ONE PIECE FILM GOLD VD-283

作品紹介

公開年月  2016/07/23
ジャンル  アドベンチャー/アクション/ファンタジー
原作  尾田栄一郎 『ONE PIECE』
監督  宮元宏彰
脚本  黒岩勉
製作  尾田栄一郎
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

航海を続けるルフィたち“麦わらの一味”は世界中の富豪たちが集う世界最大のエンターテイメントシティ“グラン・テゾーロ”にやって来た。
そこは世界政府すら手出しできず、誰であろうと街のルールを犯す事はできず、グラン・テゾーロを築き上げたギルド・テゾーロは絶対的な支配者として君臨する。
金の力で強大な権力を手に収めるギルド・テゾーロは、街に来たルフィたちも非情なルールに飲み込まれるのだった。

登場人物&出演者

【麦わらの一味】

・ルフィ・D・モンキー(声:田中真弓)
主人公。船長。ゴムゴムの実の能力者。異名を「麦わらのルフィ」。懸賞金3億ベリー。
田中真弓は近年の出演作に『ドラゴンボールZ/復活の「F」』、『宇宙兄弟#0』があります。
ゾロを救い出す「チームA」として外壁をよじ登るが、ギルド・テゾーロにバレてしまう。
黄金の地下牢に落ち、レイズ・マックスと合流して諦めない姿勢を貫いて彼らを奮起させる。
切り札の「ゴールデンテゾーロ」で圧倒されてしまうが、「ギア4」を使って破壊する。
最後は暴走して黄金で人を飲み込もうとしたギルド・テゾーロに渾身の一撃を加えて倒した。

ロロノア・ゾロ(声:中井和哉)
戦闘員。三刀流の剣士。異名は「海賊狩りのゾロ」。懸賞金は3億2000万ベリー。
中井和哉は近年の出演作に『機動戦士ガンダムNT』、『文豪ストレイドッグス/DEAD APPLE』などがあります。
ギルド・テゾーロのイカサマで拘束されそうになると、最初に抵抗するも捕まってしまう。
公開処刑される事になってしまうが、ルフィたちが助けに来ると信じて待っていた。
ナミとカリーナの作戦で拘束を解かれると、黄金の鎧と斧を持つダイスと対決をする事に。
最後は黒刀の居合抜きで頑丈なダイスを斬り倒し、グラン・テゾーロから脱出した。

ナミ(声:岡村明美)
航海士。元海賊専門の泥棒。海図を描いている。異名は「泥棒猫」。懸賞金6600万ベリー。
岡村明美は近年の出演作に『映画コラショの海底わくわく大冒険!』、『名探偵コナン/ゼロの執行人』などがあります。
カリーナとはかつて東の海で競っていた泥棒仲間で、裏切りに見せた囮で助け出されている。
ゾロを救い出す「チームB」として動き、カリーナの手はずで金庫の近くまでやって来る。
またもカリーナに裏切られるが、実際はギルド・テゾーロを騙して海水で能力を解除させた。
最後はカリーナに出し抜かれて「テゾーロマネー」のグラン・テゾーロを盗まれてしまう。

ウソップ(声:山口勝平)
狙撃手。ウソつきで手先は器用。異名は「狙撃の王様ソゲキング」。懸賞金2億万ベリー。
山口勝平は近年の出演作に『名探偵コナン/紺青の拳』、『えんぎもん』などがあります。
ゾロを救い出す「チームB」として動き、カリーナの手はずで金庫の近くまでやって来る。
外壁を登っていた「チームA」の為に足場となる道具を開発してフランキーに託していた。
チョッパーとブルックとバカラと戦うも、強運に前に勝てず一度は逃げ出してしまう。
最後は再び戻ってバカラの運を使い切らせると、必殺の「ドクロ爆発草」の一撃で倒した。

サンジ(声:平田広明)
コック。一味で唯一の喫煙者。異名は「黒足のサンジ」。懸賞金1億7700万ベリー。
平田広明は近年の出演作に『デジモンアドベンチャーtri.第6章「ぼくらの未来」』、『さよらなの朝に約束の花をかざろう』などがあります。
ゾロを救い出す「チームB」として動き、カリーナの手はずで金庫の近くまでやって来る。
作戦がバレてギルド・テゾーロの前に立つと、空中を移動して攻撃を仕掛けるも捕まった。
ロビンとともにタナカさんと対決するが、ヌケヌケの実による高速移動に翻弄される。
最後はロビンに使ったタナカさんに向けて、容赦ない必殺技を繰り出して見事に倒した。

トニートニー・チョッパー(声:大谷育江)
船医。ヒトヒトの実の能力者。異名は「わたあめ大好きチョッパー」。懸賞金100ベリー。
大谷育江は近年の出演作に『ミュウツーの逆襲EVOLUTION』、『えいが うちの3姉妹』などがあります。
ゾロを救い出す「チームB」として動き、カリーナの手はずで金庫の近くまでやって来る。
警戒する赤目フクロウたちの言葉を理解し、彼らの視線を掻い潜って螺旋階段前まで連れる。
ウソップとブルックたちとバカラと戦うが、強運を味方にした彼女の前に散々な目に遭う。
最後はウソップの機転でバカラを倒し、ルフィがギルド・テゾーロも倒して脱出を果たした。

ニコ・ロビン(声:山口由里子)
考古学者。ハナハナの実の能力者。異名は「悪魔の子」。懸賞金1億3000万ベリー。
山口由里子は近年の出演作に『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイレボリューション』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』などがあります。
ゾロを救い出す「チームB」として動き、カリーナの手はずで金庫の近くまでやって来る。
金庫へ繋がる螺旋階段を守る警備たちを能力で捕まえると、あっさりと気絶させていた。
サンジとともにタナカさんと戦うが、ヌケヌケの実による高速移動に翻弄させられる。
最後は有機物を通り抜けできないと見抜いて、あっさりと捕まえ、タナカさんを倒した。

フランキー(声:矢尾一樹)
大工。全身を自分で改造している。異名は「鉄人(サイボーグ)」。懸賞金9400万ベリー。
矢尾一樹は近年の出演作に『劇場版シティーハンター/新宿プライベート・アイズ』、『ドラゴン・キングダム/魔法の森と水晶の秘密』などがあります。
ゾロを救い出す「チームA」として動き、ルフィとともに外壁から金庫を目指していった。
黄金の地下牢でレイズ・マックスたちと出会い、その案内で海水を真水に変える装置に着く。
ギルド・テゾーロの能力を無効化する海水を汲み上げるポンプを繋げて見事に成功させる。
最後はフランキー将軍を出陣させて崩壊するグラン・テゾーロから仲間と住民を避難させた。

ブルック(声:チョー)
音楽家。ヨミヨミの実の能力者。異名は「鼻唄のブルック」。懸賞金8300万ベリー。
チョーは近年の出演作に『劇場版幼女戦記』、『ニンジャバットマン』などがあります。
ゾロを救い出す「チームB」として動き、カリーナの手はずで金庫の近くまでやって来る。
赤目フクロウに見られるも生物じゃないと判断されてしまい、結局は警報が鳴る事がない。
ウソップとチョッパーたちとバカラと戦うが、強運を味方にした彼女に歯が立たなかった。
最後は暴走したギルド・テゾーロの能力に呑み込まれるが、ルフィが倒した事で解放された。

【革命軍】

・レイズ・マックス(声:北大路欣也)
革命軍の一人。かつて世界で名を馳せた伝説のギャンブラー。左頬に「7」のタトゥー。
北大路欣也は代表作に『安寿と厨子王丸』、『モンスターストライク/THE MOVIE』がある。
三頭身ながら渋い雰囲気をまとい、少年時代のフランキーが憧れた不敗のギャンブラー。
革命軍の任務でグラン・テゾーロを訪れたが、カジノで大敗して黄金の地下牢に監禁された。
ルフィの諦めない姿勢を目の当たりにして、ギャンブルで負けた事を振り切って立ち上がる。
最後はルフィがギルド・テゾーロを倒して、やって来たコアラとサボたちと合流した。

コアラ(声:ゆきのさつき)
革命軍魚人空手師範代。グラン・テゾーロに潜入していたレイズ・マックスの動向を探る。
ゆきのさつきは代表作に『犬夜叉』シリーズ、『映画 葦の形』などがあります。
ギルド・テゾーロとスパンダムの会話を盗聴して、ルフィたちの存在をサボに知らせた。
最後は解放されたレイズ・マックスたちと合流して、ギルド・テゾーロが倒されるのを見た。

サボ(声:古谷徹)
革命軍参謀総長。エースとルフィの義兄弟。革命軍のナンバー2。メラメラの実の能力者。
古谷徹は近年の出演作に『名探偵コナン/ゼロの執行人』、『交響詩篇エウレカセブン/ハイエボリューション』などがあります。
グラン・テゾーロに潜入していたレイズ・マックスを追って、ルフィたちの存在を知る。
ルフィとギルド・テゾーロに砲撃していたロブ・ルッチの前に現れると、止めさせる事に。
最後はギルド・テゾーロが倒されると、レイズ・マックスと合流して立ち去った。

【海軍本部・CP-0】

ロブ・ルッチ(声:関智一)
元CP9諜報部員。ネコネコの実・モデル“豹”の能力者。CP-0の諜報員となっている。
関智一は近年の出演作に『ドラえもん/のび太の月面探査記』、『PSYCHO-PASS/サイコパス Sinners of the System』などがあります。
ギルド・テゾーロからの天上金を警護するべく、サカズキに軍艦10隻を出すように指示した。
ルフィと戦っていたギルド・テゾーロに向けて砲撃するが、サボの登場で阻止される。
最後はサボと戦っていたが、ギルド・テゾーロが倒された事で中断して彼を拘束させた。

スパンダム(声:小野坂昌也)
元CP9司令長官。ルフィたちに敗れてしまうが、権力と裏金を使ってCP-0のメンバーになる。
小野坂昌也は近年の出演作に『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』、『GANTZ:0』などがあります。
グラン・テゾーロにいた天竜人たちと天上金の警護として海軍から送り出されている。
麦わらの一味がグラン・テゾーロにいると聞かされると、復讐の為にルフィを捕まえた。
最後は奴隷の子供に反撃され、存在を忘れられていたルフィのパンチ一発に沈んでしまう。

サカズキ(声:立木文彦)
海軍本部元帥。ギルド・テゾーロからの天上金を警護するべく軍艦10隻を要請される。
立木文彦は近年の出演作に『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、『名探偵コナン/純黒の悪夢』などがあります。
元海賊のギルド・テゾーロの命令に苛つくが、ロブ・ルッチの指示で仕方なく従った。

【グラン・テゾーロ】

カリーナ(声:満島ひかり)
歌姫。その正体はギルド・テゾーロの莫大な財産である「テゾーロマネー」を狙う女怪盗。
満島ひかりは代表作に『メアリと魔女の花』などがあります。
かつて東の海で海賊専門の泥棒として活躍し、ナミから「女狐」と呼ばれるライバルだった。
過去にナミとともに海賊に捕まってしまい、裏切りと見せかけて囮となって逃がしてくれた。
麦わらの一味と組んで「テゾーロマネー」を狙い、同時に捕まったゾロを助ける為に手伝う。
最後はグラン・テゾーロが自爆すると全員を騙して、見事に「テゾーロマネー」を手にした。

バカラ(声:菜々緒)
VIP担当のコンシェルジュ。ラキラキの実の能力者。重要な来訪者をエスコートする美女。
菜々緒は本作がアニメ映画デビュー作となります。
ギルド・テゾーロに忠誠を誓っている従業員の一人で、グラン・テゾーロの構造を良く知る。
古株ではないが能力によって、絶対にギルド・テゾーロが負けない事で厚い信頼を寄せる。
麦わら一味が刃向かうと、ウソップ・チョッパー・ブルック相手に無敵の運で痛めつける。
最後はウソップの機転ですべての運を使い切って、マトモに攻撃を食らって倒された。

タナカさん(声:濱田岳)
警備主任。ヌケヌケの実の能力者。巨大な顔を持つ二頭身の珍妙な体型。戦闘では銃を使う。
濱田岳は代表作に『百日紅/Miss HOKUSAI』、『天才バカヴォン/蘇るフランダースの犬』などがあります。
ギルド・テゾーロから最も信頼されている幹部で、グラン・テゾーロの警備を任されている。
VIPを招き入れる部屋には自身の能力じゃないと通り抜けられず、重要な役回りを担う。
麦わらの一味が刃向かうと、サンジとロビンを素早い動きで翻弄してショーを盛り上げた。
最後はロビンに捕まってしまい、動けないところでサンジの技をマトモに食らって倒れた。

ダイス(声:ケンドーコバヤシ)
ディーラー。武装色の覇気の使い手。マゾ気質で直情的な性格でパワーとスピードを持つ。
ケンドーコバヤシは代表作に『GANTZ:0』、『プロメア』などがあります。
グラン・テゾーロではVIP相手にディーラーを務め、痛みを感じる事で気持ち良くなる。
かつては裏世界で最も危険なデスマッチショーのチャンピオンで、挑戦者がおらずにいた。
麦わらの一味が刃向かうと、解放されたゾロと対決するも武装色の覇気で傷つけられず。
最後はゾロの刀を奪って戦うが、黒刀による一撃必殺の前に黄金の鎧ごと破壊されて倒れた。

ギルド・テゾーロ(声:山路和弘)
オーナー。ゴルゴルの実の能力者。異名は「黄金帝」。口癖は「エンターテインメンツ」。
山路和弘は近年の出演作に『バケモノの子』、『BLAME!』などがあります。
世界の通貨の20%を掌握するほどの大富豪であり、海軍や天竜人すら丸め込むほどの実力者。
グラン・テゾーロのルールを支配しており、逆らえば一瞬で黄金の像に変える力を持つ。
過去にヒューマンショップで売られたステラを買い戻そうとするが失敗し性格がねじ曲がる。
最後は「神」と称して暴走するが、ルフィの主人公補正に敗れ、ルッチたちに拘束された。

感想

個人的な評価

本作は『ONE PIECE FILM Z』以来、三年半ぶりの劇場オリジナル映画となります。
今回も尾田栄一郎が総合プロデューサーとして参加し、悪役となるギルド・テゾーロのバックボーンを深く掘り下げています。
やはり、原作者である尾田栄一郎が総合プロデューサーとして関わっている分、物語としても深みのあるモノになっている。
特に本作での悪役となるギルド・テゾーロの背景はしっかりと考えられ、彼がそのような人間になった意味合いがより伝わってきます。
原作ではすでにルフィは四皇にも並ぶほどの実力者となって、早々に巨大な敵が現れる事が難しくなっています。
そんな状況の中で本作のギルド・テゾーロの設定や強さには充分に納得できるし、ルフィが負ける可能性だってあったのも分かります。
あくまでルフィが主人公だから勝てたのだろうが、状況が違えば彼らはあっさりと負けていたと思わせる展開は悪くないです。
いつもなら変な幹部が麦わら一味の相手しているが、今回はかなり控え目になっていたのは一見して物足りないが、あくまで悪役のギルド・テゾーロを引き立てる役に徹していた。
ここら辺の調整も上手く機能しているが、逆に麦わら一味の活躍が少ないのは仕方ない事だろうと思いました。
オマケとして海軍や革命軍が出てきたのはファンサービスであり、実際に物語への関わりが少なかったも納得できる。
ただ、かつてルフィと戦って敗れたロブ・ルッチがもう一度戦う姿を一瞬だけでも見られたのは良かったし、それを止めに来たサボの存在も良かった。
尾田栄一郎の描くキャラクターは日本的なマンガよりもアメコミに近いスタイルだと思っているが、敢えてオッサンにスポットライトを浴びせる演出も素晴らしい。
地味な活躍ながら存在感を出した伝説のギャンブラーであるレイズ・マックスの見た目にそぐわない渋さも尾田栄一郎らしいキャラクターだと言えるだろう。
クライマックスでのお約束となるルフィと悪役の対決は少し大味になって、主人公補正で勝ったのは映画的に仕方ないだろうと思います。
やはり、尾田栄一郎が悪役ギルド・テゾーロの背景を深く掘り下げただけにもっと彼の過去を絡めた物語が欲しかったです。
それでも、カジノを交えた物語として面白く、独特な雰囲気もまた海賊と違っていて、ギルド・テゾーロの背景も上手く噛み合っていたと思います。
あとは本作でも素人のタレントたちによる声の出演があるけど、意外にもプロにも負けないほどの演技をみせてくれました。
その中でもバカラの声を務めた菜々緒はデビュー作とは思えないほど上手く、ケンドーコバヤシや濱田岳の両者は役に合っていて、重要なキャラクターのカリーナ役の満島ひかりも悪くなかったです。
今後も「ONE PIECE FILM」の冠を称したシリーズに期待ができる作品となりました。