作品紹介
公開年月 | 2011/09/08 |
---|---|
ジャンル | アクション/格闘技 |
原作 | なし |
監督 | ギャレス・エヴァンス |
脚本 | ギャレス・エヴァンス |
製作 | アリオ・サガントロ |
製作国 | インドネシア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
インドネシアのジャカルタにあるスラム街にそびえ立つ30階建ての高層ビル。
そこには麻薬王タマ・リヤディが支配し、悪名高い難攻不落のビルに警察は近づけなかった。
新人警官ラマを含むジャカ巡査部長率いる20人のSWATチームは麻薬王を逮捕する為、ビルの奇襲計画を実行に移す。
警察の強制捜査を知った麻薬王は迎え撃つべく、最狂戦士マッド・ドッグ率いるギャングたちと衝突するのだった。
登場人物&出演者
・ラマ(演:イコ・ウワイス)
主人公。新人警官でもうすぐ父親になる。誰よりも正義感を持っている人物。
イコ・ウワイスは俳優の他にスタントマン、スタントコーディネーター、武術家として知られています。
ケガをした仲間を見捨てず、単独でタマ・リヤディを捕まえようとする。
自分が警察である事を誇りに思っていて、兄が逃げろと言っても引かない強情さを持つ。
アクションの面ではさすがの武術家というキレのある動きで見応えがあります。
特に単純な殴り合いだけじゃなく、ナイフを使った殺人術は新鮮味がありました。
・マッド・ドッグ(ヤヤン・ルヒアン)
麻薬王の側近で格闘技の使い手。強烈な蹴りと拳を持つイカれた男。
ヤヤン・ルヒアンは代表作に『極道大戦争』、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などがあります。
高層ビルの防衛を管理していて、侵入したSWATチームを部下で迎撃させる。
銃で殺す事は面白くないと考えていて、あくまで己の肉体で敵を倒す流儀にこだわっている。
ジャカを一対一で倒し、更にラマとアンディを二人相手に互角の勝負をする強さ。
・アンディ(演:ドニー・アラムシャー)
麻薬王の側近で組織の頭脳。一見して穏やかな人物だが、刺激すると何をするか分からない。
ドニー・アラムシャーは23作に出演し、代表作に『ザ・タイガーキッド/旅立ちの鉄拳』などがあります。
警察相手に殺しをするべきじゃなく、買収した方が得策だと訴えている穏健派。
実はラマの兄で6年も音信不通となっていて、今回の強制捜査で兄弟久しぶりの再会となる。
頭脳派という設定なので格闘技は強くないけど、頭の良さは感じられなかった微妙な人物。
・ジャカ(演:ジョー・タスリム)
難攻不落の高層ビルに奇襲計画を立てた巡査部長。決しての覚悟でビルに乗り込む。
ジョー・タスリムは代表作に『ワイルド・スピード/EURO MISSION』、『スター・トレック/BEYOND』などがあります。
突入前から相当気が立っていて、中へ入ろうとする住民すら脅してしまう余裕のなさ。
それが逆にタマ・リヤディという男がどれだけ危険なのかを表現していました。
・タマ・リヤディ(演:レイ・サヘタピー)
悪役。30階建て高層ビルの支配者で麻薬王。殺す事に一切の躊躇いがない冷徹な男。
レイ・サヘタピーは37作に出演し、代表作に『KILLERS/キラーズ』があります。
冷静沈着で被害状況を分析して、きちんと住民から家賃を回収させていく。
基本的に誰も信用しておらず、自分の目で見たモノしか信じない人物でもある。
・ワヒュ(演:ピエール・グルノ)
ベテランの警部補。ジャカたちの上官。今回の奇襲計画は上層部に無断で指示している。
ピエール・グルノは11作に出演し、本作が映画四作目となっています。
実はタマ・リヤディとは繋がっているが、逮捕できれば幹部に昇進する目論みだった。
しかし、すでにタマ・リヤディは上層部を買収していて、自身の命は風前の灯火だと知る。
そこで暴挙に出て、人質にしていたタマ・リヤディを撃ち殺し、自殺を図るも弾切れで失敗。
当然のように生き残ったラマに捕らわれ、汚職警官として連行される事になる。
感想
個人的な評価
これまで格闘技をベースにした映画は香港のカンフー映画がほとんどでした。
近年では中国と併合して、更なる豊富な資金でCGなどと組み合わさってより派手に進化しています。
その中でトニー・ジャーが主演した『マッハ!』が大ヒットし、アジアの格闘技映画が香港だけじゃない事を示しました。
トニー・ジャーは第一線で体を張ってアクション映画を次々と公開し、タイ映画の地位を一気に押し上げています。
しばらく、香港とタイが格闘技映画の中心であったが、ついにインドネシアからも格闘技をベースにした作品が誕生した。
本作は第36回トロント国際映画祭で上映され、ミッドナイト・マッドネス賞を受賞。
世界から注目されるようになって、これによってインドネシア映画の凄さが一気に広まる。
主人公を演じたイコ・ウワイスは実際にスタント、武術家であり、本作で見せる動きにはキレと惹きつける魅力がありました。
特に接近戦では最強とも言われる格闘技“シラット”が使われているのは大きい。
これまでの格闘技をベースにした映画では徒手空拳だったが、本作ではナイフを使って相手を倒していく。
シラットは武器を使った武術であり、本作ではその実力が遺憾なく発揮されています。
そして、満を持して登場するヤヤン・ルヒアンにとっても出世作となりました。
160センチという小さな体格でありながらも、主人公とその兄を相手に互角の勝負をする。
むしろ、ヤヤン・ルヒアンの演じたマッド・ドッグは強すぎるぐらい優勢でもあった。
この強烈なインパクトによって、ヤヤン・ルヒアンは邦画『極道大戦争』に出演し、更に『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』にも出演しています。
今後はインドネシア映画から目が離せないし、ヤヤン・ルヒアンだけじゃなく、イコ・ウワイスの活躍も期待できるでしょう。