作品紹介
公開年月 | 2019/11/15 |
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ジャンル | ホラー |
原作 | なし |
監督 | アレハンドロ・ファデル |
脚本 | アレハンドロ・ファデル |
製作 | アレハンドロ・ファデル、フェルナンド・ブロム、ほか |
製作国 | アルゼンチン、フランス、チリ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
静かな村である日、突然発見された首なし死体に捜査をしていた地元警察のクルスは、不可解な事件に頭を抱えていた。
ほどなくしてクルスは不倫相手のフランシスカが首なし死体となって発見され、彼女の夫ダビドが容疑者として逮捕される。
しかし、死体の頭部にはとても人間業とは思えない何者かに食い千切られた跡があり、クルスは人智を超えた怪物の仕業だと仮説の立てるのだった。
登場人物&出演者
・クルス刑事(演:ヴィクトル・ロペス)
主人公。地元警察の刑事。夫が妻の首を切り落として殺害した事件を担当する事になる。
ヴィクトル・ロペスは本作が長編映画デビュー作となります。
殺害現場で謎の粘液を発見し、目撃者で言動が怪しいダビデを雪山の小屋で発見し連れ帰る。
フランシスカと不倫をしていて、署長や同僚には公然とバレても一切気にしていない。
ダビドの診察と捜査を照らし合わせ、次の事件を予想して当たり、現場に向かっていく。
最後は怪物に左手を食われレイプされても生き延びるが、緑の粘液を吐く後遺症を患った。
・ダビド(演:エステバン・ビリャルディ)
夫が妻の首を切り落とす殺害現場を目撃した男。言動が怪しく意識が半分飛んでいる。
エステバン・ビリャルディは代表作に『みんな嘘つき』、『約束の地』などがあります。
雪山の小屋にいたところをクルス刑事が発見されて家に帰るが、妻の前で発作を起こした。
またしても森に出てしまうが、後を追ってきたフランシスカが何かに殺されてしまう。
精神科医の診察を受けると、怪しい言動から声が聞こえ、怪物が襲ったと証言していた。
最後は容疑者として殺害現場に連れて来られたが、署長が怪物だと知ってういでに殺された。
・フランシスカ(演:タニア・カスチアーニ)
ダビドの妻。濃い眉毛が繋がっている。言動が怪しい夫を必死に支えるも心労が蓄積する。
タニア・カスチアーニは代表作に『Los ojos llorosos』などがあります。
山小屋にいた夫がクルス刑事により連れ帰られるが、セックスを求めるも拒否されてしまう。
欲求不満が溜まっても解消されず、夫を助けたクルス刑事と肉体関係を結んでいる。
再び夫が消えてしまい、夜の森に出かけると何かに襲われてしまい、首を切断された。
最後は翌朝には首を切り落とされた状態であり、下着を履かず股を広げた状態で発見される。
・サラ刑事(演:ソフィア・パロミノ)
地元警察の女性刑事。寡黙でかなりの短髪。気が付いたらクルス刑事と行動していた。
ソフィア・パロミノは代表作に『Vete más lejos Alicia』、『Emilia』などがあります。
連続殺人事件についてクルス刑事と捜査するが、あくまで付き添う程度でほとんど何もせず。
クルス刑事が予測した次の事件を署長に報告して、みんなと現場に向かっていった。
ダビドの見張りを交代して、立ち往生する車から無線機を取りに行こうとして怪物に遭遇。
最後は怪物に惨殺されてしまい、駆けつけたクルス刑事に切り落とされた首を発見される。
・精神科医(演:ロミーナ・イニエスタ)
ダビドの精神状態を診察した女医。妄想に囚われているダビドの精神状態に興味を持つ。
ロミーナ・イニエスタは本作が長編映画デビュー作となります。
ダビドが話す怪物について詳しく診察していくと、声が聞こえてきたと真剣に取り合った。
最後はクルス刑事たちがダビドの診察でのやり取りについて、録音したデータを渡していた。
・署長(演:ジョルジ・プラド)
地元警察の署長。クルス刑事の上司。夫が妻の首を切り落とす事件で現場に駆けつけた。
ジョルジ・プラドは代表作に『La peste』、『Claudia』などがあります。
容疑者となる夫に厳しい態度で尋問し、ちゃんとした答えが出ないと頭を叩いていた。
クルス刑事に後の捜査を任せて警察署で待機し、進捗状況を聞くと回りくどい説明をする。
なぜかクルス刑事に対して親密なボディタッチをするが、それ以上の事をせずにいた。
最後はダビドに自分が怪物だと話し、仲間に聞かれたのでまとめて銃殺して立ち去った。
感想
個人的な評価
本作は『カンヌ国際映画祭』である視点部門に正式出品し、『シッチェス・カタロニア国際映画祭』ではブラッド・ウィンドウ賞を受賞しています。
その他にも多数の映画祭に出品されており、これは明らかに内容が怪しい作品となります。
舞台はアルゼンチンやチリに跨るアンデスとなっていて、厳しい環境で人が暮らすのは大変だと映像から伝わってきます。
しかしながら、本作は不安が的中するようにマトモなエンターテイメント性を捨てた芸術性を勘違いした作品となりました。
つまり、本作は監督と脚本を務めるアレハンドロ・ファデルの世界観を受け入れるか受け入れないかに別れます。
基本的に多くの人は本作に対して睡眠効果を得てしまい、何度も意識が飛んでしまうほど退屈に感じられるはずです。
なぜならストーリーの展開が非常にスローテンポで登場人物たちの動きが悪く、BGMがほとんどないから退屈に感じてしまうだろう。
冒頭から首切りシーンが始まって期待させられるが、主人公のオッサンが登場したところから一気にテンポが悪くなります。
アレハンドロ・ファデル監督は芸術作品を作りたいので、みんながみんな回りくどい言動をしてワザと分かりにくくしています。
そもそも、そんなに深い事をしているワケじゃないのにワザと小難しくしているので、これは完全にアレハンドロ・ファデル監督の趣味に付き合える人しか楽しめません。
芸術作品なので本作は平然と男女が裸になっていて、序盤から大きなモザイクをしないといけないような状態になっています。
とは言っても、脱いでいるのはオッサンと眉毛が繋がった女性だからエロさはありませんが。
本作はほとんど中身がないのにスローテンポな上にワザと小難しくしている上、110分もあるという拷問に近い内容だと言えます。
ただ、ようやく人間を殺していた怪物が登場して、その造形が明らかに女性器と男性器を意識しているのは監督のこだわりだろうと思います。
その土台が肥満体のオッサンみたいなところは意外にも好感度があって、なんだか『モンスター・モーテル』に登場した怪物化したゾンビみたいでした。
本来なら80分程度に収まるような内容であり、実際にそれぐらいで作っていたら本作はもっと面白くなっていたはずです。
ですが、アレハンドロ・ファデル監督は本作に対して芸術性を求めているからスタート地点が違っているのは仕方ない。