テラフォーマーズ RE-2313

作品紹介

公開年月  2016/04/29
ジャンル  SF/アクション
原作  貴家悠(原作)、橘賢一(作画) 『テラフォーマーズ』
監督  三池崇史
脚本  中島かずき
製作  坂美佐子、前田茂司
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

21世紀、人口爆発が深刻化する地球で火星への移住計画が始まり、地球化の為にコケとゴキブリが500年前に移植された。
計画を仕上げる為に小町小吉を含むワケありの15人の日本人が火星に送り込まれるが、そこで彼らが見たのは人間大の巨大生物。
高い身体能力とパワーを持つテラフォーマーと呼ばれる巨大生物に小吉たちは絶体絶命のピンチに陥るのだった。

登場人物&出演者

小町小吉(演:伊藤英明)オオスズメバチ
主人公。武道の心得がある。菜々緒に対して異常なまでに守る事を優先する。
伊藤英明は近年の出演作には『22年目の告白/私が殺人犯です』、『3月のライオン』などがあります。
何より菜々緒の事を第一にして考えているが、彼女を失った瞬間の場面があっさりでした。
そこまで思っているならば、もっと悲しむべきだが、涙は一切ないという説得力のない演出。
行動理念が菜々緒だったのに、衝撃的な彼女の死に薄っぺらな怒りしかないのはおかしい。

秋田奈緒子(演:武井咲)クモイトカイコガ
ヒロイン。血の繋がりがない兄から金を巻き上げられる。小吉によって助けられる。
武井咲は近年の出演作には『クローバー』、『今日、恋をはじめます』などがあります。
兄を刺してしまうが、小吉は自分の仕業だと罪を被っているが、ずっとそれに対して負い目を持つ。
火星で最初の犠牲者となるが、自力で成虫となって窮地の陥った小吉たちを助ける。

武藤仁(演:山下智久)サバクトビバッタ
キックボクサー。流暢な英語を話す。失うモノは何もない天涯孤独な人物。
山下智久はアイドルグループ「NEWS』の元メンバーで、現在は各方面で活躍しています。
小町をライバルとして見ているが、実際は菜々緒とともに良き友人であった。
最後には肉体変異の限界を超えてしまい、元に戻れない人間大のバッタになってしまう。

蛭間一郎(演:山田孝之)ネムリユスリカ
引きこもりのハッカー。多くの弟と妹に病気の母親を持ち、金の為に志願している。
山田孝之は近年の出演作には『何者』、『信長協奏曲』などがあります。
実は本多博士から特命を受けていて、森木とともに卵を持ち帰るはずだった。
やはり、弟や妹に病気の母親を抱えていて、最後に政府のやり方に対して反旗を翻す。
原作の蛭間は気持ち悪いが、本作の山田孝之は雰囲気を再現していると思います。

ゴッド・リー(演:ケイン・コスギ)ミイデラゴミムシ
テロリスト。金の為に志願しているが、政府のやり方は最初から気に食わない。
ケイン・コスギは近年の出演作には『MAXX』、『Zero Tokerance』などがあります。
バグス2号で一番に肉体変異するが、テラフォーマーズに奥の手が効かず簡単に殺られる。

森木明日香(演:菊地凛子)エメラルドゴキブリバチ
元警察官。押収した金に出している。本多博士からの特命を受けて裏で動いていた。
菊地凛子は近年の出演作には『ディアーディアー』、『Last Summer』などがあります。
本多博士に従っているように見せて、実はテラフォーマーズを操って世界の支配を計画する。
しかし、第2世代の誕生で彼女の毒が効かず、あっさりと処理されてしまう。

手塚俊治(演:滝藤賢一)メダカハネカクシ
連続殺人犯。何かと危ない発言をして、マリアと空衣に対して執着心を持っている。
滝藤賢一は代表作に『クライマーズ・ハイ』、『ゴールデンスランバー』があります。
本多博士に次いで、かなり目立つような言動をしていて、意外にも活躍していた。

大張美奈(演:小池栄子)ハナカマキリ
副艦長。堂島艦長の下で的確な仕事をこなすが、本多博士の特命は知らなかった。
小池栄子はグラビアアイドルとして活躍し、女優としてテレビドラマや映画で活躍する。
原作では頼りがいのあるキャラクターであり、本作でもそれを意識していると思う。
ただ、小池栄子ではなんだかイメージがかけ離れているので違和感があった。

堂島啓介(演:加藤雅也)パラポネラ
艦長。上司を殴って半身不随した事で失脚。バグス2号の艦長として復帰している。
加藤雅也は近年の出演作には『夢二/愛のとばしり』、『全員、片想い』などがあります。
本多博士の特命を受けていたが、地球に卵を持ち帰る事を拒否していた。

本多晃(演:小栗旬)
黒幕。バグス手術を開発し、バグス2号計画の首謀者として暗躍している。
小栗旬は近年の出演作には『追憶』、『ミュージアム』などがあります。
原作とは最もかけ離れた設定になっていて、小栗旬はかなり脚色しています。
やりたい放題の感じであるが、地味な本作においては最も目立ったキャラクターでした。
原作通りではつまらないキャラクターだったのだろうから、このような演出になった。
まさに怪演とも言えるほどの演技であり、不気味な雰囲気がよく出ていたと思う。

感想

個人的な評価

ヤングジャンプで絶大な人気を誇る漫画の実写映画化。
監督は日本を代表する多作として知られる三池崇史が務めている。
この漫画については数少ない集める1本で、当初はもの凄く面白いと感じていた。
しかし、最近になって当初の勢いがかなり衰えてしまっているのは否めない。
そこでまさかの実写映画化となったけど、公開されて様々な酷評を受けています。
第一、邦画でSF映画をやるのはムリがあるし、舞台が火星なら尚更だろう。
金儲けがすべての邦画では無茶な挑戦と言ってもいいほどだと思う。
それぐらい原作に対する敬意がないのが邦画による実写映画化なのです。
希にちゃんとした実写映画が作られるけど、三池崇史監督の時点でありえないのです。
三池崇史監督は名前こそ有名だが、彼の作る映画はムラッ気が多すぎます。
自分が作ってみた映画だった徹底的にこだわって面白いモノを作る。
だが、逆に興味はないけど生活の為に作る映画は本当につまらないです。
三池崇史監督は漫画好きというのは聞いた事がないので、今回はあくまでビジネスで映画を作っていると思われる。
だから世間から酷評を食らっているが、多分、本人は気にしていないだろうと思う。
ここで分かるのは、映画監督は自分が作りたいモノよりも、作らないといけないモノの方が圧倒的に多いと分かります。
しかも、その与えられている環境が制限されているし、上からの要求にも応えないといけないという板挟み状態。
それを上手くこなしているからこそ、三池崇史監督は多くの映画にオファーされている。
結局、邦画は酷評されようと一定以上の興行収入さえ上げれば問題がないのです。
しかし、本作は酷評されるほど悪くないと自分は感じてしまいました。
原作を上手く編集しているし、ストーリーもムリなく展開しているので、悪くないです。
確かに原作は多国籍のキャラクターが登場するけど、本作は全員日本人の設定だが、そこまで強引だと感じられなかった。
三池崇史監督は『テラフォーマーズ』に愛情はないが、ちゃんと職人監督として仕事をこなしていると思います。