ロボコップ2 MY-72

作品紹介

公開年月  1990/06/22
ジャンル  SF/アクション
原作  なし
監督  アーヴィン・カーシュナー
脚本  フランク・ミラー、ウォロン・グリーン
製作  ジョン・デイヴィスン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  購入DVD

あらすじ

治安が悪化するばかりの犯罪都市デトロイト、ある麻薬が蔓延する中、ロボコップは市民の生命を守る為に孤軍奮闘していた。
一方、オムニ社では会長がロボコップより忠実に従うロボコップ2号を開発させていた。
ロボコップは麻薬組織の居所を突き止め逮捕しようとするが、ボスの手下の罠で捕まり解体されてしまう。
修理されたロボコップは麻薬組織のボスを倒すが、その死体から新たなロボコップ2号を誕生させてしまうのだった。

登場人物&出演者

ロボコップ/アレックス・マーフィ(演:ピーター・ウェラー)
主人公。凶悪犯により殺されてしまい、オムニ社によりロボコップとして復活した。
ピーター・ウェラーは近年の出演作に『ポセイドン・アドベンチャー』、『悪霊喰』がある。
待遇に不満を持つ警察官がストライキを敢行する中、孤軍奮闘でデトロイトの治安を守る。
麻薬組織ヌーク教団の教祖、ケインを逮捕しようとするが、捕まってバラバラにされる。
オムニ社は過去の功績と世間の評判から彼を修理するも、ファックス博士で別人にされる。
最後は自我を取り戻し、生まれ変わったケインを倒すも心の黒幕である会長には手が出せず。

アン・ルイス(演:ナンシー・アレン)
ヒロイン。マーフィが配属されたデトロイト市警の相棒。いきなり相棒を失う事になる。
ナンシー・アレンは代表作に『フィラデルフィア・エクスペリメント』、『ポルターガイスト3/少女の霊に捧ぐ』などがあります。
オムニ社のファックス博士がプログラムを書き換えた事でロボコップが別人になったと知る。
プログラムを削除する為に決死の行動を起こしたロボコップを介抱して助けた。

オールドマン会長(演:ダン・オハーリー)
オムニ社の会長。デトロイト市を作り替えようとするが、邪魔する市長を煙たがる。
ダン・オハーリーは代表作に『邪魔者は殺せ』、『ロビンソン漂流記』などがあります。
治安が荒れるデトロイト市から犯罪を撲滅する為にロボコップ2号の開発を進める。
そこで興味深いファックス博士の提案を快諾し、彼女に開発を任せてしまう。
デトロイト市を私物化しようとし、ロボコップ2号の失態でオムニ社のイメージが落ちる。
最後はすべての責任をファックス博士に押しつけ、自分はなんとか責任を逃れる。

ファックス博士(演:ベリンダ・バウアー)
オムニ社の心理学者。独自の理論を会長に披露してロボコップ2号の開発を任せられる。
ベリンダ・バウアーは代表作に『超音速攻撃ヘリ/エアーウルフ』、『地獄の戦闘艇バラクーダ』などがあります。
ロボコップ1号は警官で成功したが、2号は強い力への欲求がある犯罪者が適任だと提案。
野心の塊でその為ならば、惜しげもなく女の武器を使って会長に近づくビッチな女。
地位を手にしてロボコップ2号の開発をしていた前任者を脅すほどの勘違い女になる。
最後はケインが暴走したせいでオムニ社の評判を落とし、そのツケを払わせる事になる。

キューザック市長(演:ウィラード・F・ピュー)
デトロイト市の市長。財政難に苦しみ、それを打開しなければオムニ社に買収される。
ウィラード・F・ピューは代表作に『
資金集めにテレビなどを使うが、そこに目をつけたホブにより借金の肩代わりを受ける。
しかし、ロボコップ2号となったケインに襲撃され、命からがら逃げ出す事ができた。
オムニ社の会長が記者会見でロボコップ2号を紹介し、そこで殺人ロボットだと宣言する。
最後はオムニ社の失態をマスコミに訴えるが、あまり聞いてもらえず遠くで吠えるのみ。

ホブ(演:ガブリエル・ダモン)
麻薬組織ヌーク教団のメンバー。最年少の少年だが、折りたたみ式のマシンガンを所持する。
ガブリエル・デーモンは代表作に『テキーラ・サンライズ』、『アイアン・メイズ/ピッツバーグの幻想』などがあります。
復活したロボコップによってアジトを襲撃され、ケインが捕まるとリーダーとなる。
デトロイト市長に借金の肩代わりをしようとするが、ロボコップ2号の襲撃で命を落とす。

アンジー(演:ガリン・ゴルグ)
麻薬組織ヌーク教団のメンバー。ケインの愛人でヌークの薬物中毒者でもある。
ガリン・ゴルグは代表作に『ジャッジメント・ナイト』などがあります。
ケインを助けようとするが、ヌークを握るホブの言いなりとなってしまう。
ロボコップ2号となったケインを愛するが、怒りを募らせた彼によって首を折られる。

ケイン(演:トム・ヌーナン)
麻薬組織ヌーク教団の教祖。犯罪都市デトロイトで蔓延るヌークを蔓延させるカリスマ。
トム・ヌーナンは代表作に『グロリア』、『ラスト・アクション・ヒーロー』があります。
ロボコップにアジトを襲撃されるが、用意周到な罠で捕まえ、バラバラに解体した。
裏切り者は決して許さず、その処刑をメンバーに見せる残虐性を持っている。
復活したロボコップに捕まり、重傷を負うが、ファックス博士によってロボコップ2号に。
自分を見捨てたホブやオムニ社の邪魔となる市長を殺すべく取引現場で殺戮をした。
最後はオムニ社の命令に背き、ロボコップと対決するも、脳と脊髄を引き出されて消滅する。

感想

個人的な評価

前作は低予算ながら大ヒットし、新たなSFアクション映画として成功しました。
当然のように続編が製作されるのは時代の流れと言えるでしょう。
当時は数多くの作品が製作される中で、同じようなタイプの作品である『ターミネーター』と比較される事が多かったと思います。
ただし、両者の定義は違っていて、ロボコップは人間の組織を部品として使い、ターミネーターはロボット骨格に生きた細胞で覆っているだけ。
ロボコップはサイボーグであり、ターミネーターはアンドロイドという位置づけとなります。
従って両者が対決した時には圧倒的にターミネーターが強いけど、条件さえ整えればロボコップにも勝ち目があると思います。
それはさて、本作についてですが、監督がポール・バーホーベンからアーヴィン・カーシュナーに交代した影響が非常に大きくなっています。
前作にあったニュース番組は残っているけど、その内容や雰囲気がかなり変わっています。
これで分かるのはポール・バーホーベンという人物が繰り出すブラックユーモアのセンスが素晴らしいという事です。
アーヴィン・カーシュナー監督は『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』や『ネバーセイ・ネバーアゲイン』などを撮っている事で有名です。
しかし、本シリーズにおいては相性が悪く、ポール・バーホーベン監督が残した軽さと残酷さを上手く継承していないのです。
何よりロボコップと退治する2号が登場するのは物語の中盤以降で、人間の形から完全に逸脱したせいで動きがぎこちない。
今だったらCGによって滑らかな動きが可能だが、当時はストップモーション・アニメなので、どうしても動きがカクカクしてしまう。
更に本作の悪役は麻薬組織のボスだが、その裏で動かしているのが心理学者の女という情けない構図も微妙だと感じました。
前作では人質となった会長も無責任な立場になるが、この使い方もイメージが変わりすぎて違うような印象を持ちました。
とにかく、本作は続編として微妙な位置づけになってしまい、これが三作目に響いてしまったのは言うまでもないです。