カットスロート・アイランド RE-2821

作品紹介

公開年月  1995/12/12
ジャンル  アドベンチャー/アクション
原作  なし
監督  レニー・ハーリン
脚本  ロバート・キング、マーク・ノーマン
製作  ローレンス・マーク、ジェームズ・ゴーマン、ほか
製作国  アメリカ、ドイツ、イタリア、フランス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

巨大帆船“モーニング・スター”の船長の娘モーガンは美しさと猛々しさが同居する男勝りの性格を持っている。
ある日、父が何者かに襲われ、駆けつけたモーガンに自分の皮膚に書かれた地図を託して死んでしまう。
それは宝の眠る島“カットスロート・アイランド”を記す貴重な地図であった。

登場人物&出演者

モーガン・アダムズ(演:ジーナ・デイヴィス)
主人公。モーニング・スター号の船長。年増で微妙な容姿だが周囲から美女扱いされている。
ジーナ・デイヴィスは代表作に『ザ・フライ』、『スチュアート・リトル』シリーズがある。
叔父を裏切った父親を助け出すが、死に際で頭皮に描かれた地図を手に入れて宝探しする。
ラテン語が読める自称・医者のウィリアムを海賊らしく強引に連れ出して出発する。
ウィリアムによってカットスロート・アイランドの場所が特定され、見事にお宝を発見する。
最後は船を取り戻し、ドーグとの一騎打ちで大砲を使って勝利してお宝も手に入れた。

ウィリアム・ショー(演:マシュー・モディーン)
ポーロ・ロイヤルで医者を名乗ってパーティに参加し、ご婦人方から宝石を盗んでいた。
マシュー・モディーンは代表作に『フルメタル・ジャケット』、『トランスポーター2』などがあります。
結局はトロッター大尉に捕まってしまうが、ラテン語が読める事からモーガンが助け出す。
モデカイのところでドーグが来て混乱が生じるが、地図を発見して秘かに持ち出していた。
元々は貧乏な家庭に生まれていて、生活する為にはペテン師をやるしかないと告白していた。
最後は爆破した船からモーガンとともに脱出して、浮いてきたお宝を見事に入手した。

グラスプール(演:スタン・ショウ)
モーニング・スター号の乗組員。モーガンが最も信頼する片腕。いつも同行している。
スタン・ショウは代表作に『ライジング・サン』、『スネーク・アイズ』などがあります。
2つ目の地図を求めてモデカイがいる場所に行くが、ドーグもやって来て捕まってしまう。
そこで機転を利かせたウィリアムによって混乱すると、それに乗じてモーガンたちと脱出。
捕まったウィリアムを助けるべくモーガンと同行し、船で戦う船員たちのサポートを担う。
最後はモーガンとドーグの一騎打ちを見守り、船長の勝利に乗組員たちと喜んだ。

ブレア(演:レックス・リン)
モーニング・スター号の操舵手。モーガンにとってグラスプールに次いで信頼している人物。
レックス・リンは代表作に『山猫は眠らない』、『ジャンゴ/繋がれざる者』があります。
職人気質なタイプでグラスプールの次に意見を求められ、脳筋のような発言しかできない。
いつもモーガンと一緒に行動するグラスプールとは違って、船の留守を預かっている。
裏切ったスカリーによって一度船を奪われるが、モーガンの反撃によって取り戻す事になる。
最後は敵に腕を折られるも決して諦めず戦ったが、殺されるところでトロッターが助けた。

ジョン・リード(演:モーリー・チェイキン)
モーニング・スター号の乗組員。海賊でありながら作家としても活躍して多くの著書を出す。
モーリー・チェイキンは代表作に『デス・ハン』、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』がある。
船を帰る道中、総督に見つかってしまい、そこで仲間に引き込まれる形でスパイとなる。
ウィリアムによってカットスロート・アイランドの場所が分かり、伝書鳩を使って伝えた。
ドーグから逃げ出したウィリアムを発見して、彼を騙して総督たちの元に連れて行った。
最後はモーニング・スター号を取り戻したモーガンたちの砲撃に巻き込まれて死亡。

スカリー(演:ジミー・F・スキャッグス)
モーニング・スター号の乗組員。船長が亡くなり、これからどうするかみんなに聞いた。
ジミー・F・スキャッグスは代表作に『リーサル・ウェポン』、『インビジブル』がある。
実はドーグのスパイでずっと機会を狙い、モーニング・スター号を手に入れようとする。
カットスロート・アイランド目前で勝機だと判断し、モーガンたちを船から追い出した。
最後はトロッターの指示に従っていたが、モーガンの反撃を受けて海に突き落とされた。

トロッター大尉(演:アンガス・ライト)
ポート・ロイヤルの海軍兵士。総督の下で忠実に従う。パーティで相手を探していた。
アンガス・ライトは代表作に『キングダム・オブ・ヘブン』、『マーガレット・サッチャー』などがあります。
ウィリアムが婦人たちの宝石を盗んでいると睨み、彼を逃さないように尋問をしていた。
モーガンによってウィリアムが逃されると、総督とともに追っていくが逃げられる。
総督とともにカットスロート・アイランドに来て、お宝を船に積む雑用係をしていた。
モーガンの襲撃で船を乗っ取られてしまい、バレないように甲板に立つも銃口を向けられる。
最後は海軍では将来がないと悟って、殺されそうになったブレアを助けて海賊となった。

エインズリー(演:パトリック・マラハイド)
ポート・ロイヤルの総督。パーティに忍び込んだウィリアムの怪しさにに目をつけていた。
パトリック・マラハイドは代表作に『追跡者』、『サハラ/死の砂漠を脱出せよ』がある。
船に帰ろうとしたエインズリーに声をかけ、スパイとして取引を持ちかけて情報を得る事に。
エインズリーからの情報でカットスロート・アイランドの場所を知って軍隊を引き連れる。
ドーグとも取引で仲間となって、お宝を手にした暁には彼を御用船の船長を約束した。
最後はモーニング・スター号を取り戻したモーガンたちの砲撃により、呆気なく死亡した。

スネルグレイグ(演:ポール・ディロン)
ドーグの片腕と言える乗組員。左手はなく、代わりにチェーンを巻き付けた義手をする。
ポール・ディロンは代表作に『オースティン・パワーズ』、『ソルジャー』などがあります。
モデカイの元に来たモーガンの首にチェーンを巻き、突き落として剣で動きを止めていた。
最後はグラスプールと一騎打ちをするが、チェーンが錨に引っかかり、そのまま海に沈んだ。

ドーグ(演:フランク・ランジェラ)
モーガンの叔父。カットスロート・アイランドの地図を巡ってモーガンの父を死に追いやる。
フランク・ランジェラは近年の出演作に『ドラフト・デイ』、『グレース・オブ・モナコ/公妃の切り札』などがあります。
地図が三枚必要だと知っていて、もう一枚持っている兄弟のモデカイの元へ急ぐ事になる。
そこでモーガンたちと鉢合わせになって大乱闘となるが、逃げられて地図も手に入れられず。
今度はポート・ロイヤルの総督と手を組んで、カットスロート・アイランドに到着する。
最後はモーガンと直接対決で優勢に立つが、油断して砲撃を腹にマトモに食らって死亡した。

感想

個人的な評価

本作は『第16回ゴールデンラズベリー賞』にて最低監督賞にノミネートされています。
何より本作は『ギネス・ワールド・レコーズ』で「最も興行赤字が大きい映画」として記載されている作品でもあります。
レニー・ハーリン監督は不名誉なノミネートされているが、『ダイ・ハード2』や『クリフハンガー』などのヒット作も手がけています。
ただ、2014年に公開された『ザ・ヘラクレス』は酷評されていて、失敗の振り幅が大きい監督だと言えます。
本作はまさしく『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』の劣化バージョンにしか感じられなかったです。
こちらの方は現実的な海賊を描いているはずだが、全体的にモタモタした印象しかない。
確かに金のかかっているシーン、例えば爆破する場面は非常に派手だし、舞台だって本作の為に用意しているのも分かります。
しかし、それに似合うだけの面白いアクションではなく、ずっとドキドキとハラハラのない雰囲気がありました。
最大の原因は主人公をジーナ・デイヴィスが演じてしまっているからだと思います。
まず、なぜ女性の海賊を主人公にしたのか分からないし、ジーナ・デイヴィスは強そうだけど美しいとは言えません。
それなのにどの男も不自然すぎるぐらいに「美しい」と言っているので、これがまず引っかかってしまう。
次に「強そう」という雰囲気はいいけど、実際のアクションはモタモタしてまったく迫力がありません。
特にラストで行われる悪役との一騎打ちでは緊張感がなく、如何に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのアクションが上手いかが分かる。
監督の妻という事で主役を獲得したけど、どう考えても悪役の幹部クラス程度にしか見えませんし、魅力がまったくありませんでした。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』がヒットしたのは演出はもちろん、適度なコミカルさ、分かりやすさ、そして、キャラクター性でしょう。
本作には最も欠けていたキャラクターの魅力が退屈な作品をよりつまらなくし、物語の抑揚はそこまでなくて長尺なので飽きてしまいます。
金のかけている部分が完全に間違っていて、別に派手な爆破がなくてもいいと思わせます。
それこそ監督の演出が弱すぎるせいもありますし、魅せ方もあるなど、レニー・ハーリン監督のヘタクソさがより際立っている。
本作が記録的な赤字になってしまったのはやり過ぎでしょうが、もっと削れる箇所があっただけに、プロデューサーたちは何をしていたのだろうか。
同じような題材の海賊映画でこれだけの差が生まれたのは、火を見るよりも明らかというぐらいハッキリした作品でした。