オンリー・ザ・ブレイブ RE-2921

作品紹介

公開年月  2017/10/20
ジャンル  ドラマ
原作  グラニット・マウンテン・ホットショット 『2013年に起きた巨大山火事』
監督  ジョセフ・コシンスキー
脚本  ケン・ノーラン、エリック・ウォーレン・シンガー
製作  ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ、マイケル・メンシェル、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

堕落した日々を過ごしていたブレンダンは、恋人が妊娠した事をきっかけに森林消防へ入隊。
ブレンダンは地獄のような訓練の毎日を過ごしながら仲間との信頼を築き、彼らの支えの中で少しずつ成長していく。
しかし、そんな彼らを待ち受けていたのは、山を丸ごと呑み込むような巨大な山火事だった。

登場人物&出演者

エリック・マーシュ(演:ジョシュ・ブローリン)
プレスコット市の消防隊員で指揮官。森林火災では資格がないとして最前線での出動できず。
ジョシュ・ブローリンは近年の出演作に『デッドプール2』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』などがあります。
農務省のホットショットになるべく、市長たちを説得して認定をもらおうと奔走する。
ホットショット認定では審査員に噛みついてしまい、取り消しになると思って椅子を破壊。
見事にホットショットになるが、アマンダとの子供についての話しで仲違いするも仲直り。
最後はヤーネル火災で想像以上に火が広がり、防火テントで防ごうとするが耐えられず死亡。

アマンダ・マーシュ(演:ジェニファー・コネリー)
エリックの妻。消防隊の隊長として自然相手に戦うエリックの夢に協力をしようとする。
ジェニファー・コネリーは近年の出演作に『スパイダーマン:ホームカミング』、『アメリカン・バーニング』などがあります。
普段は牧場で働いていて、ケガした馬が運ばれてくると、その治療と世話を施していた。
エリックが根っからの消防士だと理解して、子供を作らない約束で結婚をしている。
それでも子供が欲しくなって、エリックと相談をしようとするも聞き入れられずケンカする。
最後はヤーネル火災でエリックが犠牲になるが、後悔するブレンダンを力強く励ました。

ブレンダン・マクドナウ(演:マイルズ・テラー)
ニート。酒とドラッグと女の自堕落な生活を送る。前の恋人と子供ができるも何もせず。
マイルズ・テラーは近年の出演作に『アメリカン・ソルジャー』、『ビニー/信じる男』などがあります。
窃盗の現行犯で捕まって釈放されるが、母親から愛想を尽かされて家を追い出されてしまう。
森林火災、火災科学、救急救命士の資格を持ち、空きのあった消防隊に就職をする事になる。
父親としての責任を持ってホットショットでも信頼されるが、娘との時間で異動を考える。
最後はヤーネル火災で一人だけ助かってしまい、アマンダに励まされて立ち直ろうとした。

クリストファー・マッケンジー(演:テイラー・キッチュ)
グラニット・マウンテンの隊員。面接に来たブレンダンとは救急救命士とは同じクラス。
テイラー・キッチュは近年の出演作に『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』、『ジョン・カーター』などがあります。
ブレンダンが当時からヤク中だと知っていて、面接に来た彼を追い返そうとしていた。
ホットショットの認定に一生懸命だった事もあって、足を引っ張りそうなブレンダンを注意。
一緒に住んでいた女が浮気をしてしまい、ブレンダンの行為でしばらく居候させてもらう。
最後はヤーネル火災で火消しをするが、猛威を振るった森林火災に耐えられず死亡した。

ジェシー・スティード(演:ジェームズ・バッジ・デール)
グラニット・マウンテンの隊長。地方自治体の消防隊からエリックが最も信頼されている。
ジェームズ・バッジ・デールは代表作に『アイアンマン3』、『ワールド・ウォーZ』がある。
常にエリックと一緒に行動していて、隊員の穴埋めでは新人の面接に参加していた。
妻子を持っていて、仕事のせいで家を空ける事が多かったが、それでも乗り越えられた。
エリックがアマンダと和解し、指揮官を降りると話した時、その跡継ぎに使命されて受ける。
最後はヤーネル火災で火の広がりが予想を超え、防火テントでも耐えられず死亡した。

デュエイン・スタインブリンク(演:ジェフ・ブリッジス)
プレスコット市の森林火災部のボス。エリックにとって上司で森林火災の恐ろしさを知る。
ジェフ・ブリッジスは近年の出演作に『さよなら、僕のマンハッタン』、『キングスマン:ゴールデン・サークル』などがあります。
前回の火災でエリックたちが参加できなかった事を知り、ホットショット認定を考える。
エリックの友人でもあって、彼の刃向かう態度に振り回されながらも認定を手助けた。
子供を持ちたいアマンダと衝突したエリックの気持ちを察して、彼にアドバイスを送った。
最後はヤーネル火災で19人が死亡し、やるせない気持ちでアマンダをなんとか励ました。

感想

個人的な評価

本作は2013年、アメリカのアリゾナ州で巨大な山火事が発生し、それに立ち向かったホットショット(精鋭部隊)の活躍を描いた作品です。
広大な山林を焼き尽くす炎を止めるべく、農務省から派遣されたスペシャリストたちの熱い戦いが展開されています。
本作で活躍するホットショットである「グラニット・マウンテン」は地方自治体で初めての消防隊となります。
アメリカでは通常の森林火災だと農務省から派遣されたホットショットが現場での消火活動を行うようです。
「グラニット・マウンテン」は元々、地元の消防隊でその権利がなく、火災の最前線に立てずに不満を持っていました。
そこで指揮官のエリックが市長たちを巻き込んで認定をもらい、全国へ飛び回るホットショットになる事ができた。
本作のメインは彼らがホットショットになる事ではなく、彼らの仕事に対する熱意と普段の生活をメインにしています。
ですので、本作はあくまでヒューマンドラマが中心になっていて、そこに所属している消防士たちのプライベートを描写している。
主人公であるエリックは仕事人間で生活のほとんどを消防士として過ごし、妻とは子供を作らない約束をするほどです。
しかし、自堕落な生活から変わろうとする新入りのブレンダンにより、少しずつ考え方を変えていきます。
そのブレンダンもクズと言われても仕方ないほどのダメな生活を送っていたが、娘が生まれた事で真面目になる成長物語でもある。
森林火災についてはほとんど知らないが、本作で如何に危険で人間など一瞬にして呑み込むほどの恐ろしいモノだと分かります。
あれだけ訓練を重ねた消防士ですら、予想を超えるようなエネルギーを持ち、彼らなど道に落ちていた小石程度の存在だと知らしめるほどの迫力と破壊力を持つ。
本作は実話をベースにしているが、てっきり彼らがホットショットになる物語ばっかりだと思っていただけに、20人中19人が火災で亡くなるとは思わなかった。
改めて森林火災の消火は命懸けであり、いくら経験や訓練があっても、相手が自然相手では太刀打ちできない事もあると分かりました。
あれだけヒューマンドラマを展開していて、これからの人生を送ろうとした消防士たちの命を一瞬にして奪い去った後の虚無感が大きかったです。
丁寧なドラマを描いたからこそ、19人があっさりと命を奪われた事すら信じられなかった。
だからこそ終盤まで軽い感じで物語を進めた落差が大きく、強烈なショックを与えるだけのインパクトもありました。