、これがあまりにも不自然に感じた。
これは性格のせいだろうが、自分はあの少ない手がかりで大型トレーラーの運転手だと決めつけるのは少しやり過ぎだと感じた。
もう少しやりようがあったと思うし、ハラハラとさせる演出はいいが、ストーリー性が皆無であり、終わり方も個人的には不満を持ってしまった。
確かに低予算作品として優れた演出である一方で、娯楽性という意味では物足りなかった。