ペット・セメタリー2 VD-98

作品紹介

公開年月  1992/11/21
ジャンル  ホラー
原作  スティーヴン・キング 『ペット・セマタリー』(原案)
監督  メアリー・ランバート
脚本  リチャード・アウテン
製作  ラルフ・S・シングルトン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

周囲の子供たちと対立したジェフは、同じく仲間外れにされているドリュー・ギルバートと仲良くなっていた。
冷徹な継父のガスと暮らしていたドリューは、可愛がっていた犬を撃ち殺されてしまう。
そこでジェフとドリューは犬の死骸を先住民たちの墓地へ運ぶが、そこは死者が生き返るという噂の場所であった。

登場人物&出演者

ジェフ・マシューズ(演:エドワード・ファーロング)
主人公。獣医師の父と大女優の母親を持つが、両者とも別居していて家庭環境は良くない。
エドワード・ファーロングは近年の出演作に『アウェイクン/監禁島』、『キング・オブ・ゾンビ』などがあります。
ルネが撮影中に感電死してショックを受けるが、それでも立ち直って転校した学校に行く。
しかし、大女優の息子という意味でイジメを受けるが、同じ境遇のドリューと意気投合する。
ドリューの犬がガスを殺してしまい、墓地に埋めて生き返らせるが明らかに別人と気づく。
最後はルネを生き返らせるが、別人だと分かって燃える家に放置し、チェイスと街を出た。

ドリュー・ギルバート(演:ジェイソン・マクガイア)
ジェフが転校した学校のクラスメイト。継父は何かと威圧的で折り合いはついていない。
ジェイソン・マクガイアは代表作に『奇跡を呼ぶ男』、『フォレスト・ガンプ/一期一会』などがあります。
母親を失ったジェフに対して同情を持ち、イジメをするクライドに見切りをつける。
大切にしている犬をガスに撃ち殺されるが、禁断の場所で埋葬して生き返らせる事に。
ガスが犬に殺されて墓地に埋めて生き返るも、クライドを殺して自分も狙われる。
ちょうど帰ってきた母親の車に乗って逃げるが、トラックと衝突して死亡する。

チェイス・マシューズ(演:アンソニー・エドワーズ)
ジェフの父親。獣医師。大女優であるルネとは別居状態。ジェフと同居している。
アンソニー・エドワーズは代表作に『トップガン』、『サンダーバード』などがあります。
ルネが亡くなってハウスキーパーを雇うが、まさかのミーハーで若い女性に多少驚く。
その後、ハウスキーパーが普通に接しているが、それにジェフは反発してしまう。
徐々に状況がおかしくなっていく中、把握できないままルネの遺体が奪われる。
最後は生き返ったルネは別人だと言い切り、ジェフを説得して街から出て行った。

ガス・ギルバート(演:クランシー・ブラウン)
ドリューの継父。保安官。ドリューの母親と再婚している。ドリューには厳しい。
クランシー・ブラウンは代表作に『ハイランダー/悪魔の戦士』、『ショーシャンクの空に』などがあります。
あくまでドリューの母親を愛しているだけで、息子には従うようにルールを課す。
ウサギを飼っているが、ちょっかいを出すドリューの犬に銃弾を食らわせて殺した。
一度犬に殺されるも墓地に埋められ生き返ると、暴走をして仲間を増やしていく。
最後はチェイスともみ合いになるが、反撃を受けて頭を吹き飛ばされて死ぬ。

アマンダ・ギルバート(演:リサ・ワルツ)
ドリューの母親。ガスと再婚している。ガスに厳しくされるドリューに何も言えず。
リサ・ワルツは代表作に『想い出のブライトン・ビーチ』、『おかしな二人2』があります。
ドリューを大事にしているが、ルールを押しつけるガスには何も言えない状態に。
家に帰った生き返ったガスを迎えるが、すでに別人となっていた彼に振り回される。
クライド殺害を目撃したドリューとともに逃げるが、トラックに衝突して死亡。

マジョリー(演:サラ・トリガー)
マシューズ家のハウスキーパーとして雇われる。ジェフの母親の大ファンでミーハー。
サラ・トリガーは代表作に『愛に翼を』、『デンバーに死す時』などがあります。
気づいたら普通に馴染んでいたが、ジェフには母親ヅラしている事が気に障るという。
ルネの衣装を見て、自分が成りきろうとするも本人が降臨して目を抉られて死ぬ。

クライド(演:ジャレッド・ラシュトン)
ジェフが転校した学校のイジメっ子グループのリーダー。ジェフをターゲットにする。
ジャレッド・ラシュトンは代表作に『ビッグ』、『ミクロキッズ』などがあります。
最初はジェフが連れてきた猫を奪い、次にハロウィンで母親の人形を作っている。
イジメをする為なら多少の労力を厭わず、仲間を楽しませるクズな一面がある。
ジェフを見つけて痛めつけるが、そこにガスが登場して呆気なく殺される。
ガスによって墓地に埋められて生き返ると、ジェフを殺そうとするが返り討ちに。

ルネ・ハーロー(演:ダーラン・フリューゲル)
ジェフの母親。大女優。チェイスとは別居生活を送る。女優としての仕事は順調。
ダーラン・フリューゲルは代表作に『アイズ』、『ロックアップ』などがあります。
新たな映画の撮影中に不慮の事故で感電してしまい、そのままショック死する。
ガスに促されてジェフによって生き返るが、当然のように中身は別人である。
結局はジェフに別人だとバレてしまい、燃える家の中で置いていかれてまた死ぬ。

感想

個人的な評価

本作はスティーヴン・キングの小説を原作ではなく、原案とした作品です。
前作ではスティーヴン・キングが自ら脚本を書き下ろしているが、本作ではノータッチです。
その為、タイトルや設定は継承しているが、ストーリーや登場人物は別物となっています。
本作はスティーヴン・キングがノータッチであるが、一応、前作の監督を務めたメアリー・ランバートが続投しています。
しかし、そこから分かるのは、スティーヴン・キングの上手さを引き立たせる駄作となってしまったようです。
『ターミネーター2』で世界的に有名となったエドワード・ファーロングを主演に迎えたのに、当時の評価は散々だったらしい。
いわゆる「二作目のジンクス」というトラップに引っかかった作品となりました。
前作では丁寧に家族の絆を描いていたが、本作はそれよりもグロテスクな部分に力を入れ、主人公の悲哀感に集中させてしまっている。
そのせいで前作が良かったギャップがなく、なんだか単なるゾンビ映画に成り下がっている。
これは完全に方向性を間違えてしまったパターンで、酷評されてもおかしくない展開です。
エドワード・ファーロングを主演に迎えてもフォローができなかったと言える。
全体的に「軽い」構成になっていて、スティーヴン・キングは絶対にやらない作品である。
テーマ性はほとんど感じられず、前作で「死」に対する重さを印象づけたのに、本作ではあまりにも軽すぎて説得力に欠ける。
何より生き返ったガスが大暴れするのは完全に間違っていて、重さが足りない本作の象徴的なキャラクターと言える。
前作では間違っていると分かりながらも、微かな望みを持って禁断の儀式を行っていた。
だが、本作は簡単にすべてをやってしまっていて、何人も生き返って軽さが逆に強調してしまっている。
そして、ラストで展開される意味不明なアクションは完全に作品の本質を破壊しており、もはや暴走としか言えません。
まず、前作の設定を引き継いでいるが、本作の脚本家はスティーヴン・キングの真意を分かっておらず、その結果がワケの分からないラストになった。
それに生き返った人間の設定も甘いせいで、彼らの行動パターンがバラバラすぎて、何がしたいのかまったく分かりません。
結局、本作は生き返った人間は何をしたいのか分からず、その曖昧な土台で展開するからグダグダになってしまう。
もう本作は「二作目のジンクス」という枠じゃなく、製作側が原作の意図を理解していないだけの無能集団だっただけでした。