BLACK CAT/黒い女豹 RE-2605

作品紹介

公開年月  1991/08/17
ジャンル  アクション
原作  なし
監督  スティーヴン・シン
脚本  ラム・ワイルン、チャン・ボシュン
製作  スティーヴン・シン
製作国  香港
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

米国地方都市の郊外、キャサリンは国道沿いの停留所でトラブルを起こし、警官を射殺する。
逮捕されたキャサリンは留置所や法廷で暴れ回り、その闘争本能に目をつけたCIAは彼女の潜在能力を引き出す為に特殊なチップを頭に埋め込む。
“ブラックキャット”というコードネームで殺人マシーンと化すキャサリンは、法の欺くテロリストたちを抹殺する任務に就くのだった。

登場人物&出演者

キャサリン/ エリカ/ブラックキャット(演:ジェイド・リャン)
主人公。アメリカの町外れにある停留所でトラブルを起こし、駆けつけた警官を射殺した。
ジェイド・リャンは本作が長編映画デビュー作となっています。
CIAによって暗殺者に仕立てられ最初は自殺を図るが、ブライアンに止められてしまう。
初任務では危うく死にかけるが、ブライアンから合格を言い渡され正式な暗殺者になる。
別の任務で自然保護区の主任アレンに写真を撮られ、処分する為に近づくが恋に落ちる事に。
知りすぎたアレンが消されると知り、ジャックの前で射殺するが心臓が左右逆で命は助かる。

ジャック(演:サイモン・ヤム)
CIAのエージェント。キャサリンの闘争本能を買って彼女を厳しい訓練を受けさせる。
サイモン・ヤムは代表作に『トゥームレイダー2』、『ドラゴン×マッハ!』があります。
あくまで上司という立場を取っていて、当初はブラックキャットに厳しい態度だった。
次第にブラックキャットと打ち解けていき信頼関係を築き、彼女に発任務を与える事に。
確実に成果を挙げていくブラックキャットが恋人を作っている事も見逃していた。
最後は知りすぎたアレンを殺すべく登場するが、ブラックキャットが代わりに殺して去る。

アレン(演:トーマス・ラム)
自然保護区の主任。動物保護協会の会長を保護区に迎え入れるがエリカに殺される。
トーマス・ラムは代表作に『Zheng Jiang』、『Fei dian ren sheng』などがあります。
エリカが記者だと思い込んでいて、任務を遂行した彼女の写真を撮っていた。
そのせいでエリカが後処理をしなければならないが、彼女の写真を飾っていた。
エリカと恋に落ちてしまうも、彼女の正体を知りすぎたせいでCIAに狙われる事に。
そこでエリカはブライアンの代わりに心臓を撃つが、左右逆だと知って命は助かる。

感想

個人的な評価

本作は1990年にリュック・ベッソン監督によって作られた『ニキータ』を香港でリメイクした作品です。
アメリカでは1993年に『アサシン/暗・殺・者』としてリメイクされています。
しかしながら、本作についてはまったく許可を取らず、勝手に作っているようです。
さすがは香港映画という事ですが、まさか構成が原作をそのままやっているのはスゴイ。
序盤から主人公であるキャサリンはどうしようもない危険な女として登場し、自分をバカにした男を殺すだけじゃなく警官さえも殺すという。
とにかく、このキャサリンという主人公は共感できる部分がないけど、一応フォローの為にハーモニカを吹くという設定があります。
怒りに任せて相手をぶちのめすが、実際に死体を見た時は普通の女みたいに取り乱していた。
あまりにも不安定すぎる主人公の性格だが、そのまま物語は容赦なく突き進んでいきます。
ほとんど主人公にセリフがなく、ただ過酷な訓練を受けて徐々に暗殺者として鍛えられている場面が中盤過ぎまであります。
そこから初任務を成功させ、次々と任務を忠実にこなしていくCIAの無慈悲な殺人マシーンとなっていきます。
ここら辺は物語というよりはダイジェストに近く、登場人物たちがただ条件をクリアしていくだけの味気ないモノである。
それでようやく主人公にも女性らしいロマンスが訪れるが、残された上映時間が短いせいでずっと駆け足状態でした。
こんな状態になるならば、もっと序盤からの訓練を減らしていって、ロマンスの部分に時間を割くべきだったと思います。
ただ、そのロマンスも残り少ない時間でかなりのベタベタぶりでやり過ぎな印象です。
二人は恋人としてのエピソードが淡々としているので、そのベタベタぶりがあまりにも不自然すぎました。
本作は全体的に言える事だが、ムダを省く為なのか、主人公の歩む道に一切のムダがなく都合のいいタイミングに欲しいモノがやって来る。
予定調和を通り越したダイジェストな展開に誰が感情移入できるのでしょうか。
最後も恋人の命は助けたが、日本人の警官が数人射殺されている時点で犯罪者になるのは目に見えています。
それならば、アレンもそのまま死んだ方が良かったのかもしれないと思いました。