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ロジャー・コーマン/デス・レース2050 RE-2531

ロジャー・コーマン/デス・レース2050 RE-2531

作品紹介

公開年月  2017/01/17
ジャンル  SF/アクション
原作  なし
監督  G・J・エクターンキャンプ
脚本  マット・ヤマシタ、G・J・エクターンキャンプ
製作  ロジャー・コーマン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

人口が増え続ける近未来、そこでは歩行者をひき殺せばポイントになるという恐ろしいレースが開催されていた。
老若男女関係なく容赦なしに歩行者を轢いていくレーサーたちだが、人気レーサーのサイボーグ・フランケンシュタインだけは他と違っていた。
次々と歩行者をなぎ倒しながら、こうして史上最悪のレースが始まるのだった。

登場人物&出演者

フランケンシュタイン(演:マヌー・ベネット)
主人公。体のほとんどを機械化したサイボーグ。興味があるのはレースの勝利だけ。
マヌー・ベネットは代表作に『監獄島』、『ホビット/決戦のゆくえ』などがあります。
政治やファンに一切興味を持たず、ただレースに勝つ事だけを求めている一匹狼。
実際は朝起きたら、ネコにエサをあげて、犬に皮膚病用のクリームを塗る生活を送る。
最初からアニーがレジスタンスの回し者だと知りながらも彼女の同乗を許していた。
最後はおかしな世の中の象徴である会長を轢いて、世界に革命をもたらすきっかけを作る。

アニー(演:マーシ・ミラー)
フランケンシュタインの助手席に乗る。ジャーナリストで今回の取材で名を売り込むつもり。
マーシ・ミラーは代表作に『The Perfect Gift』、『死への招待状』などがあります。
質問に対して答えないフランケンシュタインの態度にもめげず、何度もトライしている。
政治的な記事を書いていたが、受けない事で今回のレースに参加する事になった。
実はレジスタンスのメンバーで、世の中を変える為にフランケンシュタインを殺そうとする。
最後はフランケンシュタインの生き方に共感し、彼とともに生きていく事を決意する。

タミー・ザ・テロリスト(演:アネッサ・ラムジー)
三度目の出場。過激な宗教団体の教祖。客席に爆弾を仕掛けて17人をレース前に殺す。
アネッサ・ラムジーは代表作に『リクイッド・ウッズ/樹海』、『アウトレイジ・ワールド』などがあります。
エルヴィス・プレスリーを崇拝し、ザ・ロックを聖人と考えるなど、独自の宗教観を持つ。
自身の宗教観を第一に考え、それに従わない信者を簡単に殺すという危険な思想を抱く。
何度もミネルヴァを邪魔してポイントを横取りするも、最後は暴走したABEの自爆で死ぬ。

ミネルヴァ・ジェファーソン(演:フォレック・オロフォホーエク)
初出場。歌手でアダルトビデオも大ヒットしている。ニューシングルの為に出場する。
フォレック・オロフォホーエクは代表作に『In Search of Myster Ey』、『Female Fight Club』などがあります。
ABEとファックするクリーマー博士、邪魔をするタミー、女には「ビッチ」と吐き捨てる。
相棒のチワップをタミーの信者のせいで失い、レースの勝利よりも復讐を選んで散る。

ジェド・パーフェクタス(演:バート・グリンステッド)
初出場。遺伝子操作によって生み出されたパーフェクト・ヒューマン。すぐに脱ぎたがる。
バート・グリンステッドは代表作に『Eat with Me』、『Better Half』などがあります。
何かにつけてフランケンシュタインを目の敵にしているが相手にされていない。
ちょうど見せ場のところでフランケンシュタインに邪魔され、余計に憎しみが増していく。
男性500人分のホルモンを持っていると言われるが、実は性的不能で劣等感を持つ。
最後は会長の指示で優位に立つが、油断してコースアウトし、司会者を巻き込んで死ぬ。

クリーマー博士(演:ヘレン・ロリス)
人工知能を搭載したレースカー“ABE”を開発した女性科学者で相棒でもある。
ヘレン・ロリスは本作が長編映画デビュー作となっています。
本物の男を相手にせず、レース中であっても人工知能のABEとファックする生粋のビッチ。
レジスタンスの襲撃でABEが暴走状態となって、顔を認識されず轢き殺されてしまう。

ハミルトン(演:ヤンシー・バトラー)
過激なレジスタンス。ロボットに労働の自由を奪われた事を許さずテロを敢行する。
ヤンシー・バトラーは代表作に『ハード・ターゲット』、『キック・アス』シリーズなどがあります。
昔はプログラマーとして働くも、今では平和的な解決よりも暴力で訴える事を辞さない。
実は会長と繋がっていて、目障りだったフランケンシュタインを倒す為に計画を練っている。
直接、フランケンシュタインを倒そうとするも、彼の機転で上手くかわされてしまう。
その結果、乗っていた車は止まらず、壁に激突して爆発炎上してあっさりと死ぬ。

会長(演:マルコム・マクダウェル)
アメリカ企業連合国の会長。増加する人口を減らすべく、デス・レースを開催する。
マルコム・マクダウェルは近年の出演作に『31』、『おとなのワケあり恋愛講座』がある。
自分こそがルールと言わんばかりの態度だが、フランケンシュタインにナメられている。
それが許さず、敵対するレジスタンスを使ってフランケンシュタインの抹殺を企む。
フランケンシュタインが民衆を味方に引き入れた事で立場が逆転して逃げようとする。
しかし、民衆に囲まれてしまい、最後はフランケンシュタインに轢かれて死ぬ。

感想

個人的な評価

本作は1975年に公開された『デス・レース2000年』のリブート作となっています。
1作目はカルト的な人気を博し、当時まだ無名だったシルヴェスター・スタローンが出演していた事でも話題になりました。
2008年には『バイオハザード』シリーズで知られるポール・W・S・アンダーソンを監督を迎えてリメイク版を製作しています。
主演は『トランスポーター』シリーズで知られるようになったジェイソン・ステイサムが務めていました。
このように本作は意外にも後に知名度を上げたり、人気シリーズの監督を起用したりなど、ロジャー・コーマンの目利きが伝わる作品でした。
本作では『ホビット』シリーズで知られるマヌー・ベネット、カルト映画『機械じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルが出演しています。
他のキャストについては無名という感じだが、目利きのロジャー・コーマンが製作に回っているので意図があるのでしょう。
本作は絵に描いたようなB級映画で、ムダなエロ、ムダなグロさはムダに盛り込まれている。
悪趣味な人を殺してポイントを稼ぎ、観戦する民衆は誰一人として疑わず、異様な盛り上がりを見せる頭のおかしな設定。
これこそが低予算映画の真髄で、ロジャー・コーマンが作ってきた作品のエキスが充分に回っていると思います。
もちろん、ロジャー・コーマンが掲げる巨大な組織に対する嫌味もちゃんと描かれている。
途中で意味不明な演出があるけど、それこそがロジャー・コーマンの作品である。
そこに演出の意味などなく、とにかく盛り上がればなんでもいいという勢いがあります。
本作はマトモに観ちゃいけないタイプの作品で、どれだけ頭を空っぽにして鑑賞するかが最大のポイントとなるでしょう。
真面目に分析すると、主人公は民衆すら動かす力を持ちながらも、それを放棄してしまっている問題を指摘されている。
実はこれにロジャー・コーマンからのメッセージが内包され、どこかのスーパーヒーローが心に留める「大きな力には大きな責任を伴う」という意味合いが込められている。
本作はまさしくバカ映画の王道であり、製作側と観ている側を楽しませようとしている。
ただし、本作は完全に観る人を選んでいるので、事前に分からないとバカさ加減に呆然する事は必至だろう。


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