アリータ:バトル・エンジェル VD-301

作品紹介

公開年月  2019/02/14
ジャンル  SF/アドベンチャー/アクション
原作  木城ゆきと 『銃夢』
監督  ロバート・ロドリゲス
脚本  ジェームズ・キャメロン、レータ・カログリディス
製作  ジェームズ・キャメロン、ジョン・ランドー
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

世界が富裕層が暮らす天空都市“ザレム”と、そこから排出された廃棄物が堆積する荒廃したクズ鉄町“アイアンシティ”に二分されていた。
アイアンシティに暮らすサイバー医師のイドは、クズ鉄の山から頭部だけとなった3000年前のサイボーグ少女を拾っていた。
イドはそんな彼女に新たな機械の体を与えて“アリータ”と名付けるが、彼女はザレムに行く事を夢見る青年ヒューゴとの出会いで真実を知っていくのだった。

登場人物&出演者

アリータ(演:ローラ・サラザール)
主人公。300年前のサイボーグ少女。クズ鉄町のゴミからイドが拾って修理してもらった。
ローラ・サラザールは代表作に『メイズ・ランナー』シリーズ、『バード・ボックス』などがあります。
その際には過去の記憶が一切なく、生まれ変わったような感覚で世界を楽しんでいた。
ヒューゴとの出会いで淡い恋心を抱きながら、自分が300年前の戦士だと判明していく。
自分の使命であるザレムの破壊を思い出し、ヒューゴを失いながらもノヴァ打倒を目指す。
最後はモーターボールのスター選手となって、チャンピオンになるべく戦いに身を投じる。

ダイソン・イド(演:クリストフ・ヴァルツ)
クズ鉄町でサイバー医師として暮らす。生身でハンター・ウォリアーとして活動している。
クリストフ・ヴァルツは近年の出演作に『ダウンサイズ』、『チューリップ・フィーバー/肖像画に秘めた愛』などがあります。
ゴミの山からアリータの頭部を発見して、娘に与えるはずだったボディで彼女を修理した。
娘を犯罪者に殺された過去の経験から、アリータを戦いから遠ざけようと考えていた。
実は元ザレム出身で、娘の病気で追放されてしまうが、もう一切の未練を持っていない。
最後は戦士であるアリータを認めると、バーサーカーボディを与えて本来の彼女を取り戻す。

ヒューゴ(演:キーアン・ジョンソン)
イドの手伝いをしている青年。ザレムに強い憧れを持ち、なんとか行こうと夢見ている。
キーアン・ジョンソンは代表作に『Heritage Falls』、『Low Tide』などがあります。
アリータを初めて見た時から興味を持ち、何かと彼女にクズ鉄町の説明をして世話を焼く。
実はその裏でベクターの指示に従い、サイボーグたちから仲間とともにパーツを盗んでいた。
約束の金額まで見えてくるが、アリータを苦しめる為べくザパンに狙われてしまう。
最後はサイボーグ化して生き延びるが、ザレムに行くも殺人カッターで破壊されて落下した。

タンジ(演:ジョージ・レンデボーグ・Jr)
ヒューゴの友人。サイボーグを嫌っている。その為にアリータに対してキツイ態度を取る。
ジョージ・レンデボーグ・Jrは代表作に『スパイダーマン:ホームカミング』、『バンブルビー』などがあります。
モーターボールの初心者だったアリータに厳しさを教えるが、逆に倒されてしまう。
ヒューゴとともにベクターの下でサイボーグのパーツを盗んでいて、良心を咎められず。
最後はアリータを苦しめようとしたザパンに遭遇し、ヒューゴを助けるも斬殺されてしまう。

チレン(演:ジェニファー・コネリー)
ベクターの下で働く女性科学者。元々はザレム出身でイドの妻だったが別れている。
ジェニファー・コネリーは近年の出演作に『オンリー・ザ・ブレイブ』、『スパイダーマン:ホームカミング』などがあります。
その原因はアリータを犯罪者が殺害してしまい、現実を受け止められずにイドから離れた。
なんとかしてザレムに帰りたい気持ちを持っていて、横切る虫を叩き潰す非情な性格を持つ。
アリータを娘として扱ううイドを理解できなかったが、悲しむ彼女を見て心変わりする。
最後はヒューゴをサイボーグ化し、ベクターの元から去り、ザレムに未練はないと話した。

ザパン(演:エド・スクライン)
ハンター・ウォリアー。失われたURMの冶金技術で作られたダマスカスブレードを操る。
エド・スクラインは近年の出演作に『ビール・ストリートの恋人たち』、『インビジブル/暗殺の旋律を弾く女』などがあります。
全身をサイボーグ化しているが、顔だけが生身で絶対の自信を持っていて金をかけている。
ハンター・ウォリアーとしてプライドを持っていて、新人のアリータに厳しさを教えていた。
その過程で自慢の鼻が折られてしまい、彼女を苦しめる為にヒューゴを追い詰めていく。
最後は自慢の顔の半分をアリータに斬られてしまい、ダマスカスブレードも奪われてしまう。

グリュシカ(演:ジャッキー・アール・ヘイリー)
ベクターの元で連続殺人を繰り広げるサイボーグ。ベクターの力で賞金がかかっていない。
ジャッキー・アール・ヘイリーは近年の出演作に『ダークタワー』、『エンド・オブ・キングダム』などがあります。
ハンター・ウォリアーから狙われる事なく、邪魔者を消すもアリータに倒されてブチ切れる。
クズ鉄町の地下で生まれ育ち、死にそうなところでノヴァに救われた恩で彼に忠誠を誓う。
ヒューゴたちが盗んだ強力なパーツを装着して、アリータのボディを破壊するも負傷した。
最後はバーサーカーボディとダマスカスブレードを持つアリータに勝てず破壊されてしまう。

ベクター(演:マハーシャラ・アリ)
クズ鉄町のフィクサーでモーターボールのオーナー。ノヴァの手下として暗躍している。
マハーシャラ・アリは近年の出演作に『グリーンブック』、『ドリーム』などがあります。
モーターボールの結果を裏で操作していて、強すぎる選手からパーツを奪わせていた。
ザレムに行きたいヒューゴを利用して、強力なパーツを手に入れて部下に装着させている。
アリータの強さを見て心臓を狙っていくが、チレンの裏切りで結局は失敗してしまう。
最後はノヴァに精神を支配されてアリータと会話するが、彼女に刺されてそのまま死んだ。

ノヴァ(演:エドワード・ノートン)
ザレムの科学者。ベクターやグリュシカを操っている黒幕。アリータの事を知っている。
エドワード・ノートンは近年の出演作に『素晴らしきかな、人生』、『バードマン/あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などがあります。
グリュシカを通じて会話をしていて、ベクターにも同じような仕掛けて彼を通して会話する。
ベクターを追い詰めたアリータの前に彼を通じて現れ、自分が黒幕であると宣言していた。
最後はザレムに行くヒューゴを殺人カッターで破壊して、アリータの宣戦布告を受ける。

感想

個人的な評価

本作は1991年から1995年に連載された木城ゆきとの漫画『銃夢』を基に製作されています。
ギレルモ・デル・トロから『銃夢』のアニメを紹介されたジェームズ・キャメロンが夢中になって映画化権を獲得している。
アメコミの実写映画化は大成功している中、ハリウッドによる日本の漫画の実写映画化はほとんど失敗しています。
やはり、自国の作品じゃないからビジネス的な面を多く出していて、最低限の出来だけで作ってしまう事が多かった。
そのせいで日本の漫画をハリウッドの実写映画化は期待できない部分と、不安しかない部分が多かったです。
しかし、本作はそれを打ち破るだけのクォリティがあって、何より原作に対するリスペクトが非常に感じられる内容でした。
特に主人公であるアリータのキャラクターを女優がそのまま演じるのではなく、ワザワザCGにして原作に近づけているのは素晴らしいです。
当初はアリータの目が不気味に感じたが、本編を見終わった後には、大きな瞳の意味が分かりましたし、彼女にとって最大のアイデンティティだと理解できた。
世界設定はなんだか『エリジウム』を思い出しましたが、本作の方は漫画が原作なのでもう少しファンタジックな世界観になっている。
主人公が住んでいるクズ鉄町は善人でも、その環境に浸食されて犯罪を余儀なくしてしまうせいで脇役たちの立ち位置が非常に微妙となっている。
一番首を傾げる事になったのはアリータに近づいて、何かと親身に説明していたヒューゴであり、彼の信念や行動について納得できない部分が大きかった。
それがクライマックスになってくると、ヒューゴの身勝手さやアリータの想いも考えない行動など、彼の存在がかなり邪魔になってしまいました。
アリータは戦士として訓練を受けた上に最強の体を持っていて無敵の存在だが、彼女にとって最大に弱点になったのは意図的にそうなったと思います。
そうじゃないとアリータが強すぎて、悪役たちの頑張りが滑稽になりすぎてアクションの迫力が削がれる事を回避する為にヒューゴをその立ち位置にしたと予測します。
ヒューゴはいなくなっても構わないぐらいイラッとしたが、振り回されていたアリータの健気な恋心もまた引き立ったのは言うまでもない。
そして、本作で最も印象に残っているのは世界観やアクションではなく、アリータの持っている大きな瞳から流す涙です。
何度か劇中でアリータは涙を流しているが、これは彼女の大きな瞳だからこそ、素直に感情が伝わってきました。
多分、本作は続編があると思うけど、もっとアリータに過酷な運命が待ち受けているだろうけど、その度に涙を流して強くなって立ち向かう姿をまた観たいと感じました。