作品紹介
公開年月 | 1997/06/14 |
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ジャンル | カンフー/アクション |
原作 | なし |
監督 | ドニー・イェン |
脚本 | ドニー・イェン |
製作 | ドニー・イェン |
製作国 | 香港 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
青年ベンは伝説の男マンヒンに“殺しの依頼”と称して近づこうと、側近の老人ワイの案内で会い、昔話を聞かされる。
荒れ果てた僻地の村に一人の男が来ると、彼こそマンヒンで記憶をなくしていたが、次々とマンヒンを襲う刺客たちを倒していった。
かつての恋人と再会すると次第に記憶を取り戻していき、ついに自分は盗賊団のビッグ・ウルフと戦っていたと思い出すのだった。
登場人物&出演者
・ファン・マンヒン(演:ドニー・イェン)
主人公。盗賊団「7人の狼」の幹部。組織の非道なやり方に納得せず反旗を翻してしまう。
ドニー・イェンは近年の出演作に『
初代のボスを倒すも重傷を負って記憶喪失になるが、覚えていた村までやって来る。
婚約者だったウェイ・イーとの再会で徐々に記憶が蘇るが、組織の刺客たちに襲われる。
村人たちが虐殺される中で助けようとして、逆にウェイ・イーが捕まってしまう。
最後はウェイ・イーがビッグ・ウルフに殺され、逆上するも彼の目だけを奪って立ち去る。
・ウェイ・イー(演:カルメン・リー)
ヒロイン。マンヒンの恋人。小さい頃からマンヒンと一緒に生活して結婚を約束していた。
カルメン・リーは代表作に『少林キッズ』、『ノック・オフ』などがあります。
戦争に派遣されたマンヒンの帰りをずっと待っていて、山賊に怯える日々を送っていた。
記憶喪失になって戻ったマンヒンが刺客でボロボロになり、その看病にずっと付き合った。
まだ記憶が戻らないマンヒンに感情をぶつけると、激しい雨の中で二度の肉体関係を結んだ。
最後はビッグ・ウルフに捕まってしまい、マンヒンの目の前で首を刎ねられて死亡した。
・ワイ(演:ウォン・ジーワー)
村の若者。日本兵に両親を殺された戦争孤児。盗人が多い村で逞しく追いはぎに成長する。
ウォン・ジーワーは代表作に『ぼくたちはここにいる』、『忍者』などがあります。
記憶喪失のマンヒンが村を訪れると、すぐに声をかけて彼が行きたい場所を案内していく。
盗賊団「7人の狼」の刺客たちに襲われると、マンヒンが全員を倒して弟子入りする。
武器の使い方を習おうとするが、あくまで精神論しか教えないマンヒンに呆れてしまう。
最後は盗賊団が村人を虐殺する中、孤軍奮闘して刺客の一人を見事に倒して生還を果たした。
・ベン(演:エドモンド・リョン)
マンヒンに殺しの依頼をする青年。なかなか連絡が取れないマンヒンと上手く接触した。
エドモンド・リョンは代表作に『異邦人たち』、『全力スマッシュ』などがあります。
恋人の制止を電話口から受けるが、闇社会のトップに立ちたい野心から無視してしまう。
年老いたワイを車に乗せると、ノンビリと会話しながらマンヒンが待っているアジトに着く。
思い出話を長らく聞かされていき、闇社会のトップに立っても空しいだけと言われる。
最後は拳銃を手渡されるが、マンヒンの制止する言葉と恋人の言葉で彼の殺害を断念した。
・鎖の男(演:ヴィンセント・タム)
盗賊団「7人の狼」の刺客。記憶を失って恋人だったウェイ・イーを待つマンヒンを襲撃。
ヴィンセント・タムは代表作に『ダブル・インパクト』、『カンフー・ジャングル』がある。
右腕に真新しい鎖を巻きながら強力なパンチを繰り出し、マンヒンをかなり追い込んだ。
マンヒンが苦戦している間に倒せず、イスをトンファーにした彼に翻弄されてしまう。
最後はマンヒンが鎖に巻かれたイスの木片を飛ばされ、体を貫かれて呆気なく倒れてしまう。
・回転式拳銃の男(演:カイ・ナム・ホウ)
盗賊団「7人の狼」の刺客。左目に眼帯をして、素手や刃物を持つメンバーの中で銃を使う。
カイ・ナム・ホウは代表作に『九龍の狼』、『十福星』などがあります。
兄たちをぶっ殺したマンヒンに対する怒りが人一倍で、素手の彼に堂々と銃撃していた。
6発しか装填していない回転式拳銃なのに、平然と10発以上も発射できる能力を発揮する。
最後はサブウェポンの投げナイフを返されてしまい、たった一撃だけで倒されてしまう。
・斧の男(演:リー・タットチウ)
盗賊団「7人の狼」の刺客。蒸し暑い中でなぜか格好を付けてフードを目深に被っていた。
リー・タットチウは代表作に『Two on the Road』、『Angel Force』などがあります。
他の刺客と同じようになんの罪もない村人たちに斧を振り回し、次々と虐殺していった。
マンヒンを村の外に連れ出す為に走っていくが、途中で抵抗していたワイと対決する。
最後は大きな得物である斧の隙を突かれ、マンヒンに唯一倒されなかった刺客となった。
・鉄の爪の男(演:マク・ワイチュン)
盗賊団「7人の狼」の刺客。マンヒンが隠れていた村にやって来ると村人たちを虐殺した。
マク・ワイチュンは代表作に『男たちの挽歌』、『メダリオン』などがあります。
マンヒンを村の外に連れ出す為にウェイ・イーを担いでいくが、途中で落としてしまう。
そのままマンヒンとタイマン勝負し、鉄の爪で木の皮を剥がしていく破壊力をみせる。
最後はボクシングスタイルに変えたマンヒンに対応できず、蹴りで首の骨を折られて死亡。
・ビッグ・ウルフ(演:ベン・ラム)
盗賊団「7人の狼」のボス。マンヒンが先代のボスを殺した事で自分が二代目となっていた。
ベン・ラムは代表作に『吸血魔界年』、『レクイエム/最後の銃弾』などがあります。
幹部で世話になった兄たちを殺害したマンヒンを追って、刺客を次々と送り出していた。
ようやくマンヒンがいる村に到着すると、すべての部下を従えて村人を虐殺し始めた。
マンヒンの恋人ウェイ・イーを人質にするが、彼の目の前で首を刎ねて挑発していく。
最後はタイマン勝負で金的を食らって動きが止まり、猛攻を受けて両目を潰されてしまう。
感想
個人的な評価
本作はドニー・イェンが監督、脚本、製作、アクション監督を務めた作品となります。
まさしく本作はドニー・イェンの為に作られた映画だと言っても過言じゃない。
タイトルはブルース・リーの『ドラゴン危機一発』を彷彿とさせるが、当然のようにまったく関連性がありません。
当時はまだ日本で無名だったドニー・イェンを第二のブルース・リーとして売り出そうと邦題をつけたらしい。
確かにドニー・イェンは憧れるの人物にブルース・リーを挙げているが、実際の彼はまったく違ったイメージがあります。
しかしながら、本作はブルース・リーを彷彿とさせる雰囲気を出し、怪鳥音まで入れているけど、なんだか今と違っていて違和感がありました。
本作は細かい設定はほとんどなく、あくまで襲って来る敵を倒していくのがメインとなる。
その為、ザコの数は尋常じゃないぐらいに出ていて、さっき倒したヤツが当たり前のように出てきて人員を増やしています。
とにかく、ザコ相手なら主人公のマンヒンにとって道端に転がる石程度の存在で面白いぐらいに倒されていきます。
強そうなヤツも登場するが、鎖を腕に巻いた男、回転式拳銃の男、斧の男、鉄の爪の男など役名もかなり適当である。
当然のように全員を倒すと思ったら、なぜか斧の男だけは村の戦争孤児であるワイが頑張って倒してしまいます。
そもそも、マトモな武術を習っていないだろうワイが、犯罪組織の手練れを倒す上にザコ相手でもほぼ無傷という点も見逃せない。
物語は回想がほとんどを占めるが、現在の主人公は悲哀に満ちていて、本作の雰囲気をしっかりと伝えると思います。
ただ、主人公のマンヒンがあまりにも救われない展開であり、自分を狙う若者を思い留まらせるには哀しすぎる結末だと感じさせます。
ドニー・イェンを楽しむには良い作品だろうけど、映画として観ると全体的に物足りない印象を受けてしまいます。
やはり、ドニー・イェンは一人のアクション俳優としていいけど、監督や脚本かとしては残念ながら微妙な感じでした。