フライング・ジャット RE-3338

作品紹介

公開年月  2016/08/25
ジャンル  アクション/コメディ
原作  なし
監督  レモ・デソウザ
脚本  トゥシャール・ヒラーナンダニ、レモ・デソウザ、ほか
製作  エクター・カプール、ショーバ・カプール
製作国  インド
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

武術教師アマンは化学薬品工場に繋ぐ橋を建設するべく、シク教徒の神木を切り倒そうとする企業オーナー・マルホートラの用心棒に痛めつけられる。
翌朝、アマンは無傷で回復し、神木に超人的な力を授けられたと気付き、母親のお手製の衣装に身を包んで“フライング・ジャット”としてスーパーヒーロー活動する。
マルホートラから町を守ろうとするフライング・ジャットだが、用心棒のラカは汚染物質を超人的な力に変えて戦いを挑むのだった。

登場人物&出演者

アマン・ディロン/フライング・ジャット(演:タイガー・シュロフ)
主人公。武術教師でシク教徒。母親と兄と父親が作った住宅街に住む。キルティに片想い。
タイガー・シュロフは代表作に『タイガー・バレット』、『WAR/ウォー!!』があります。
御神木を切り倒すとしたラカを見つけ、ボコボコにされるも背中に聖なる印が転写される。
スーパーパワーを手にしてヒーロー活動するが、廃棄物パワーで復活したと対決していく。
廃棄物を取り込んだラカに一度負け、代わりに戦った兄を失い、それでも戦いを挑んだ。
最後は神と祈りの力でパワーアップし、ラカを倒し、インドの平和な日常を取り戻した。

キルティ(演:ジャクリーン・フェルナンデス)
ヒロイン。小学校の教師。アマンと同僚。ミーハー体質で問答無用で強い人が大好き。
ジャクリーン・フェルナンデスは代表作に『アラジン/不思議なランプと魔人リングマスター』、『ハウスフル』シリーズなどがあります。
アマンと一緒に歌って踊るぐらい仲はいいが、フライング・ジャットの登場で彼に恋する。
なんとかフライング・ジャットに近づこうとして、女の武器を使って気を引こうとする。
フライング・ジャットの正体がアマンだと知り、すぐに彼の恋人になろうと決意した。
最後はラカに苦戦するフライング・ジャットの為にみんなと祈り、帰還すると出迎えた。

母親(演:アムリタ・シン)
夫でシク教の戦士だった夫の作った住宅街を守っている。大酒飲みで酔うと暴力的になる。
アムリタ・シンは代表作に『ラジュー出世する』、『ヒンディー・ミディアム』があります。
マルホートラから土地の買収を持ちかけられても頑なに拒否し、暴力で追い出そうとする。
アマンがスーパーパワーを手に入れると、すぐにスーパーヒーローだと喜んで衣装を作った。
フライング・ジャットの衣装で戦ったローヒトを失い、アマンと逃げようと考えていた。
最後はシク教の戦士となったアマンにすべてを託し、帰還した息子を温かく出迎えた。

ローヒト・ディロン(演:ガウラウ・パーンデー)
アマンの兄。母親と弟とともに父親が建てた住宅街に住んでいる。いつも弟と一緒にいる。
ガウラウ・パーンデーは代表作に『Hanuman.com』、『バドリーナートの花嫁』がある。
仕事をしている様子はないが、いつも酒を飲んでいる母親を止めようとするも徒労に終わる。
アマンがスーパーパワーを手に入れると、母親に知らせてスーパーパワーの誕生と喜ぶ。
モテたくて勝手にフライング・ジャットとなるが、その度に痛い目に遭ってしまう。
最後はフライング・ジャットとなってラカに挑むも殺されるが、アマンを立ち上がらせた。

ラカ(演:ネイサン・ジョーンズ)
マルホートラが雇っている外国人の用心棒。数人が束になっても抑えられないほどの怪力。
ネイサン・ジョーンズは近年の出演作に『スコーピオン・キング5』、『ボア』があります。
マルホートラの命令で御神木を切ろうとするが、アマンに邪魔されて廃棄物まで飛ばされた。
廃棄物からスーパーパワーを得ると、フライング・ジャットを倒そうように命令された。
マルホートラの廃棄物からパワーアップし、インドを汚染させて自分の強さを誇示していた。
最後は宇宙に飛ばされ廃棄物パワーを得るが、覚醒したフライング・ジャットに倒された。

マルホートラ(演:ケイケイ・メノン)
オーナー・マルホートラの社長。大きな工場を建てて、廃棄物を多く垂れ流して儲かる。
ケイケイ・メノンは代表作に『ボンベイ・ベルベット』、『インパクト・クラッシュ』などがあります。
工場を川沿いに建てたせいでトラックが回り道する事に憤慨し、橋の建設を進めようとする。
頑なに土地を売らないアマンたちに対し、ラカを送り込むもアマンがスーパーパワーを得る。
ラカも廃棄物パワーで怪人と化し、それを利用してフライング・ジャットを倒してもらう。
最後は娘が廃棄物で病気になって手を引き、フライング・ジャットが倒して改心した。

感想

個人的な評価

本作は『ジー・シネ・アワード』にて最優秀舞踏賞を受賞し、『第9回ミルチ・ミュージック・アワード』にてベスト・ソング・エンジニアにノミネートされています。
監督を務めるレモ・デソウザは振付師であり、主演のタイガー・シュロフはテコンドーの黒帯という折り紙付きとなります。
この作品は「スーパーマン」をベースに、近年のアメコミ原作映画の観た事があるシーンを色々と取り込んでいます。
一応、主人公は武術を使う設定なので、そこにカンフーなどの香港映画からアクションを取り入れたシーンもありました。
それに加えて、最近ではインドの経済が発展している裏で環境汚染が問題となっていて、それに対するメッセージなんかも取り入れている。
もちろん、定番である歌と踊りも満載であり、上映時間も2時間半もあって、まさにインド映画にアメコミ原作の要素を加えた作品となっています。
ただ、ハッキリ言って1時間ぐらいのシーンはいらないような感じで、ある意味、それはインド映画の醍醐味かもしれないだろう。
物語は全体的にコメディタッチで主人公は空を飛ぶけど、高所恐怖症で低空でしか飛ばないところは面白いと思いました。
歌と踊りだけでもお腹いっぱいなんですが、王道的なロマンス、母親と兄との絆、父親に対する劣等感、悪役の娘との絆と片っ端から詰め込んでいる。
そのせいで長尺になってしまっていて、どうにも全部のエピソードが満遍なく薄くなっていると思います。
それと、ロマンスを担当するヒロインの強い男が好きという中身のない設定は個人的に好きじゃなかったです。
多分、これは「スパイダーマン」のメリー・ジェーンをモチーフにしているが、記号だけになってしまって悪い方に流れてしまった。
色々と詰め込むのがインド映画だが、アメコミを意識した作品ならば、もう少しエピソードを絞ってやった方がいいと感じさせる映画となりました。