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ディケイド/腐敗する者たち VD-406

ディケイド/腐敗する者たち VD-406

作品紹介

公開年月  2015/11/09
ジャンル  ホラー/サスペンス
原作  なし
監督  ジョセフ・ワートナーチェイニー
脚本  ジョセフ・ワートナーチェイニー
製作  コール・ハリング、マイケル・ハスキンス、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

郊外の一軒家で暮らす中年男のジョナサンはある日、二人の少女が盗みに入ろうとして地下室に侵入されてしまう。
ジョナサンが帰宅すると、脚立に乗っていた一人の少女は物音に驚いて転落死し、もう一人の少女も家から飛び出しすと車にはねられて死亡する。
少女たちの遺体を見つけたジョナサンは警察に通報せず、死体を自分の部屋に置いて一緒に暮らそうとするのだった。

登場人物&出演者

ジョナサン(演:ロブ・ザブレッキー)
主人公。遊園地で清掃人をしている。異常に神経質で潔癖症。人付き合いがかなり苦手。
ロブ・ザブレッキーは代表作に『ロスト・リバー』、『ハロウィーン』などがあります。
黙々と仕事をしながら、拾ったカギをコレクションし、地下室では花を育てた写真を撮る。
盗みに入った若い女性が勝手に死ぬと、その死体を気に入って食事の時に座らせていた。
母親の躾で異常な潔癖症となるが、腐敗する死体から虫が出てきて大きな矛盾を抱えていく。
毎日のルーチンが崩れ始めると、死体が原因だと分かって箱の中に封印して出さなかった。
母親からの厳しい躾と焼身自殺の記憶が強くなっていき、患っていた心の病が暴走をする。
最後はついに死体をバラバラにしたどこかへ捨て去り、孤独を受け入れて日常を取り戻した。

母親(演:リサ・ハワード)
ジョナサンの母親。喫煙者。極度の潔癖症。戸締りに対する異常な執着心を持っている。
リサ・ハワードは代表作に『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーンPart2』がある。
ジョナサンに世の中はバイ菌だからけだと主張し、常に清潔であるべきだと強く躾をした。
言いつけを守れないジョナサンに体罰を容赦なく加え、分からせるまでずっと続けていた。
ボーイスカウトになりたいジョナサンに賛同せず、逆に病原菌だと言い張った許さなかった。
最後はバイ菌から逃げられないと思い詰めると、ガソリンを被って焼身自殺をしてしまう。

同僚(演:エリシャ・ヤッフェ)
ジョンサンが働く遊園地で警備員をしている。ジョナサンとは正反対に陽気で女好き。
エリシャ・ヤッフェは代表作に『アフターデイズ・ボディ/彼女がゾンビと化した世界』、『オープニング・ナイト・ロング』などがあります。
昼飯の時間になると、無愛想なジョナサンといて、いつも女の話をして勝手に楽しんでいた。
ジョナサンにガールフレンドができると、素直に喜んでいたが、深くは突っ込まなかった。
最後はジョナサンが作り出した架空の人物と判明し、孤独を受け入れた彼の前から消えた。

隣人(演:ジャッキー・ホフマン)
ジョナサンの隣人のおばさん。いつも無愛想なジョナサンの為に食事と薬を持ってくる。
ジャッキー・ホフマンは代表作に『モー・マネー』、『ア・ダーティ・シェイム』がある。
まるで面倒見の良い母親のようにジョナサンを心配していて、勝手に家へ入ってきている。
行方不明のケイトリンを誘拐したと警察にジョナサンが疑われると、病気だと話をしていた。
ジョナサンが情緒不安定になると、地下室に現れるが、作り出した架空の人物だと判明する。
最後は死体から解放されたジョナサンに孤独を受け入れるべきだと助言して姿を消し去る。

ケイトリン(演:ハンナ・バロン)
ジョナサンの家の地下室に大麻がある噂を聞いて、友人と忍び込んで盗もうとしていた。
ハンナ・バロンは本作が長編映画デビュー作となります。
帰宅したジョナサンに見つかると、脚立から足を滑らせて頭を強打してそのまま死亡した。
ジョナサンに遺体を保存されるが、徐々に腐敗して全身の皮膚がドス黒く変色していく。
当初は食事の席に就かせていたが、口からゴキブリが出てきた事をキッカケに嫌われる。
最後は現実を認める事になったジョナサンに体を解体され、どこかへ捨てられてしまう。

感想

個人的な評価

本作は監督と脚本を務めるジョセフ・ワートナーチェイニーは元々視覚効果のスタッフとして活躍しています。
この作品はジョセフ・ワートナーチェイニーにとって長編映画デビュー作となっています。
ジャケットとサブタイトルではゾンビ映画、もしくはの殺人鬼映画だと思わせるか違う。
ある中年男の日常を淡々と繰り返しているだけだが、そこに女性の死体が入ってくるだけでゾンビも殺人鬼も出てきません。
主人公は小さい頃から異常に潔癖症な母親の厳しい躾で性格が歪んでしまい、心の病気を抱えた状態で日々を過ごしている。
母親の影響が大きく、異常なまでに戸締りや掃除を入念しないと落ち着かない。
そのおかげでオフシーズンの遊園地で清掃員として掃除し回って、カギを拾ってコレクションをして、家の地下室では花を育てた成長過程の写真を撮っている。
仕事場では陽気な同僚がいて、いつも女の話をして勝手に盛り上がり、隣人のおばちゃんが何かと面倒を見てくれるという感じで主人公は基本的に人畜無害な存在です。
しかし、盗みに入ってきた女が勝手に転んで死んでしまい、その遺体をなぜか自分のガールフレンドにして日常が変わっていきます。
当初は女の子の死体を椅子に座らせ、食事をして楽しんでいたが、死んでいるので腐敗していく中でゴキブリやウジ虫が発生してから日常が崩壊していくのです。
潔癖症な主人公が腐敗する遺体と食事を楽しむという完全に矛盾した状況が生まれ、それによって追い詰められていくのです。
ただ、すべては主人公だけで完結していて、妄想なのか現実なのか分からなくなります。
本作はエンターテインメント性ではなく、作る側の感性を第一にした芸術性に傾倒しているから付いていけないと厳しいと思う。
個人的に芸術性の映画はあまり好きじゃないが、本作はそれらと違って何か引き寄せる不思議な魅力があったと思います。
ラストで明かされる主人公の過去や孤独なんかも、なんだか納得ができて、軽やかに仕事へ向かう姿も清々しくも見えました。
完全に好みが分かれる監督の自己満足作品であるが、ハマったら面白いと思います。