作品紹介
公開年月 | 2015/11/05 |
---|---|
ジャンル | パニック/ホラー |
原作 | なし |
監督 | デイミアン・レオーネ |
脚本 | デイミアン・レオーネ |
製作 | ジェシー・バゲット、ニール・シードマン |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
古代エジプト学の権威、ウォルトン教授が遺跡から発掘した太古のミイラ。
アメリカに持ち帰って解剖が開始された時、ミイラは再生をして、教授はその魔力に操られてしまう。
生贄を欲する魔王ファラオに求められるまま、教授は若き乙女の血を捧ぎ、次第にその力は強大さを増していく。
一方、死体を蘇生させる禁断の研究に取り憑かれた医学生のフランケンシュタインは、実験に成功し、人工生命体を誕生させるのだった。
登場人物&出演者
・ヴィクター・フランケンシュタイン(演:マックス・リーサー)
大学教授。医学界では天才と呼ばれる期待の若手。母の死で不死の研究をするようになる。
マックス・リーサーは代表作に『A Four Letter Word』、『Gold Star』などがあります。
カーターに死体を調達してもらう中で、最後に新鮮な脳を要求した状況が変わる。
殺人をしたカーターが報酬の額を上げた事で関係が決裂し、殺されそうになる。
なんとかカーターを殺し、彼の脳を使って死体から人工的に生命体を造り出す事に成功する。
ウセルカラーに刺されるも怪物となったカーターを自らの手で始末をつけて絶命する。
・ナイラ・カリル(演:アシュトン・リー)
ヒロイン。ヴィクターの恋人。考古学の教授。ギザのピラミッドに調査に行っていた。
アシュトン・リーは代表作に『In Focus』、『ダーク・ハウス』などがあります。
ピラミッドは宇宙人が造ったと小バカにする学生を冷静に全否定してからかう余裕を持つ。
ギザでは3千前のミイラを発掘して、大学に持ち込み、ヴィクターに見せている。
古代エジプト語が話せて、魔術や呪いに詳しく、ウマルカラーに呪いを解く為に狙われる。
怪物とウセルカラーに狙われるが、運良く助かってヴィクターの研究所を処分した。
・ウォルトン教授(演:ブーマー・ティブス)
考古学の大学教授。ナイラとともにギザのピラミッドに調査へ行っていた。
ブーマー・ティブスは代表作に『The Bell Jar』、『River of Fundament』などがあります。
研究していたウセルカラーを目覚めさせ、その下僕として生贄を捧げる手足となる。
呪いを解くカギとしてナイラを連れて来るが、ウマルカラーを騙して殺される事になる。
舌、耳、鼻を順に切り落とされ、最後は性器を切り落とされてようやく絶命する。
・カーター(演:ジョン・ピケット)
大学の清掃係。ヴィクターに雇われる便利屋。研究に必要な死体のパーツを揃えていた。
ジョン・ピケットは代表作に『An Evening with Myrna』、『Vivat! Vivat! Regina!』などがあります。
最後にヴィクターが要求した脳を殺人で手に入れ、法外な報酬を要求で脅していた。
しかし、ヴィクターの思わぬ反撃で殺され、その脳ミソは怪物に使われてしまう。
・フランケンシュタインの怪物(演:コンスタンティン・トリップス)
ヴィクター・フランケンシュタインが死体を繋ぎ合わせて造り出した人工生命体。
コンスタンティン・トリップスは代表作に『For 20』、『Joe’s War』などがあります。
ヴィクターの研究で体の各パーツは独立して動けるようになっていた。
最終的に一つの肉体に縫い合わせられ、それを統率する新鮮な脳で完成する事に。
カーターの脳を使った影響でずる賢い怪物となり、新たな若い肉体を欲する。
ウセルカラーと対決して勝利するも、油断したところでヴィクターに脳天を割られて絶命。
・ウセルカラー(演:ブランドン・デスペイン)
第6王朝の王。3千年前のミイラで、ウォルトン教授が大学に持ち帰って研究される。
ブランドン・デスペインは代表作に『Mission Idiot』、『The Secret Garden』があります。
父王テディを殺し、兄ペピを退け、王となって圧政を敷く暴君として知られている。
結果としてペピは側近と結託し、生きたまま感覚器官と性器を切り落とされて処刑される。
更にペピは女魔術師に呪いをかけさせ、肉体に魂を封じ込められるという徹底ぶり。
現代になってウォルトン教授のおかげで復活し、呪いを解く為にナイラを狙う。
結局はヴィクターの造り出した怪物と対決するも、心臓を抉られ、頭を粉砕されて死ぬ。
感想
個人的な評価
タイトルとパッケージから明かな低予算B級映画だと分かります。
まず、ミイラとフランケンシュタインが対決するという構図は別に珍しくないです。
本作では古典的なモンスターである“フランケンシュタインの怪物”と“ミイラ”が出てきますが、当然のように何度も映画化されています。
前者では『ヴァン・ヘルシング』、『アイ・フランケンシュタイン』、『ヴィクター・フランケンシュタイン』などの作品があります。
後者では『ハムナプトラ』シリーズ、最新作ではトム・クルーズ主演の『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』などの作品がある。
このように両者ともに何年経っても未だに使われるネタとして重宝されています。
当然のように低予算映画のジャンルである『VSシリーズ』で使われるのは自然の流れです。
そもそも、本作を借りた理由として『VSシリーズ』という一点だけに惹かれました。
こういう作品というのは基本的に80分、長くても90分というのが相場となる。
しかし、本作は115分という長尺となっていて、明らかにセオリーを無視しています。
題材が長尺向きじゃないのに長尺だと、わき上がってくるのは不安要素しかないです。
そのせいで二の足を踏んでしまい、このタイプの作品に求められる気軽さを損なっている。
では、その長尺になった原因を分析すると、本作は序盤からムダなエピソードが多すぎます。
主人公はヴィクター・フランケンシュタインのようだが、よく考えると違う感じがした。
物語の中心人物はヒロインであって、ヴィクターは一つの要素でしかないのです。
なので、彼の視点で物語を始めてしまうと、相対するミイラ側は基本的に不利となる。
結局はその流れが最後までついて回り、古代エジプトの王であるミイラが呆気なく倒される味気ない展開となった。
ヒロインのナイラを演じたアシュトン・リーは魅力的で、とことん不憫な感じは良かった。
対してヴィクターは役作りが微妙で、教授にしては若すぎるし、坊主頭でとても医学の天才には見えませんでした。
ミイラ側のウォルトン教授もヨボヨボのジイさんで演技が下手すぎるので、もう少し若い方が良かったのではないかと思う。
本作は配役でミスっているが、怪物同士が顔を合わせた時の演出はなかなか良かったです。
中盤以降は一気に物語が走り出すので、ここら辺は上手さがあったけど、序盤がダラダラしたのが大きなマイナスでした。
低予算なのでフランケンシュタインの怪物は殴るだけ、ミイラも殴って剣で切るだけと、等身大すぎるバトルはしょっぱい感じだったが。
全体的に演出は悪くないので、いらないエピソードを削って90分以内に収めて、キャスティングと役作りをもう少し考慮すれば良作になっていた。