ライオン・キング/2019年版 RE-3217

作品紹介

公開年月  2019/08/09
ジャンル  アドベンチャー/ミュージカル
原作  ロジャー・アレーズ、ロブ・ミンコフ 『ライオン・キング』
監督  ジョン・ファヴロー
脚本  ジェフ・ナサンソン
製作  ジョン・ファヴロー、ジェフリー・シルヴァー、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

サバンナの王国プライドランドでは威厳に満ちたライオンにして、動物たちの尊敬を集める偉大な王ムファサに息子シンバが誕生する。
シンバはいつか父のような勇敢な王になりたいと夢見ながら元気に育つが、ある日、王の座を狙う叔父スカーの謀略で父を失い王国を追放されてしまう。
やがてシンバが行き倒れていたところイボイノシシのプンバァとミーアキャットのティモンに助けられ、彼らと一緒に自由な生活を送るも王国の危機を知るのだった。

登場人物&出演者

シンバ(声:ドナルド・グローヴァー)
主人公。ムファサの息子。未来の王。すべては自分のモノになるという傲慢な考え方を持つ。
ドナルド・グローヴァーは代表作に『スパイダーマン:ホームカミング』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』などがあります。
スカーに何度も騙されてしまい、その結果として偉大なる王のムファサを殺す要因となる。
行き倒れたところでティモンとプンバァ出会い、砂漠のオアシスで気楽なニート生活を送る。
ナラがやって来て国の一大事だと言われ、ラフィキと父親の言葉で王として帰還を果たす。
最後は抵抗したスカーを倒し、ナラを妃にして新たな王の誕生を動物たちに見せつけていた。

ナラ(声:ビヨンセ・ノウルズ=カーター)
ヒロイン。未来の妃。勝ち気で活発な性格。幼い頃はシンバとの結婚はありえないと話す。
ビヨンセ・ノウルズ=カーターは代表作に『オースティン・パワーズ/ゴールドメンバー』、『ドリームガールズ』などがあります。
スカーの言葉に騙されたシンバと危険なハイエナのナワバリに来るが、なんとか助けられる。
ムファサが死んでシンバがいなくなると、新たな王となったスカーの下で仕方なく暮らす。
国が枯渇していくと、なぜかシンバが生きていると知ってオアシスまで助けを求める。
最後は目の敵にされていたシェンジと対決し、シンバの妃となって次なる王を産んでいた。

プンバァ(声:セス・ローゲン)
砂漠のオアシスに住むイボイノシシ。常にティモンと一緒にいる。大食いで天然な性格。
セス・ローゲンは近年の出演作に『パパと娘のハネムーン』、『ディザスター・アーティスト』などがあります。
行き倒れになったシンバを見つけると、仲間にして守ってもらえるとティモンに提案した。
ナラがやって来た事で楽しいトリオは終わりだと嘆くが、シンバの決意に後を追っていった。
ハイエナたちから逃げ回っていたが、ブタ呼ばわりされて逆上し、突進攻撃で形勢逆転する。
最後は新たな王となったシンバの国にいて、次なる王が掲げられるところを見ていた。

ティモン(声:ビリー・アイクナー)
砂漠のオアシスに住むミーアキャット。常にプンバァと一緒にいる。お調子者で陽気な性格。
ビリー・アイクナーは代表作に『ベガスの恋に勝つルール』、『ネイバーズ2』があります。
倒れていたシンバを助けると、トリオとしてオアシスで気楽にノンビリと生活を楽しんだ。
シンバの助けを求めてきたナラたちの後を追い、一緒にスカーを倒す為に付いてきた。
当初はハイエナたちから逃げ回っていたが、気合いを入れたプンバァの突進で形勢逆転する。
最後は新たな王になったシンバの国に居座り、生まれた次なる王をプンバァたちと見た。

ザズー(声:ジョン・オリバー)
王国に仕えるサイチョウ。おしゃべりでダジャレ好き。王国の状況を伝えるのが仕事となる。
ジョン・オリバーは代表作に『愛の伝道師/ラブ・グル』、『スマーフ』シリーズがあります。
シンバの誕生に来なかったスカーに元へ来るが、襲われそうになってムファサに助けられる。
ムファサが死んでシンバもいなくなり、スカーが王になってからサラビに状況を伝えていた。
ハイエナたちに何度も狙われる生活の中で、シンバが帰って来た事で大いに喜んでいた。
最後はハイエナたちから逃げ回り、シンバが新たな王になり、子供が生まれた時も同席した。

ラフィキ(声:ジョン・カニ)
年老いたマンドリル。呪術師。シンバが誕生した時は動物たちの前で掲げて存在を示した。
ジョン・カニは代表作に『ワイルド・ギース』、『ブラック・パンサー』などがあります。
シンバが誕生する前から生まれてくる事を知って、次なる王として多大な期待を持っていた。
ムファサが死んでシンバがいなくなると、新たな王となったスカーにガッカリしていた。
シンバのたてがみの毛を偶然見つけ、すぐに彼だとなぜか分かると、王の復活に喜んでいた。
迷っていたシンバの元にやって来ると、ムファサの言葉を伝えて王としての自覚を持たせる。
最後はハイエナに囲まれたザズーを助け出し、シンバとナラの子供を新たな王と掲げた。

サラビ(声:アルフレ・ウッダード)
ムファサの妻で王国の妃。シンバの母親。ムファサを絶対的な王として単なる影に徹する。
アルフレ・ウッダードは代表作に『3人のゴースト』、『アナベル/死霊館の人形』がある。
ムファサが死んでしまい、シンバもいなくなって、スカーが王となって何も抵抗しなかった。
周りのメスライオンに王だと言われるが、あくまでオスライオンの務めだと言い張った。
何度もスカーに求婚されてもムファサの妻だと固持し、その誘いを真っ向から断っていた。
最後は帰って来たシンバに同調してハイエナたちを倒し、新たな王として迎える事になる。

ムファサ(声:ジェームズ・アール=ジョーンズ)
サバンナを統治する王。過去に弟のスカーに挑戦されるも圧倒的な暴力で勝利して王になる。
ジェームズ・アール=ジョーンズは代表作に『スター・ウォーズ』シリーズ、『ボクサー』などがあります。
陽があたる場所がすべて自分が統治する土地だと言い張り、守るのが使命だと主張している。
まだ幼いシンバの無茶な勇敢さを適当に注意し、ハイエナたちを悪者として決めつけている。
野心を持っているスカーが弟という事で甘い顔をし、そのせいで結果的に裏切られる事に。
最後はシンバを助ける為にヌーの群れに突入し、崖を登るところでスカーにより転落死する。

シェンジ(声:フローレンス・カサンバ)
ハイエナの群れを束ねるメス。スカーの誘導でやって来たシンバたちを食べようとしていた。
フローレンス・カサンバは代表作に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『ブラックパンサー』などがあります。
裏ではスカーと手を組んでいて、王位を継がせる代わりに豊富な食料を手に入れようとする。
スカーが王位を手にするまで協力し、その後も忠実な兵士として欲望のままに食っていた。
シンバが帰って来た事で他のメスライオンたちと戦い、目の敵にするナラにも挑んでいた。
最後は追放されたスカーが自分たちを小バカにしたと知り、仲間たちと襲って彼を食い殺す。

スカー(声:キウェテル・イジョフォー)
ムファサの弟。過去に兄へ王の挑戦をするも負けている。兄のお情けで国に留まっている。
キウェテル・イジョフォーは代表作に『2012』、『ドクター・ストレンジ』などがあります。
裏でハイエナたちと同盟を結んでいて、ムファサを倒して王位を手に入れようと画策する。
シンバを利用してムファサを倒し、若き王も国から追い出し、ついに王として君臨を果たす。
国を統治するもハイエナのせいでエサがなくなり、サラビに対する求婚も失敗してしまう。
最後は帰って来たシンバに倒され、手を組んでいたハイエナたちが裏切って食われた。

感想

個人的な評価

本作は1994年に公開されたアニメーション映画『ライオン・キング』を実写映画化としてリメイクした作品となります。
これまでオリジナルの作品はアニメだけじゃなく、ミュージカルとして長年に渡って多くの人を魅了してきました。
個人的には人間の傲慢さを動物が演じさせて、あまりにも現実とかけ離れているから、そんなに好きではありません。
ただ、オリジナルはアニメやミュージカルというファンタジックに演出しているからこそ意味があると思います。
しかし、本作で禁断のリアルな動物たちが演じてしまい、個人的に不快だった部分がより顕著に感じてしまいました。
ライオンがサバンナの絶対的な王、ハイエナが悪者という構図がまず受け入れられません。
狩りをする上ではハイエナの方が成功率が高く、ライオンはそれを横取りする事の方が多くてイメージが逆転してしまっている。
これを知っているからこそ、リアルなキャラクターになってしまい、ファンタジーでオブラートに包んでいた部分がハッキリと出て不快感がありました。
でも、そこはさすがのディズニーというべきところで、リアルに描く動物たちは本物に見間違うほど素晴らしいです。
本来ならアニメやミュージカルでごまかされるリアルな弱肉強食だが、実写にして本物に近づけたばっかりに個人的な不快感が増しただけです。
ハッキリ言って、本作はアニメやミュージカルに留まるべき素材であって、決して実写という本物に近づけちゃいけない作品だったと思う。
それをやってしまったので、ディズニーの凄まじい技術は素晴らしいと思うが、オリジナルのストーリーが相反してしまっていると最初から最後まで感じました。
とにかく、本作は本物に近づけたせいで良さを完全に殺してしまい、根底にあった違和感より顕著に出してしまっただけに思えます。
一つのエンターテイメントとして楽しむならば、ほとんど内容が変わらないオリジナルのアニメを観た方が感動は段違いにあると思いました。
単純にディズニーの持つ高度な技術を見せつける為に作られた作品であり、その意味合いをストーリーと乖離してしまった悲しい運命を持たされたと感じました。