オキュラス/怨霊鏡 VD-331

作品紹介

公開年月  2014/04/11
ジャンル  ホラー
原作  マイク・フラナガン 『Oculus: Chapter 3–The Man with the Plan』
監督  マイク・フラナガン
脚本  マイク・フラナガン、ジェフ・ハワード
製作  トレヴァー・メイシー、マーク・D・エヴァンズ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

引っ越したばかりの一家だったが、父が母を殺害し、その父も銃で撃たれる事件が発生する。
残された二人の子供は救出されるが、10歳だった弟ティムは父親を殺害した容疑で精神病院へ送られ、姉のケイリーも引き取られてしまう。
11年後、退院したティムをケイリーが迎えに来て新しい人生を始めるが、弟と父の無実を晴らす為に姉は原因だった鏡を葬り去ろうとするのだった。

登場人物&出演者

ケイリー・ラッセル(演:カレン・ギラン)
主人公。11年前の事件以降は施設で育つ。アンティーク家具関係の会社に勤めている。
カレン・ギランは近年の出演作に『ジュマンジ/ネクスト・レベル』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』などがあります。
婚約者のマイケルがいて、精神病院から出てくるティムを迎えに行って住む場所を与える。
過去の事件でティムと父が無実だとして下調べし、その正体を暴こうと準備していた。
当初信じなかったティムに映像を見せつけるが、幻覚のせいでマイケルの殺してしまう。
最後は幻覚に囚われ、同じく囚われたティムにより鏡を破壊する錨に巻き込まれて死亡した。

ティム・ラッセル(演:ブレントン・スウェイツ)
11年前の事件で父親を銃殺した事で精神病院に収容される。成長してようやく退院をする。
ブレントン・スウェイツは代表作に『Z Bull/ゼット・ブル』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』などがあります。
過去の事件を1日と忘れた事はないが、掘り返そうとするケイリーの行動力に圧倒される。
事件が起きた家で記録を始めるケイリーを呆然と見て、促されてようやく手伝うようになる。
当初から信じなかったが、幻覚によって別の行動させられた映像で目を覚まして対応する。
最後は幻覚により錨を作動させて鏡の前にいたケイリーが死に、またも逮捕される事になる。

12歳のケイリー(演:アナリース・バッソ)
大きな家への引っ越しを楽しんでいた。オモチャの銃でティムと一緒に広い家で遊んでいる。
アナリース・バッソは代表作に『はじまりの旅』、『スレンダーマン/奴を見たら、終わり』などがあります。
庭に隠れていた時に父親の書斎を見ると、後ろから抱きしめる女性の姿を目撃していた。
愛犬の様子がおかしくなり、次に母親の様子もおかしくなり、徐々に不安を覚えてしまう。
暴走した母親に襲われて悲しんでいると、監禁した父親もおかしくなって弟と脱出を試みる。
最後は父親に襲われてピンチになるが、勇気を振り絞ったティムが銃を撃って助けられた。

10歳のティム(演:ギャレット・ライアン)
ケイリーとともに大きな家の引っ越しを無邪気に楽しむ。二人でオモチャの銃で遊んでいる。
ギャレット・ライアンは代表作に『チャット/罠に墜ちた美少女』、『インシディアス』シリーズなどがあります。
何も疑う事なく過ごしていたが、愛犬の様子がおかしくなってケイリーと悲しんでいた。
父親の様子がおかしくなり、母親に尋ねられると階段で見知らぬ女性を見たと話してしまう。
母親がケイリーを襲うとビビってしまい、なんとか姉に励まされて逃げ出す勇気を持つ。
最後はケイリーが追い詰められると、銃を手にすると、正気を取り戻した父親に射殺させる。

マリー・ラッセル(演:ケイティー・サッコフ)
ケイリーとティムの母親。大きな家に引っ越し、順風満帆な生活に心の底から満足している。
ケイティー・サッコフは代表作に『ハロウィン/レザレクション』、『リディック:ギャラクシー・バトル』などがあります。
忙しい夫がアンティーク家具を買ってくれる事に感謝し、彼が欲しいモノの購入を承諾する。
徐々にアランの様子がおかしくなり始めると、女性の影を書斎で見て以降は疑うようになる。
鏡に物を投げつけたせいで強く影響され、子供たちを襲い、アランによって監禁された。
最後はケイリーの首を絞める正気を取り戻すが、魔力に囚われたアランに射殺されてしまう。

アラン・ラッセル(演:ロリー・コクレイン)
ケイリーとティムの父親。ソフトウェアのエンジニア。大きな家の購入で幸せの絶頂にいる。
ロリー・コクレインは代表作に『パブリック・エネミーズ』、『アルゴ』などがあります。
アンティーク家具好きな妻の為に“ラッサーの鏡”を購入して、自分の部屋に飾っていた。
女性の影を見るようになってから様子がおかしくなり、マリーとしょっちゅうケンカをする。
取り憑かれたマリーがケイリーを襲った事で監禁するが、鏡の魔力に取り憑かれてしまう。
最後はマリーを射殺してケイリーに追い詰めるが、正気を取り戻してティムに射殺させた。

マイケル(演:ジェームズ・ラファティ)
ケイリーの婚約者。ケイリーと同じアンティーク家具の会社に勤めている上司。
ジェームズ・ラファティは代表作に『ドニー・ダーコ2』、『スモール・タウン・クライム/回り道の正義』などがあります。
ケイリーが何をやろうとしているのか分からないが、婚約者の為に疑う事なく協力していた。
鏡の魔力を暴こうとしたケイリーに頼まれ、1時間ごとに電話をして無事を確かめていた。
植木鉢の破片を手にしていたケイリーに首元を刺され、たった一撃で絶命してしまう弱さ。
最後は実は鏡が見せていた幻覚であり、ケイリーの前に亡霊として姿を現していた。

感想

個人的な評価

本作は『トロント国際映画祭ミッドナイト・マッドネス部門』にて観客賞を受賞し、『未体験ゾーンの映画たち2015』にて上映されています。
この作品は本作にて監督と共同脚本を務めるマイク・フラナガンの短編映画を長編映画にセルフリメイクしています。
鏡を使ったホラー映画は決して少なくないアイテムで、代表作として『ミラーズ』シリーズなどがあります。
何より鏡というのはホラー映画で当たり前のように演出として使われる事が多く、恐怖を煽るアイテムとして非常に効果的です。
それに昔から「鏡は不思議な魔力を宿す」と信じられており、日本だと古くは邪馬台国時代まで遡り、海外では『白雪姫』での「鏡よ鏡」の呪文で有名だろう。
このように映画だけに限らず、様々な物語で重要なアイテムとして用いられる鏡が本作で物語の中心にあります。
近年でのホラー映画は物理攻撃が増えている傾向にありますが、本作は昔ながらの幻覚を使った内容になっています。
本作では現実なのか幻覚なのか分からないような状況に陥り、正気を取り戻した時には無残な死を遂げてしまうのです。
この作品の良い部分として主人公たちの過去と現在を上手くリンクさせて、物語をスムーズに説明しながら展開させているところです。
回想というのは性質上、現行の物語を止めてしまう要素を持っているが、本作は過去の出来事とリンクさせて同時に説明しています。
この繋ぎ方はとても上手く機能していて、物語を止めてしまう回想を活用した好例とも言える構成だったと思います。
何より姉弟に焦点を絞って、過去と現在で二人の立場の違いを交えながらも鏡が持つ魔力に囚われていく過程も分かりやすいです。
本作は救われない結末を迎えてしまうのですが、これは個人的に解決して欲しかったです。
結局、成長して大人になった姉弟が鏡に立ち向かうが、最終的に状況を変えられずに終わってしまったのは無意味に感じてしまう。
色々とやったのに結果は変わらないならば、本作の意味合いがなくなってしまうと感じた。
やはり、ここは明確な鏡との決着を演出して姉弟の奮闘と物語に意味を持たせて欲しかった。
大人になった姉弟を演じたカレン・ギランとブレントン・スウェイツは良かったが、一番はケイリーの子供時代を演じたアナリース・バッソでした。
なんとか弟を守って解決しようとした少女の強い決心をアナリース・バッソの演技が冴え渡っていました。