作品紹介
公開年月 | 1989/04/21 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | スティーヴン・キング 『ペット・セマタリー』 |
監督 | メアリー・ランバート |
脚本 | スティーヴン・キング |
製作 | リチャード・P・ルビンスタイン |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
アメリカのメイン州の小さな街ルドローで、トラックが行き交う道路沿いにクリード一家は引っ越してきた。
だが、数日後にペットの猫が轢死し、近くにあるペット・セメタリー(動物墓地)の奥の“禁断の場所”に埋めると、翌日に猫が生き返っていた。
日を置かずして幼い息子ケイジがトラックに撥ねられ死亡すると、ルイスは例の場所にこっそりと遺体を埋葬するのだった。
登場人物&出演者
・ルイス・クリード(演:デイル・ミッドキフ)
主人公。医者。小さな街にやって来た医者として重宝される。家族を第一に思っている。
デイル・ミッドキフは代表作に『どろどろアンドロイド娘』、『デッド・フライト』などがあります。
感謝祭に家で一人いる時にジャドから猫が死んでいると知り、禁断の場所で埋めてしまう。
妻や子供、それにジャドとピクニックしている時にケイジが目の前で轢かれるという悪夢に。
死んだケイジを禁断の場所で生き返らせるが、すでにそれは別の何かで殺す事を決意する。
最後はゲイジを殺すが、レイチェルを生き返らせるが、やはり同じ結果となってしまう。
・レイチェル・クリード(演:デニーズ・クロスビー)
ルイスの妻。新しくやって来た街に不満はなく、医者の妻として何不自由ない生活を送る。
デニーズ・クロスビーは代表作に『48時間』、『ディープ・インパクト』などがあります。
死に対して臆病な考えを持っているが、それは脊髄の病気を患っていた姉の存在が大きい。
姉の看病で生き長らえさせるよりも死んだ方がいいと考えた事に罪悪感を持っている。
エリーの悪夢からルイスの暴走を察知し、シカゴから急いで家に帰るも悪夢にうなされる。
最後は生き返ったゲイジに殺されるが、ルイスが生き返らせて家に帰るも別人でした。
・エリー・クリード(演:ブレイズ・バータール)
ルイスとレイチェルの娘。無邪気でジャドから死について教えられて素直に納得する。
ブレイズ・バータールは代表作に『恐竜大行進』、『Strong Island Boys』などがあります。
ペットの猫であるチャーチを誰よりも可愛がっていて死ぬ事を恐れていた。
その後、何度も悪夢にうなされており、ルイスが暴走する時も追いつめられていた。
・ゲイジ・クリード(演:ミコ・ヒューズ)
ルイスとレイチェルの息子。言葉は少ししか話せないが、モノを投げるクセがある。
ミコ・ヒューズは代表作に『キンダガートン・コップ』、『スポーン』などがあります。
学習しないルイスが目を離した隙に道路へ出て、トラックに轢かれて死亡してしまう。
その後、愛する息子を取り戻そうとしたルイスの暴走によって生き返る事になる。
だが、それはゲイジの皮を被った何かで、ジャドとレイチェルを遊びで殺した。
・ジャド(演:フレッド・グウィン)
ルイスたちの向かいに住む老人。引っ越してきたルイスたちを温かく出迎えていた。
フレッド・グウィンは代表作に『波止場』、『摩天楼はバラ色に』などがあります。
すぐにクリード家と打ち解け、特にルイスとは年の離れた友人となっていた。
ペットの猫が亡くなったと知り、不思議な力で死んだ者を生き返らせる場所を教えた。
それこそが過ちだと思い、ケイジの死と蘇生に走らせたルイスの暴走に心を痛める。
最後は生き返ったゲイジが家に侵入し、チャーチとの連携で殺されてしまう。
・ビクター・パスコウ(演:ブラッド・グリーンクイスト)
トラックに轢かれた青年。頭の半分が抉れた状態で助からず、ルイスに再会を約束する。
ブラッド・グリーンクイストは代表作に『恋人たちのパレード』、『ローン・レンジャー』などがあります。
亡くなった夜にルイスの元へやって来て、ペット・セメタリーについて忠告をした。
ケイジが死んで最悪の行動をしようとしたルイスに再び警告を促すも無視される。
更にエリーの夢に出て、レイチェルたちにもルイスの暴走を止めるように言霊を与えた。
最後は諦めそうになるレイチェルを励まし、なんとか彼女を自宅まで送り届けた。
感想
個人的な評価
本作はスティーヴン・キングの小説が原作となっています。
更に本作はスティーヴン・キングが自ら脚本を書き下ろした作品にもなっています。
スティーヴン・キングはかなりの作品を実写映画化させているが、残念ながらホラー映画はハズレが多い事も事実である。
そんな本作はスティーヴン・キングが「恐ろしい」として発表を見合わせたほどです。
実写映画化として大作ではないが、スティーヴン・キングの描きたい世界をきちんと描いている作品だと言えるだろう。
スティーヴン・キング自体、何度か映像化で揉めているので、本作は彼が満足しただろう。
ホラー映画であるけど、スティーヴン・キングは家族愛をテーマにした作品だという。
なので、失った家族をもう一度取り戻したいという気持ちが間違った方向に行ってしまい、それは大きな過ちだという事になる。
まず、息子のケイジが死んだ場面についてだが、明らかに父親のせいだとしか言えない。
息子を失った悲しみは大きいが、猫を生き返らせた事からすでに間違っていた。
暴走する父親に同情してもいいけど、医者という職業を完全に忘れてしまっている。
父親の悪い部分しか目立たない中盤以降だが、ようやく登場した生き返ったゲイジが本作最大の見せ場となっています。
前半では可愛らしいゲイジを見せている事もあって、生き返った彼の姿はショックは大きいし、殺すだけの何かになっているところも恐ろしい。
ある意味、クライマックスではゾンビ映画のような雰囲気を上手く出しています。
丁寧に描いた家族の団らんをここでぶち壊していくスティーヴン・キングの特徴がハッキリと出ています。
スティーヴン・キングは映画『ミスト』の結末を賞賛しているが、本作もそれに通じるような終わり方となっています。
決して後味の良いモノじゃないが、家族愛ゆえに止められない暴走をしてしまう主人公が最後にそれ相応のリスクを負う事になる。
本作で唯一、ちゃんとしている人物はまさかのパスコウで、見た目はグロテスクだがやっている事は一番正しかったです。
ですが、そんなパスコウの思いも届かず、欲望に走ったルイスは二度目の失敗を犯し、今度は自らの命も絶たれるという悲しい結末に。
スティーヴン・キングらしい作品であるが、ゾンビ映画という一面で見るとメアリー・ランバート監督の演出はなかなか良かった。