ジュラシック・ジョーズ VD-65

作品紹介

公開年月  1979/06/29
ジャンル  パニック/アクション
原作  なし
監督  チャールズ・B・グリフィス
脚本  アルフレッド・スウィーニー、アン・ダイアー
製作  シリオ・H・サンチャゴ
製作国  アメリカ、フィリピン
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

ハワイの海岸でサメと思わしき生物が観光客を食い殺すという事件が発生。
リゾートホテルのオーナーは事件の連絡を受けるも観光客の減少を懸念して隠蔽してしまう。
海底に沈んだ日本の貨物船で宝探しツアーをしていたグレッグは、謎の生物と遭遇し、それが6500万年の眠りから覚めた凶悪な古代魚だと突き止めるのだった。

登場人物&出演者

グレッグ(演:サム・ボトムズ)
主人公。港でオジのアールとともにバカな観光客を騙して金を巻き上げているクズ。
サム・ボトムズは代表作に『地獄の黙示録』、『エデンの東』などがあります。
積極的にバカな観光客を騙しているが、それ以外はレイチェルとイチャイチャするだけ。
コンテストを持ちかけたアール、船を用意するレイチェルに甘んじているだけでした。
最後は主人公らしくサメをプラスチック爆弾で退治するご都合主義な展開をみせてくれた。

レイチェル(演:スザンヌ・リード)
ヒロイン。リゾートホテルの広報担当。基本的に客に対して愛想を振りまくだけの役目。
スザンヌ・リードは代表作に『The Killers』、『ザ・シッター』などがあります。
ビーチが大変な事になっているのに、広報担当として取材陣に「ノーコメント」を貫く。
フォーブスがサメを捕まえるコンテストを開催し、グレッグと教授とともに退治する事に。
最後はグレッグを心配しながらも見事にサメを退治する事に成功して喜んで抱き合う。

アール(演:ヴァージル・フライ)
グレッグのオジ。小汚い小型船の船長でグレッグとともに観光客から金を巻き上げるクズ。
ヴァージル・フライは代表作に『ニンジャⅡ/修羅ノ章』、『ホット・スポット』があります。
ビーチがサメによって大騒ぎになっている状況を利用し、金儲けをフォーブスに持ちかける。
最初は相棒のグレッグと一緒に出かけるが、レイチェルのおかげで結局は別行動になる。
裏切ったグレッグに暴言を吐くも、すぐに心配するようなセリフのツンデレぶりは印象的。

ホワイティング教授(演:チャールズ・ハワートン)
ハワイ沖で海の調査をするも、助手がサメに襲われて茫然自失のまま帰る。
チャールズ・ハワートンは代表作に『トップレディを殺せ』、『G.I.ジョー』があります。
助手とはそれ以上の関係だったワリに悲しむ様子もなく、サメを捕まえようとする。
その目的は助手の敵討ちではなく、単純に研究用の為に捕まえるというモノです。
フォーブスがコンテストを開催するが、海に潜っていた時に襲われてしまう。
そのせいで死んでしまうが、グレッグたちによって死体をエサに爆弾で退治する事に。

フォーブス(演:ケドリック・ウルフ)
リゾートホテルのオーナー。基本的にお客のご機嫌取りで上客は当然のようにおごる。
ケドリック・ウルフは代表作に『Eat My Dust』、『Like Father Like Son』があります。
サメが現れた事を知りながらもホテルのイメージに関わるとして隠し通そうとする。
基本的にケチで何かにつけて従業員に文句を言うが、客のご機嫌取りは意外にも上手い。
アールに唆されサメ退治のコンテストを開催し、客を犠牲にするという逆手を取る。
最後はグレッグが見事に退治して、責任者なのにまったく反省の色がないプロの商売人。

感想

個人的な評価

本作は伝説的なサメ映画『ジョーズ』の典型的な亜流作品の一つとなります。
亜流作品のほとんどは出来が悪く、本家の『ジョーズ』の足元に及ばないモノばかりです。
本作は例に漏れず、急展開は当たり前であり、低予算丸出しの内容となっています。
しかも、本作は本家『ジョーズ』の構成をそのままパクっているような作品です。
全体的に『ジョーズ』の劣化伴となっているし、オリジナル性がまったくありません。
何より肝心のサメの姿はほぼ見せないのは完全に予算がないという事でしょう。
雰囲気だけはサメ映画であり、実際にサメが出ていない不思議なサメ映画である。
当然ながら本家の劣化伴なので、ハラハラさせる音楽はなく、演出はスピルバーグ監督の足元にも及びません。
ただ、なぜか本家よりも内蔵とかグロテスクな描写だけはしっかりと映すという。
あとはサメが出せないという製作側の都合で、主人公以外のエピソードも入ってくる。
それでようやくサメがハッキリと姿を現すのは上映開始から50分ほどになる。
だけど、それで見えた姿はどう見ても大きなアンコウにしか見えないという造形です。
だから本来あるべきサメの怖さよりも、巨大なアンコウが襲う図式で怖くなります。
しかし、そのアンコウも画面に映っている時間は5分もないような感じです。
一瞬見ただけでアンコウに見えてしまうぐらいだから、長く映せば映すほど粗が出る。
そこら辺は製作陣も分かっていたらしく、クライマックスでアンコウを爆発させた時でも姿を見せないという徹底ぶりでした。
あと、主要人物たちは存在感が薄く、なぜか脇役程度のヤツらの方が目立っていました。
特にフォーブスがコンテストを開催して、いろんな客が出てきて楽しくなりました。
その中でも謎の日本人である“スズキさん”が出オチながらもいいキャラをしていました。
何より本作の前半は本家を意識したシリアスな感じなのに、終盤では完全にコメディ映画と化してしまっている。
どうせやるならば、最初からコメディ路線で行けば、本作はもっと楽しめはずです。
中途半端に本家を意識した分、バカ映画にもカルト映画にもなれず、単なるゴミみない映画にしかならかった惜しい作品です。