着信アリ2 VD-158

作品紹介

公開年月  2005/02/05
ジャンル  ホラー
原作  秋元康 『着信アリ』
監督  塚本連平
脚本  大良美波子
製作  黒井和男
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

保育士の杏子は恋人の尚人のバイト先である中華料理店で不気味な着メロを耳にした。
それは一年前、人々を恐怖に陥れた“死の予告電話”の着メロであり、その音を聞いた者は必ず死ぬという。
一連の事件を追うジャーナリストの孝子は、一年前とパターンが違うと気づき、別居中の夫ユーティンの力を借りて調査を始めるのだった。

登場人物&出演者

奥寺杏子(演:ミムラ)
主人公。保育士でチャイルドセラピストを目指す。台湾料理店で働く尚人とは恋人関係。
ミムラは代表作に『この胸いっぱいの愛を』、『落語娘』などがあります。
その時に店主の娘メイフォンから電話番号を聞くが、まどかの携帯から例の着メロを聞く。
まどかとテレビ電話している時に異変を察知し、彼女に家へ駆けつけるも変死していた。
台湾に原因があるとして、尚人や孝子とともにやって来るが、リー・リィーに捕まる。
最後は尚人が犠牲になってリー・リィーからの呪いを逃れ、孝子も死んでいた事を知った。

桜井尚人(演:吉沢悠)
杏子の恋人。カメラマンのアシスタントをして、世界中を放浪する。台湾料理でバイトする。
吉沢悠は代表作に『星に願いを。』、『逃亡くそたわけ』などがあります。
メイフォンの携帯電話を勝手に見た店主を注意するが、そこで不気味な通話を聞いていた。
店主が油に顔を半分突っ込んでしているのを発見し、その後は孝子に話しをする事となる。
杏子が“死の予告電話”を受けたとして、原因を究明するべく一緒に台湾へ向かった。
最後はリー・リィーに囚われた杏子を助け出し、代わりに電話を取って身代わりとなった。

野添孝子(演:瀬戸朝香)
ジャーナリスト。一年前に起きた“死の予告電話”について独自に調査と取材をしている。
瀬戸朝香は代表作に『湾岸バッド・ボーイ・ブルー』、『舞妓はレディ』などがあります。
小さい頃に二つ下の妹を社務所に置き去りにして、後に川で死体が見つかって後悔している。
台湾料理店の店主が変死した事で一年前の事件との繋がりを考え、尚人に取材を敢行した。
原因は台湾にあると知り、ユーティンと協力して炭鉱にあるリー・リィーの遺体を探す。
最後はすでに炭鉱で死んでいて、リー・リィーではなく美々子の力でユーティンを殺した。

チャン・ユーティン(演:ピーター・ホー)
台湾の弁護士で杏子の元夫。台湾でも“死の予告電話”が起きていて調査をしていた。
ピーター・ホーは代表作に『T.R.Y.』、『モンキー・マジック/孫悟空誕生』などがあります。
孝子からの電話を受け取り、二年ぶりに再会した二人は台湾での事件について話した。
ついに自身も“死の予告電話”を受けてしまい、孝子がなんとか救おうと炭鉱に向かう。
予告された時間が差し迫ってくると、家で恐怖に震えながら孝子からの連絡を待つ。
最後は美々子に乗り移られた孝子が家を訪れ、包丁でメッタ差しにされて風呂場で死亡した。

ワン・メイフォン(演:シャドウ・リュウ)
父親が経営する「山平居」という台湾料理を手伝う。彼氏について父親は認めていない。
シャドウ・リュウは代表作に『幽幻道士』シリーズ、『霊幻少女/帰ってきたテンテン』などがあります。
携帯電話から“死の予告電話”の着メロが流れ、それを父親が受け取って内容を聞く。
新しくした携帯電話の番号を杏子やまどかに送信するが、直後に父親が死んでいたと知る。
突然の出来事に心身ともに疲れ果て、食事も喉を通らない状態で杏子に看病されていた。

内山まどか(演:ちすん)
杏子が勤務している保育園の同僚。尚人と会っていなかった杏子を台湾両店に連れて行く。
ちすんは代表作に『パッチギ!』、『スキャナー/記憶のカケラをよむ男』などがあります。
メイフォンから新しい電話番号をもらうが、その時に“死の予告電話”の着メロを受ける。
台湾料理の店主が変死し、メイフォンを落ち着かせた杏子とテレビ電話で異変を感じる。
風呂場でリー・リィーに捕まり、体中の関節を強引に曲げられて浴槽で死亡してしまう。
最後はリー・リィーの遺体を探す杏子の前に突如現れると、這うように追っていった。

本宮勇作(演:石橋蓮司)
世田谷署の刑事。台湾料理店での変死により、一年前の事件が続いていると察知する。
石橋蓮司は近年の出演作に『散り椿』、『一茶』などがあります。
現場に立ち入っているが、実際には捜査から外されていて無断に捜査をしていて注意される。
まどかの変死で世田谷署に来た杏子と尚人、それに孝子が一年前の事件との関連性を示唆。
最後は台湾に来ていた孝子に一年前の事件に関わった由美が死んだと伝えて音信不通に。

感想

個人的な評価

本作は2003年に一作目が公開され、本作を含めて三本作られ、ハリウッドでは『ワン・ミス・コール』としてリメイクされました。
いわゆる“ジャパニーズ・ホラー”を地でいくタイプの作品であり、そこに今では欠かせないツールである携帯電話を恐怖の対象にしています。
電話を使った恐怖演出というのは古典ホラーで良く使われていますが、現代では一人一台という携帯電話は非常に身近なツールだと言えるだろう。
現在はスマートフォンが主流となっているが、本作はまだまだガラケーが全盛期だった時代が舞台となっています。
やはり、どうしてもスマホが当たり前のように使われている現在だと、13年前の作品でも古臭く感じてしまう。
物語としては一作目のシーンを使いながら、新たな展開を見せている感じになります。
前作での殺人鬼は水沼美々子であるが、なぜか本作では台湾版のリー・リィーという少女も登場しています。
そのおかげでちょっとばかりややこしくなり、前作の殺人鬼と無関係となる本作の殺人鬼を混同してしまう構成になっている。
そもそも、なぜ台湾版の殺人鬼を登場させた意味が分からず、そのまま美々子を使っても良かったと思います。
もっと世界観を広げようとしたのか知らないが、これは明らかに失敗であり、台湾版の殺人鬼はいらない存在でした。
何よりオチが台湾版の殺人鬼リー・リィーではなく、美々子の方になってしまい、もうまとまりのない作品になってスッキリしない展開でした。
結局、リー・リィーは一切解決せず、かと言って美々子の方も現状維持になり、本作は何がしたかったのか分かりません。
素直に美々子だけを使っていればスッキリした展開になったし、台湾の場面を全部カットしても問題がないと思うほど蛇足すぎました。
もうここまで来ると、製作側は台湾に媚びているようにしか感じられず、不自然すぎる流れが本作の良さを貶めてしまっている。
それに殺人を行う美々子やリー・リィーはなんだか貞子の二番煎じにしか感じられず、オリジナリティもあまりなかったです。
所詮は片手間で作家業をやっている秋元康の小説なので、この程度の作品なのは順当じゃないと思います。