悪魔のえじき/発情アニマル RE-3008

作品紹介

公開年月  1979/06/30
ジャンル  サスペンス/エロティック
原作  なし
監督  メイル・ザルチ
脚本  メイル・ザルチ
製作  ジョセフ・ズビーダ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

休暇で湖畔にやって来た女性小説家のジェニファー・ヒルズが集団レイプに遭ってしまう。
ジェニファーは自分を襲った男たちの顔を記憶すると、彼ら一人ひとりの元を訪れて次々と惨殺していくのだった。

登場人物&出演者

ジェニー/ジェニファー・ヒルズ(演:カミール・キートン)
主人公。ニューヨーク在住で一人になりたくて湖畔にある一軒家を借りてやって来た。
カミール・キートンは代表作に『ソランジェ/残酷なメルヘン』、『コンクリート・ジャングル』などがあります。
初めての長編小説を書こうとしていたが、ガソリンスタンドで出会った四人の男に狙われる。
油断していたところで当然のように襲われて、発情した男たちの欲望のままに輪姦された。
ショックを受けてしまうが、なんとか立ち直ろうと小説を書き始めると気持ちが収まらない。
最後は復讐を決意して次々と男たちを殺害していき、ラストでは満足した表情を浮かべた。

スタンリー(演:アンソニー・ニコルズ)
発情した四人組の一人。いつもアンディと一緒に行動をしている。上半身裸でハゲている。
アンソニー・ニコルズは本作が長編映画デビュー作となります。
アンディとボートで遊んでいたが、ジェニーを見かけて楽しみながら彼女を追い詰めていく。
ジョニーがレイプを始めると楽しそうに見て、家に逃げてきた彼女を更に追い詰める。
マシューが不発に終わると出番だとして登場するが、拒否したジェニーを何度も殴った。
最後はジョニーが蒸発してジェニーに家へ行くが、ボートのスクリューに刻まれて死んだ。

アンディ(演:ガンター・クリーマン)
発情した四人組の一人。スタンリーといつもいて遊んでいる。サスペンダーをしている。
ガンター・クリーマンは本作が長編映画デビュー作となります。
ボートでスタンリーと遊んでいると、湖畔にいたジェニーを見つけて彼女を追い込んでいく。
ジョニーのレイプが始まって笑いながら見て、家に逃げたジェニーをレイプしてしまう。
更にジェニーの書いた小説を見つけると、身動きの取れない彼女を見下げながら読み上げた。
最後はジョニーが蒸発してジェニーの家へ行くが、持ってきた斧で逆に殺されてしまう。

ジョニー(演:アーロン・タボール)
発情した四人組の一人。ガソリンスタンドを経営していて四人組の中でリーダー格となる。
アーロン・タボールは本作が長編映画デビュー作となります。
給油するジェニーに声をかけ、彼女が借りた一軒家の別荘を案内するも怪しい目つきをする。
スタンリーとアンディがジェニーを追い詰めると、待っていて彼女を倒すとレイプした。
口封じにマシューを殺害に向かわせるも、殺せなかった事が発覚して彼をリンチしてしまう。
最後はジェニーに誘われて家に入るが、彼女の演技に騙され、性器を切断されて失血死した。

マシュー(演:リチャード・ペイス)
発情した四人組の一人。普段は雑貨屋で働いている。四人組の中でマヌケ扱いされている。
リチャード・ペイスは本作が長編映画デビュー作となります。
いつも近隣の別荘に食料を配達しているが、ジェニーを見かけて友達になって舞い上がった。
ジョニーたちがジェニーをレイプしていると、童貞卒業を強要させられるも断っていた。
家に逃げたジェニーのレイプを敢行するも途中で止め、殺害を命令されるもウソをついた。
最後はジェニーがまたも配達を頼んでナイフ持参で行くが、彼女の挑発に乗って殺された。

感想

個人的な評価

本作は1977年に起きた事件を基に製作された作品となります。
内容のせいで『発情アニマル』というポルノ映画みたいな邦題をつけられ、ビデオ発売時には『悪魔のえじき』という邦題になりました。
とにかく、本作はレイプの被害に遭った事のある女性なら鑑賞はオススメできません。
中盤過ぎまで主人公が四人組にレイプされるシーンが長く、それを見ているだけで気持ちが滅入ってしまいます。
それぐらい悪い意味で丁寧に描いていて、主人公がボロボロにされる姿は見ていて非常に胸が痛くなります。
小説家として初めての長編に臨むべく環境を変えた主人公だが、欲望のままに暴走した男たちに追い詰められる姿は本当にやるせない。
本作はフィクションであるけど、現実世界では同じか、それ以上の事が行われていると連想するだけで本作の酷さが伝わってくる。
普通なら精神崩壊を起こしてもおかしくないが、主人公はかなりタフで自らの色気を使って男たちに復讐する姿は美しくも恐ろしいと感じさせた。
ある意味、主人公は精神崩壊をしてしまい、一見して冷静なようで頭の中で想像を絶するような思考に変わっているかもしれない。
それぐらい冒頭と終盤では別人のように見えてしまうぐらい表情や言動が違っていました。
そんな悲劇に見舞われる主人公をカミール・キートンが演じていますが、彼女は「喜劇王」として知られるバスター・キートンの孫娘である。
序盤ではあどけなくてセクシーな女性だが、終盤では一回りも年を取ったかのような冷徹で妖艶な表情になっていました。
ただ、主人公も油断の塊で発情した男たちの様子に普通は気付くだろうし、一人で来た危機感がまったくないのも自業自得と言えるだろう。
それでも、一方的な痛みを味わった主人公の悲痛な叫びは印象が強く、彼女が遂げた復讐は当然のようにスッキリするはずもなく空しさだけが残ります。
しかし、主人公にとって復讐を達成したからこそ、次に歩み出せるというメッセージをラストの表情から読み取る事ができました。
本作はカミール・キートンが魅せた体当たりの演技と、序盤と終盤では別人のような表情が光った作品でした。